tfu元気点検票コーナー(2011.1.1・改訂)

学生の皆さんへ
本コーナーの1~4は、進行形にある本学感性福祉研究所におけるH21-23年度文部科学省戦略的研究基盤形成支援事業 『ヘルスシステムの変容とヘルス・リテラシーに関する研究―ポジティブ・ヘルスの視点に立ったヘルス・リテラシー向上法の開発』 の中から、tfu元気点検票に関わる最新の情報をピックアップしたものです。ここに、前回の2011.8.11版を大幅に改定し、2012.1.1版を掲載しますのでご覧ください。改訂の主要点は、これまで、キーワードの「ヘルス・リテラシー」は、単に健康理解(力)としておりましたが、一歩踏み込んで「健康に向けた知と技能」であるとしています。
ヘルス・リテラシーとtfu元気点検票の関係について分り易く説明したPDFが用意されていますので、こちらをご覧ください
目次
- はじめに
- ヘルス・リテラシーについての概要
- 元気の度合いの測り方の概要
- tfu元気点検道場の概要
- tfu元気点検票システム簡略版
- 東北福祉大学におけるtfu元気点検票の利用実績
- 卒業生の皆さんへ
参考文献
1.はじめに
21世紀に入り少子高齢社会も現実となり、そして急浮上した世界的な金融・経済危機から脱する暇もない中に、2011年3月11日に突如として襲ったM9.0の超巨大地震・津波・原子力発電所事故により、日本社会は一気に不安とゆらぎの時代に突入してしまいました。私たち日本人はいま大きな歴史の節目生きています。
これからの時代を生きていくには、どんなに苦しくとも、一人ひとりが知恵をふりしぼり、互いに協力し合って困難に挑んでいかなくてはなりませんね。皆さんに知って頂きたいことは、その際のキーワードは誰もがしばしば使う、ありふれた"元気"という言葉だということです。元気は命のあるものの前向きの姿勢概念を表しており、どんな困難もそれを乗り越えて生きて行くことを可能にしてくれる意欲と能力の源泉なのです。姿勢概念だからこそ元気は与えたりもらったりすることができます。小さな元気をみなで出しあっていけば、増幅され、困難苦難も克服され、未来が開かれるに違いありません。大事な事は元気を継続することなのです。
本学が全国の共同研究者とともに開発したtfu元気点検票は、一人ひとりにとってかけがえのない健康を維持し増進していくために、より望ましい生活習慣のあり方を学びながら、日常的に自己点検することで各自が自分の元気の度合いを確かめることができます。したがって、養育者から自立していかなければならない若者にとっては大変有用です。特に一人暮らしをするようになった学生には直ちに役立つでしょう。なお、このtfu元気点検票にある「行動項目」(3を参照)については、それがなぜ健康によいのかを示した七五調のtfu元気点検票かるたが開発されており、皆でゲームを楽しみながら知識や経験則を学ぶことができます。
以下、2ではtfu元気点検票が創案された理論的背景が、3ではtfu元気点検票のしくみと元気姿勢スコアのつけ方が、4ではtfu元気点検票によって健康について気づきをえて、自分で元気の度合いを確かめ、健康向上に向けた行動を自らやり始めるように仕組まれた娯楽性をもったウェブ上のシステムが、それぞれ詳しく説明されています。
初めての人は、2、3、4の概要を一読した上で、それぞれの詳細説明を読み、4に挑めば順序としては理想的ですが、最初に4に挑戦して楽しさを体験し、興味を感じるようになってから2及び3の理論を学ぶことも良いと思います。いずれにせよ、目的は到達点としての健康ではなく、不断の健康の維持・増進つまり健康向上にあることを学ぶことです。
2.ヘルス・リテラシーについての概要
