「肢体不自由者教育特論」川住 隆一 教授

特別支援教育に関連する科目の一つである「肢体不自由者教育特論」について紹介します。

「肢体不自由者教育特論」の概要

本講義においては、肢体不自由を主とする特別支援学校に在籍する児童生徒の多くが脳性疾患による運動障害であり、その状態はますます重度化しているということを踏まえて学習を進めていくことにしています。肢体不自由の児童生徒は、運動・動作の障害により学習上、生活上に様々な困難や制限を抱えることが多く、これらのことに対して的確に指導・支援するためには自立活動の内容(6区分26項目)をより専門的に理解し、具体的な指導・支援方法を身につけることが必要となります。

その一環として、本講義では2回にわたって「摂食障害への対応と食事行動の促進」と題する講義をしたうえで、摂食困難の疑似体験をしました。疑似体験は、食べ物の与え手と受け手のペアを踏まえて行います。

食べ物は、受講者の好みに合わせてプリンかヨーグルトを用意し、これを薬さじや類似の比較的平らなスプーンで与えるようにしました。また、水分摂取用に、ジュースの入った2つの紙コップ(1つは鼻が当たらないようにV字型の切れ込みがなされている)が用意されました。

与え手は、受け手に対して「はい、どうぞ」と声をかけて、舌の先端から中央部にかけて適量の食べ物を与え、舌とほぼ平行にスプーンを引き抜くようにします。しかしまた、舌の横や奥に与えることや、上の前歯や唇でこすり取るようにスプーンを抜くこともあります。受け手の姿勢を垂直にした状態で切れ込みのない通常のコップあるいは切れ込みのあるコップでジュースを与えることを行いました。

一方、受け手は、椅子に座り身体を正面に向けて食べ物やジュースをもらい、口を閉じて咀しゃくし飲み込むか、あるいは、上体を後ろに反らした状態で食べ物を受けたり、上体を反らすとともに顎を突き出した状態で、あるいは顎を引いた状態で食べ物を受けるようにします。アイマスクをつけて食べ物を受けたり、口を閉じないで咀しゃく・嚥下を試みたりすることも行いました。一通りの体験を終了後、与え手と受け手の学生は、交代してそれぞれの役割を行いました。

終了後は、学生の感想をもとにした討論や、特別支援学校等で他に配慮すべきことなどについて意見交換を行いました。

履修学生の声

顎をひいた状態や頭を後ろに反らした状態で食べ物を入れられるときに飲み込みにくさ、咀嚼しにくさがあったり、 舌の奥に食べ物を入れると十分な咀嚼ができないまま飲み込んだりして、誤嚥の危険性があることが分かり、疑似体験を通して、安全に、安心して食事をするには正しい姿勢を保持すること、食べ物を置く位置や角度、道具の形態や大きさを注意しなければならないことを学びました。また、食事を美味しく楽しいものにするために、食事や食べ物に関する情報を多くの感覚で与えることが重要であり、介助者の関わり方も大きく影響すると感じました。(修士1年 樋口加奈子さん)

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