気管切開をした重症患児がヘリコプターで医療帰省をした際の看護を振り返り、事前準備の必要性、多種職の協力体制の重要性、家族への精神的サポートの重要度を示唆した研究である。患児は急変する可能性が非常に高く、医師と看護師が連携して急変時の対応をトレーニングしたり、限られた医療物品を選定したり、予測される騒音を想定してシミュレーションをすることで、あらゆる事態に備えることができた。また、家族に対しては、常に寄り添い、搬送の意思決定まで全面的に支えた。
ヘリコプターを利用した患者搬送は毎年増加傾向にあるが、ほとんど災害時の1次搬送であり、入院中の患児を搬送する際の看護に関する文献は報告数がほとんどなく、大変有効な研究であったといえる。