tfu元気点検票を実生活に役立てるには、健康向上に関する根源的テーマであるヘルス・リテラシーについて深く考えてみることが、特に人生経験の浅い若者にとって重要です。ヘルス・リテラシーとは健康を理解しそれに通じることと言えますが、もう少し具体的に言えば、「健康に向けた知と技能」ということになります。「知」については多様な視点があり、複眼的に見る必要があります。最も基本的な視点は健康の定義法に関わるものであり、ポジティブヘルスとネガティブヘルスのバランスが大切となります。また、「技能」とは、知識を使って健康を向上させていく能力の事であり、そのための支援手段がtfu元気点検票だと言えるでしょう。ヘルス・リテラシーについての詳細説明はこちらをご覧ください。さらに、下記のボックスを一読すれば、ヘルス・リテラシーは、健康に向けた知と技能だけでなく、人生万般の問題への前向きの対応方法にも通じていることが理解されます。
マニュアルのない問題への対応方法
ヘルス・リテラシー(健康理解力)の視点から見ると、現代の多くの人びとは、自らの健康問題について病気というネガティブな状態でなければよしとする「他人任せ」の守りの健康法にかたより、ポジティブな言葉で挑戦的に「自己省察」する攻め健康法を忘れてしまっているかのように見えます。結果的に、類まれな高寿命社会が実現したにも拘わらず、高齢者の中には、人間としての尊厳を失うような状態で生き続けなければならない、すなわち、幸福な生を全うするには難しい長命地獄*と言われるような"逆説"を生じているとみられます。
(*久道茂「公衆衛生の責任 ―これからの保健・医療をめざして―」東北大学出版会,2000,229)

ここで注意を喚起したいのは、この「守り」へのかたよりは、単に健康問題に限らず、現代の日本人が抱えるあらゆる問題への対応に共通した傾向ではないかという仮説が考えられるということです。そして、その遠因は、ゆらぎを排除してきた現代の科学技術が便利さと引き換えに私たちの生に向けた始原的かつポジティブな思考力を弱体化させてしまっていることにあるのではないか、そのことが、"逆説"を生じる一つの要因になっているのではないかと推測しますが、学生の皆さんはどう思いますか。
皆さんは、現下のゆらぎの時代を生き抜いていくため、学士力を身につける傍ら、ネガティブとポジティブのバランスの取れた健康理解力向上法を自分と社会のために実践して行って欲しいと思います。それは、健康問題を通して自己省察を深め、生に向けて自らを創造的に自己生成するトレーニングになると思うからです。
3.元気の度合いの測り方の概要
ヘルス・リテラシーの概念を理解したひとは、現代の多くの人びとが自らの健康問題について病気というネガティブな状態でなければよしとする「他人まかせ」の守りの健康法にかたより、ポジティブな言葉で「自己省察」する攻め健康法を忘れてしまっているかのようにみえることに気づいたことでしょう。そのため、かたよっているバランスをポジティブヘルスの方向に引きもどすために元気の度合いを測ることができるtfu元気点検票が考案されたということができます。ここでは、tfu元気点検票のしくみと元気姿勢スコアの付け方を学んで頂きます。元気姿勢スコアとは、健康向上のための必要条件である前向きの姿勢概念、すなわち"元気"の度合いを可視化するために数値化したもので、0点を除く-4点~+4点の値を取ります。元気の度合いの測り方の詳細説明はこちらをご覧ください。
4.tfu元気点検道場の概要
もともと元気な若者にとって元気点検作業は難行苦行ですが、ネガティブヘルスにかたよった文化をポジティブヘルスとのバランス状態に引き戻すには若者の力が欠かせません。tfu元気点検道場とは、能動的健康理解力向上自己生成システムと呼ばれるウェブ上のシステムのニックネームを意味します。2でポジティブヘルスとネガティブヘルスのバランスの取れたヘルス・リテラシーの概念を理解し、3でtfu元気点検票のしくみと可視化された元気姿勢スコアの意義を学んだうえで、4のtfu元気点検道場を日常的に利用すれば、健康向上に向けた生活の自己管理デザインができるようになります。tfu元気点検道場では、アバターの衣装や身のまわりの品々(アイテム)をそろえていき、着せかえを楽しんだり、tfu元気点検票かるたの早や押しゲームを楽しんだりすることもできるようになっています。本学だけでなく、初めてtfu元気点検票に接する全国の学生たちのことも意識して開発されました。tfu元気点検道場の詳細説明は、こちらをご覧ください。tfu元気点検道場への入り口があります。なお、本システムは現在第2版が公開されていますが、2012年4月1には第3版に置換される予定です。
