東北福祉大学の挑戦 ー地域共創に向けてー 【研究所の目的】

感性福祉研究所の設立

研究所の組織構成については、3つの特徴をもっています。その第一は、研究所には、管理を担う事務局を除いて、専従の研究員はおらず、研究者はそれぞれの大学や研究機関、施設に本籍を持ちながら、研究プロジェクトへの参加という形を取っていることです。

第二には、研究所は、設立以来、文部科学省の『学術フロンティア推進事業』と『戦略的研究基盤形成支援事業』に選定されています。これらの事業は専ら研究者のイニシアティブに基づく「科学研究費補助金」と異なり、趣旨において、特定研究領域における内外の研究機関との共同研究を推進することによって中核的研究拠点を形成することにあり、また、当該大学が研究費の半分を負担することから、研究プロジェクトの立ち上げや推進において、大学の強いイニシアティブやコミットメントを有している点です。

第三に、研究活動は研究所内で自己完結的と言うことではなく、研究所はネットワークにおけるノード的役割を果たしている点です。例えば、研究チームのメンバーには、本学以外の研究機関から多くの研究者が加わっています。さらに、研究のミッションを広めるため、本学の提起によって、2001年に日本感性福祉学会を設立し、また外国の諸大学との共同研究も進めています。

この研究所は、プロジェクト基盤型の組織形態を採用したことによって、専従型研究組織の陥りがちな硬直性を免れ、研究推進上の必要に応じて、研究組織の拡大や組み替えが可能となる柔軟性を持つことが出来ていますが、2008年からは、研究活動をさらに活性化するため、2つのセンター——『感性福祉研究センター』と『健康科学研究センター』——から構成される組織編成としています。

研究テーマ

第Ⅰ期(平成10年度-平成14年度)で、「生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学際的研究」、第Ⅱ期(平成16年度-平成20年度)はで「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」を研究テーマとしていました。
 
第Ⅰ期、第Ⅱ期を通じて、今日の福祉領域で比重を増してきているヘルス・ケアーの問題に焦点を当てており、予防福祉や感性福祉という視点からのアプローチである点に特徴をもっています。第Ⅰ期から第Ⅱ期にかけては、基礎的研究から応用・開発研究に重点が移行しています。
 

研究プロジェクト

・学術フロンティア推進事業
◯生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学際的研究」(1998年~2002年度)
◯「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」(2004年~2008年度)

・私立大学戦略的研究基盤形成事業

<健康科学研究センター>
◯「児童青年期精神障害および高齢者関連疾患における先進的個別化予防ケアシステムの構築に関する研究」(2008年~2012年度)
◯「社会的・職業能力育成プログラムに資する認知・脳科学的エビデンス情報提供基盤の構築」(2014年~2018年度)
<感性福祉研究センター>
◯「ヘルス・システムの変容とヘルス・リテラシーに関する研究」(2009年~2011年度)
◯「東日本大震災を契機とする地域の健康福祉システムの再構築」(2012年-2016年度)

知的・実践的挑戦

『私立大学戦略的研究基盤形成支援事業』は、「21世紀型福祉」のあり方の探究にとって、健康・福祉に関わる基本概念——福祉・健康・ニーズ・ケア・サービス等——にどのような改鋳が必要になるか、そして、新たに定義される諸概念はどのような方策を通じて社会的実践に具体化されるかといった問題意識の下に進められています。その際、人間が人間的であるためには何を必要とするかという問いに対して、人間を、少なくても、全人的な存在——時間的には、生命・生活・生涯の3つの時間を、空間的には、生命・日常生活・社会生活の3つの空間を同時に生きる統一体——として捉えることを前提としています。

こうした試みは、医療・福祉分野におけるイノベーションを意図していますが、それを達成するためには、医療・保健・福祉の統合という今後の政策課題を視野に入れ、イノベーションの方法におけるイノベーションが必須であり、現場や地域が実験室となって、研究者・実践家・地域住民が協働作業に加わるだけではなく、研究者が個々の専門領域における自己の研究実践の性格や位置づけを直視することを通じて結び合う学々連携が前提になります。

戦略的研究領域の設定は、既成の専門分化したディスシプリンの部分知の単なる組み合わせではなく、既成のディスシプリンを越え、問題解決志向のプロジェクト(企図)として、新たな部分集合の組み立てを課題としています。しかし既成の学問上の区分を超越することの難しさ、特に隣接分野間においてより難しいという逆説がみられるのは、既成の概念枠組みの改鋳を迫られるからです。したがって、ここで云う知的挑戦は、いわば安楽椅子を一旦捨て去ってみるという思考実験、学がそれぞれの学問の方法に自己省察を加えるという試練を自らに課す作業ともいえます。 

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