【教員クローズアップ】佐藤英仁 准教授

福祉行政学科に所属する佐藤英仁准教授の、ゼミの評判がすこぶるいい。ゼミを希望した学生があまりの倍率に入ることができず、嘆いている場面に遭遇した。なぜ、佐藤先生がいいのか聞くと、就職面で支えてくれるからだと言った。そのゼミの取り組みや、人気の秘密がどこにあるのかを含めて、先生にインタビューした。

将来的に数学は無視できない。だから、数学の基礎から説明をします。

ーー先生の専門をまず教えてください。

専門は医療経済です。例えば、日本の医師数は世界の標準と比べて不足しているのか。あるいは看護師はどうなのかといった研究をしています。統計学をアプローチの手法として用い、数字を処理して導くのが専門です。

もう1つは、せっかく目的意識を持って看護師になったのに、3年以内で離職するケースが増えている。介護福祉士もそう。理想と現実のギャップに喘いでいる人がいます。統計的手法をもって、そのような医療従事者の問題を研究しています。

また、2011年11月にブータン国王夫妻が来日して、その謙虚な立ち居振る舞いが日本国内で称賛されました。ブータンは1972年に国民総幸福量という独自の指標を作り、「世界一幸せな国」として注目を集めてきました。その幸福度調査を研究しています。

ある地域で、近くに病院はあるかとか、交通手段はどうかとかのアンケートを取り、数値化して分析する。(研究の一環で)2015年には沖縄の南大東島に1年間調査に行ったこともあります。
ーー学生には人気ゼミの1つとなっていますが、講義で工夫されていることは何ですか?

経済学って何だと思いますか? 実は数学なんです。公務員試験では、経済の問題の半分は数学です。微分(変化率)を用いて、前年と比べ、10%増えたとか減ったとか今年の数字を出します。

学生の中には、高校時代に数学をやっていない人がいますが、将来を考えると無視するわけにはいかない。そこで、とにかく必要な部分を教えています。教えることは、そんなに多くはありません。連立方程式と微分などです。初めの1、2時間目に数学の基礎も説明するので、学生は理解できるようになっていきます。

授業や講義をするにあたっては、自分で資料をよくつくっています。テキストでは分厚くてどこが大事なのか、学生にはわかりづらいので、ポイントを落とし込んで資料をつくります。大事なところは声に強弱をつけて、熱く伝えるようにしています。

また、学生にメールアドレスを公開して、質問を受け付けています。研究室だと入るのに抵抗がある学生もいますから。こうすると、質問しやすいでしょうし、実際に質問も来ます。質問の半分が公務員試験や就職に関するものです。

ゼミ生のチームワークの良さが、就職活動に好影響を与えています。

ーー実に数学が得意な先生といった感じですが、どんな学生時代を送ったのですか?

「遊んだ」が開口一番です。群馬にある大学だったのでフットサルやスキー、スノーボード、車で仲間と軽井沢に行ったりしました。しかし、やることはやっていました。4年時の就職活動で、一部上場企業からの内定を複数いただきました。当時は国家公務員上級職(現国家総合職)を目指していたので、就職せず一浪しましたが、やがてキャリア官僚の悪いイメージが気になってしまって方向転換。東北大学の大学院に進学することにしました。これらの経験は、学生と接する上で大きな財産になっています。

ーーゼミの話に戻りますが、学生たちはどんな雰囲気ですか


ゼミの論文は2万字を書かせて提出させますが、学生たちはきっちりと仕上げてきてくれます。また、ゼミ生同士、仲がいいのも特徴ですね。2年でグループワークを行い、好きなテーマを自主的にやっています。例えば、お洒落なカフェに入って調べたり、ゼミ生同士で食事をしたりする。1グループ4人で4グループあり、スノーボードをしに1泊旅行、とかのイベントもあります。就職活動では、このチームワークが相乗効果をもたらしていると思っています。

佐藤 英仁(さとう ひでのり)

教員業績

職階

准教授

研究分野

医療経済、福祉経済、社会統計

研究内容
看護分野における様々な諸問題や医師不足の問題等についての研究を行っている。統計的手法を用いた分析が中心である。なお、本年度、医療動向に関する著書『皆保険を揺るがす「医療改革」』を共著で出版した。 ■ソーシャル・ファーム研究会において、障害者の雇用について研究している。現在の主な活動は日本国内における障害者の雇用に関する事例やヨーロッパを中心に社会的企業の事例をサーベイし、メンバーで議論している。 ■東北活性研究センターが行っている幸福度調査に参加した。勉強会や先行研究をもとに幸福度を測定する指標を吟味し、調査票を作成した。調査は福島県会津美里町で行われ、結果を取りまとめ公表した。

高校生に向けて一言
大学には目的を持って入学してほしい。入ってから目的を決めるのもいいですが、どういう学生生活を送りたいのかは考えなくてはいけません。大学は社会に出るまでの通過点にすぎないので、将来を考えた上で、日々の生活を送ってほしいと思います。目的意識があれば、本学は教職員が一丸となって対応します。

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