tfu元気点検道場への入り口は こちらからも入ることができます、ログインIDとパスワードが必要です。関心のある方は、下記参考文献の末尾に全国におられるtfu元気点検票の創案・開発者グループの一覧が掲載されておりますので、そのメンバーにお尋ねになるほか、東北福祉大学感性福祉研究所に直接ご連絡ください。
5.tfu元気点検票簡略版
tfu元気点検票が具体的にどのようなものかを予め知りたい人は、以下を、クリックしてみてください。簡略版を体験することができます。(ただし、2008年までの呼称"SWC元気点検票"とその時点での項目のバージョンが用いられていますのでご注意ください。また、新年度には、サーバーの置換作業が行われる予定です。)
6.東北福祉大学におけるtfu元気点検票の利用実績
- 2006.07.31:
- 第1回目の点検後6ヶ月ー9ヶ月に学生が自発的に始めた「生活習慣改善行動」のサンプル集
- 2006.03.03:
- 平成17年度上期(3月−6月)元気点検作業に付随して行なった「システム評価アンケート」結果報告
7.卒業生の皆さんへ(2011.4.8)

2005~2010年度に入学した皆さんは、上記の1~4を読まれるともに、入学時に受け取ったID&PWを用いて下記のSWC元気点検票システムに入り、96項目の元気点検に再挑戦してみてください。大震災を挟んで各自の生活習慣の実態が如何に変化したか項目別に確かめてみてください。そして、健康向上に向けて今後目指すべき目標を確認してください。SWC元気点検票システムは、年のオーダーの長期的視点から自分の現状を自己省察するツールとして有用です。ただし、96項目の表現に多少のバージョン・アップがあることにご注意ください。最新のバージョンは3の付録にあります。なお、新年度には、サーバーの置換作業が行われる予定です。
ID&PWを失念した人は、学籍番号と氏名を欄外の問い合わせ先にご連絡ください。
なお、tfu元気点検道場は2011年度に開発されたものですが、関心のある卒業生は、在学中の学籍番号と氏名を記載して欄外の連絡先にお問い合わせください。
参考文献
- 2011.04.22:
- 自己点検に基づく再帰的健康向上スキーム、心身医学、51:116-127、2011
(日本心身医学会の許しを得て掲載)
本コーナーの内容には、東北福祉大学感性福祉研究所H16-20年度文部科学省学術フロンティア推進事業「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」、及び、H21-23年度文部科学省戦略的研究基盤形成支援事業「ヘルス・システムの変容とヘルス・リテラシーに関する研究」のこれまでの成果が織り込まれています。
「元気点検票」は東北福祉大学の登録商標(登録商標第5427040号)です。
本ページに関するお問い合わせ先
〒989-3201 宮城県仙台市青葉区国見ヶ丘6丁目149番1号
東北福祉大学 感性福祉研究所内 第7研究室
連絡先
022-728-6012 (山本光璋):mituaki@tfu-mail.tfu.ac.jp
022-728-6014(水野康):mizuno-k@tfu-mail.tfu.ac.jp
022-728-6605(河村孝幸):k-taka@tfu-mail.tfu.ac.jp
解析室:022-728-6011(佐野圭吾):genki-t@tfu-mail.tfu.ac.jp
「元気点検票」は東北福祉大学の登録商標(登録商標第5427040号)です。
