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研究・社会貢献

東北福祉大学の挑戦 ー地域共創に向けてー

人づくりと教育改革

近年、改めて学士課程教育の充実が課題視され、「教育の質とは何か」あるいは「学士力とは何か」の問いかけがなされ、『課題探求能力』や『汎用性のある基礎的能力』の育成が重視されるべきであるとされています。そして各々の大学に、個性と特色の一層の明確化と同時に、教育の質の向上に向けてどのように取り組んでいるかを、社会に説明することが要請されています。

本学の使命の具体化である学部・学科は、知識の従来区分に基づく専門分野別ではなく、多様な専門分野の知識を集め、その適用を図る応用分野別に編成されています。各学部・学科の目標は、それぞれ、学生に対し、多様な専門知識を目的意識的に理解する能力と、自らの知識を道具として使いこなせるようにする能力を養成し、やがて彼らが人生や仕事で成果を上げていくことになる、実社会への準備をほどこすことに向けられています。

人間基礎論

教育の質と生産性をどのように定義すべきかは極めて難しい問題ですが、大学は、学生にとって、実人生の仕事にかかわる知識を習得するだけではなく、自分自身を発見し、陶冶する場でもあります。

本学では、入学すると、学生は大学生活全般、学問、そして実人生に対する動機づけを受ける、全人的教育を旨とする少人数授業科目の『人間基礎論』に出会います。その初回の講義である入学式の学長式辞では、最初に、学生は人ときちんと対面し、声を出して挨拶するよう促され、「転んだことがなく歩けるようになった人はいない。いかに立ちあがっていくかが大事だ」と激励されます。そして最終講義である卒業式の学長告辞では、「財を失うは小を失う。名誉を失うは大きく失う。勇気を失うはすべてを失う。勇気とは自分で自分を励ますことである。」と、はなむけの言葉が贈られます。これらの講話を通じて、人はかけがえのない存在であると同時に、人の生が対話的性質をもつことから、自分の他者理解は自分の自己理解と見合っていること、失敗は負債ではなく革新のための資産と解釈すべきこと、そして、人の務めは今日から明日へと前進することであり、自分の生きがいと信ずることに取り組む勇気を忘れないことが説かれます。

この『人間基礎論』には、本学の創案になる『tfu元気点検票』を活用した健康教育のプログラムも組み込まれています。学生は、自己点検型の総合的健康スケールである『tfu元気点検票』-食、呼吸、睡眠、体温調節、運動・動作、心の働き、人との愛情ある接し方、社会及び自然環境、心身に不具合のないことの9つの視点からなる96項目-に照らして、自己の生活習慣・行動と生体機能の実態をポジティブ及びネガティブの両面から確認し、評価することができます。さらに、この点検作業を時をおいて継続することによって、自分の状態の変化を把握し、自己の生活習慣を再設計し実践することができます。これを通じ、自己省察と自己再生という人間の根源的課題の追求を最も具体的かつ平易な形で体験することになります。このプログラムは、自らの日常生活自体を問題として、自ら考え、自分にとって大切な未来をつくるのは自分自身の責務であると自覚することを促す、いわば、問題への取り組みを宿題型から自律型へ転換する思考の演習といえます。

学生は、また、体育会、大学指定団体、文化会、同好会――それぞれ、現在、25部、8団体、38部、34サークルあります――など、多彩に展開されている課外活動に積極的に参加することを奨励されます。そのなかの数少なくない部やクラブが、全国に名を馳せる成果を上げ、世界の舞台で活躍する人材をも輩出していることから、自分のさまざまな顔をもつ情熱や隠れた才能に気付き、将来に夢をかけることができます。そして、自分にとって本当に大切なことに取り組むために、克己心やチーム精神が必要であることを学び、また、生涯の友に出会うこともできるからです。

教育改革への取り組み

本学では、課題の探究や課題の解決に向かう際に必要となる、内容に関わる知識と方法に関わる知識を合わせて理解する能力を育成するため、さまざまな試みを行ってきました。1993年からは、「自立(自律)した市民の育成」を掲げ、全国の大学として初めてとなるボランティア活動のカリキュラム化を実施してきました。2002年からは、福祉系大学では本学が独自に開発して最初に始めた教育システムである、『実学臨床教育』を開講してきました。さらに、2005年からは、文部科学省の「特色ある大学教育支援」「現代的教育ニーズ取組支援」「新たな社会的ニーズに対応した学生支援」「質の高い大学教育推進」などのプログラムに数多く採択され、教育改革に積極的に取り組んでいます。

文部科学省に採択された取り組み

平成17~20年度 特色GP:ボランティア学習による21世紀型市民の育成
平成18~20年度 現代GP:地域滅災教育による地域福祉の推進
平成19~21年度 現代GP:地域資源の総合化による子ども教育の展開
平成19~22年度 学生支援GP:健康の自己管理能力を養う食育支援
平成19~21年度 現代GP:「社会力」的視点からの総合キャリア教育
平成19~21年度 再チャレンジ支援推進プラン:小中学校における特別支援教育支援員の養成
平成20~21年度 教育GP:重度障害者ICT支援コーディネーター育成
平成20~22年度 戦略的大学連携支援プログラム:単位互換・危機管理体制整備
平成21~23年度 戦略的大学連携支援プログラム:防災・滅災・ボランティアを中心とした社会
貢献教育の展開
平成21~23年度 大学教育学生支援推進事業:求人情報提供のICT化によるアウトリーチ型就職
支援教育の展開

これらの取り組みに共通していることは、真の学習が生ずる実環境に学生を結びつけ、学生が『行学』を自らの中で一致させ、主体的かつ創造的な行為に挑んでいく現場主義を重視していることです。現場に深くコミットすることによって、個人の生活にばかり関心を寄せる視野の狭窄から脱し、自己を越えたところにある大切なことがらにまで視野を広げ、また目に見えている現象や出来事の見かけよりも深いところまで掘り下げ、行為の中で、そして『行学』を通して問われる適切な判断を下す力量を高めること、共通の目的に向かって他者と協力し、共働作業をするなかで自分をより高めていくことに習熟することを目指しています。

もう1つの共通点は、課題中心の自己反省的な学習を重視していることです。仕事の現場的体験を少しでも経ることによって、仕事とは、個々の作業ではなく、課題の達成に向けた一連の過程であり、課題を達成するためにはあらゆる能力が総合的に動員されること、また、その時々の感情を乗り越えて着実に前進する必要があること、そして、ものごとをなし遂げ、責任を果たした時、人は自らの尊厳を実感し、自信を獲得して、人間的成長を果たすことを学ぶからです。

知識社会といわれる今日、知識の世界は流動してやまないことから、いかに学ぶかを学ぶこと、つまり学習の方法を身につけることが肝要だといわれます。同時に、学生は自らの人生の可能性を広く探究し、自分の行うことがらを通して謙虚に思考を開き、技能を伴う知識と知識の基盤にもとづく技能を習得し続けるなかで、自分探しと自分作りの道を歩むことになります。本学が種々の教育改革に取り組んでいるのは、学生に自分自身の人生の闘いから一歩も退かない不屈の姿勢を涵養し、学生の自己実現に向けた闘いを強力に支援することが大学の任務の中核をなすとの認識に立っているからです。

本ページに関するお問い合わせ先

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