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芹沢銈介作品 「文字入四季四曲屏風」

麻地型絵染
1954年
100.5×174.0(cm)

 2013年の東北福祉大学カレンダーに選ばれたのは、めぐり行く日本の美しい四季をデザインした「文字入四季四曲屏風」です。

 芹沢銈介は88年の生涯に膨大な作品を制作しましたが、特に文字デザインの分野に独創性を発揮しました。最も好んで使った文字は、「いろは」47文字と「春夏秋冬」でしょう。

 「文字入四季四曲屏風」は、春夏秋冬の文字とまわりに描かれた動植物、風景文様が一体となった晴れやかな作品です。春の字は一画ごとに朱、黄土、紅、緑に染め分けて、その上下には桜咲く山々の風景と、三艙の美しい帆かけ舟が波にうかび、夏の字には緑、朱、黄土、紅に色分けした芭焦の葉が立ちあがり、その上には燕が飛んでいます。秋の字の上下には、熟れた柿の実とススキ、菊の花が風に揺れ、黒、鼠、紅、紫色に染め分けた冬の字の上下には、雁が群れ飛び、雪持ち笹と梅の花が配されています。地色が深い藍色のためでしょうか、鳥や遠くの山々、春夏秋冬の文字までも天空に浮かんでいるようにみえます。

 銈介一家は1945年の東京大空襲で東京・蒲田の自宅と家財すべてを失い、各地を転々して遠慮した生活を送っていましたが、1951年になってようやく蒲田に住居と仕事場を再建しました。再びのびのびと仕事ができるようになって、「布でこの張り場を覆うまでに拡大したい」と思ったそうです。その願いは「文字入四季四曲屏風」が制作された頃には実現しつつあったのでしょう。

 1976年にNHKで放映された番組「精魂」(30分)は、81歳の芹沢が型絵染作品を制作する工程を映像に収めた貴重な記録です。机に向かい、「文字入四季文」の文様配置を考えながら美濃紙に下絵を描き、自在に型を彫る様子が出てきます。

 色差しが美しく念入りな当屏風は長年、銈介の長男・芹沢長介先生ご夫妻の家で大切にされ、正月や来客の時に愛用されていました。その後2012年に当館所蔵作品となりました。

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