Tohoku Fukushi University

10年以内の主な研究業績等  【10点まで】

基本情報

氏名 山口 奈緒美
氏名(カナ) ヤマグチ ナオミ
氏名(英語) Yamaguchi Naomi

種類

著書

著書、学術論文等の名称

『紛争と平和構築の社会心理学:集団間の葛藤とその解決』

単著・共著の別

共著

発行又は発表の年月

2012/10

発行所、発行雑誌等又は発表学会等の名称

北大路書房

概要

本章では、過去の紛争に関する集合的記憶が、現在の紛争プロセスにどのような影響を与えるかを検討する。自集団に対して暴力が振るわれたという記憶は、攻撃的な内集団ひいき、報復への義務感、憎しみの蔓延といった形となって表面化し、現在の紛争に悪影響を与える。さらに、現在の紛争は以前の暴力紛争の繰り返しであるとの認識を生み出す。たとえば、コソボ近郊、ブラックバード平原の戦い といった歴史上の事件に関する集合的記憶が内乱を勃発させ、その紛争を正当化する根拠となる。過去の紛争、特に戦争に関する様々な感情に彩られた集合的記憶(CM)は、人々に恐怖や不信を植え付け、協調的解決を目指した交渉を事実上不可能にしてしまう(Bar-Tal, 1998, 2007)。本章では、CMとは何かを簡単に説明した後で、過去の紛争に関するCMを生み出し、これを維持・再活性化する要因が何かについて論じる。その後、世界大戦や種々の内乱に焦点を当て、これらの紛争がもたらす社会的信念と表象について論じ、それらの違いが紛争支持的態度を変化させることを論じる。最後に、緊張に満ちた過去の暴力的紛争が現在に与える悪影響を断ち切るために、CMにどう対処すべきか、たとえば真実と和解委員会による戦争の表象変化や移行的正義などについて検討する。

ページ数等

第4章担当 「紛争の集合的記憶」 pp.110-131

【共・共著の場合のみ】共・共著者名

山口奈緒美、熊谷智博、大渕憲一