学長メッセージ:令和七年度 入学式 式辞
令和7年4月3日
新入生の皆さん、学校法人栴檀学園、東北福祉大学、ならびに東北福祉大学大学院へのご入学、誠におめでとうございます。また、これまでご養育、お支えいただきましたご家族の皆様、関係の各位には、深く歓迎と祝意の念を表しますと共に、心よりご入学のお祝いを申し上げます。
さて、皆さんにとって、本日はご自身の人生における新たなステージの始まりです。それぞれの希望を胸に、あるいは一抹の不安や緊張感を伴ってこの場に臨まれたかと思います。これからの大学生活は、今までとは異なる、いわば学問教育の最高学府の4年間となるのですから、そうしたお気持ちも当然のことと言えます。
でもどうか、もし一抹の不安をお持ちの方がいらっしゃるならば、それを安心と自信に変えていただきたいと思います。なぜならば、私たちのこの東北福祉大学は、日本における社会福祉系大学を最先端でリードする誇り高き大学だからです。
さて、皆さんにとって、本日はご自身の人生における新たなステージの始まりです。それぞれの希望を胸に、あるいは一抹の不安や緊張感を伴ってこの場に臨まれたかと思います。これからの大学生活は、今までとは異なる、いわば学問教育の最高学府の4年間となるのですから、そうしたお気持ちも当然のことと言えます。
でもどうか、もし一抹の不安をお持ちの方がいらっしゃるならば、それを安心と自信に変えていただきたいと思います。なぜならば、私たちのこの東北福祉大学は、日本における社会福祉系大学を最先端でリードする誇り高き大学だからです。
折しも今年は、明治8年に本学園が創立して、百五十周年を迎える大きな節目となります。新入生の皆さんは、誠に記念すべき特別な年に入学されました。これは実に稀有な機縁であり、その長い伝統とゆるぎない実績が、皆さんを力強く後押ししてくれることでしょう。どうぞ安心して勉学に、研究に、そして部活動に邁進してください。
とりわけ皆さんにとって先輩にあたる在校生や卒業生には、日本、そして世界の、あらゆる分野で活躍している方々が多くおります。 学生生活のすぐそばの身近なところに、目標となる優秀な先輩や友人たちが大勢いらっしゃることは、本学の最大の特色でもあります。 必ず皆さんが夢を掴む、その大きな自信にもつながることでしょう。新入生皆さんのさらなる飛躍を願ってやみません。
さて、その明治8年、1875年に曹洞宗 専門学支校として開学した本学は、鎌倉時代の曹洞宗の禅僧、道元禅師の教えを教育の根幹にいただき、建学の精神としています。それが「行学一如」の教えです。「行」は実践、「学」は学び。学問と社会的実践が、まさに一つとなり、おのれを見つめ、おのれを磨き上げることを理想とする禅の言葉です。そしてこの精神は、まさに福祉や共生のまちづくり、あるいは教育や心理、そして医療や看護を学ぼうとされる皆さんにとって、最もふさわしい理念なのです。実際、道元禅師の教えの中には、「行学一如」について、とてもわかりやすくお示しになっているものがあります。それは道元禅師の言葉をお弟子の懐奘さまという方が書き留めておいた書物、『正法眼蔵随聞記』にある興味深いやりとりです。まずはその巻6、第5節を口語訳で紹介します。
ある日、道元禅師に、懐奘さまが質問しました。
「先生、世間には言葉を学ぶばっかりで知識はあるけれども、まったく行動が伴わない者がいます。その一方で、世間には行動力は非常にすぐれているけれども、言葉を学ぼうとせず、知識を身につけようとしない者もいます。
先生、一体どちらが本物になれるでしょうか」
道元禅師は答えました。
「そうだな。行動力はすぐれているが、言葉を学ぼうとせず知識を持たない人は、今は一見、しっかりしているようだが、そういう人の行動は、長続きをしないものだ。それに正しい学びがないと、修行が後戻りしたり、迷うことにもなるだろう。だがその反対に、言葉を学ぶばかりで知識はあるが、行動が伴わない人は、最初は一見、たよりないように思えるものだが、言葉を真剣に学んでいれば、それはやがて心を突き動かして、必ずや言葉が行動に移って行くものなのだよ。過去の先人たちを見る限り、そうした例がたくさんあるから、それは間違いないだろう。だとすれば、その人の行動や実践の有る無しにとらわれず、まずはものごとを切実な思いでしっかり学ぶこと。これが人生にとってもっとも重要なのだ。ただし、切実に学ぶためには条件がある。それはぜいたくを離れて質素な生活を送るという環境に身を置くことが学問することの秘訣なのだがね」このようなやり取りです。いかがでしょうか。私などは、行動力にあふれた人の方が頼りがいのあると考えてしまうところです。ところが道元禅師は、行動を突き動かしている正体は、実は学問であり、思想であり、哲学に裏付けられた志しなのだ!ということです。こうした真剣な学びこそが、その人の心をつき動かし、ついには体を実際に動かすことに展開するのです。またある意味で、「行学一如」の「行学」とは「勇気と知恵」でもあります。勇気と知恵、すなわち知恵と勇気は、どこまでも一体のものですが、実は、知恵あってこその勇気であって、知恵がなければ勇気は一過性の行動に終わり、道を見誤るという恐れがあるという道元禅師の警告なのです。それゆえ新入生の皆さん、どうぞこれからの学生生活では、思う存分、知恵を磨き上げ、夢に向かって挑戦してください。胸に「学」という志しが刻まれている限り、「行」という体験に失敗などないのです。結果を恐れずに前進すること。むしろ失敗を糧として、自分自身を信じ切り、思いきり力量を発揮していただきたいのです。
われらが東北福祉大学は、私たち教職員がいつでも皆さんの学生生活をお支えします。安心して学業に、部活動に、ボランティア活動に、打ち込んでいただきたいと思います。
最後に、学長の私からもうひとつ、好きな言葉を贈ります。それは、道元禅師が別な機会にお示しになった、やはり「行と学」に関するメッセージです。
「衆の少きを憂ふること莫れ。
身の初心なるをことなかれ」
『正法眼蔵随聞記』
「若いからと言って、経験が、知識がとぼしいからといって、決して気後れすることはない」という言葉です。ひとたびチャレンジしたからには、そのはじめの一歩の気持ち、「」が大切なのであって、 若さや未経験、無知であることは、むしろ弱点ではないのです。
誰にとっても初めは初心者です。最初から完璧な人などどこにもいません。経験や知識がないことに気後れせず、どんどん新しいことに挑戦してください。今、この瞬間の皆さんの心、初心にはそれだけ、何ごとをも乗り越える偉大な力があるぞ、と道元禅師は時代を超えて皆さんを奮い立たせているのです。
皆さんのさらなるご発展とご活躍を心から祈念して、式辞といたします。
令和7年4月3日
東北福祉大学 学長 千葉 公慈
とりわけ皆さんにとって先輩にあたる在校生や卒業生には、日本、そして世界の、あらゆる分野で活躍している方々が多くおります。 学生生活のすぐそばの身近なところに、目標となる優秀な先輩や友人たちが大勢いらっしゃることは、本学の最大の特色でもあります。 必ず皆さんが夢を掴む、その大きな自信にもつながることでしょう。新入生皆さんのさらなる飛躍を願ってやみません。
さて、その明治8年、1875年に曹洞宗 専門学支校として開学した本学は、鎌倉時代の曹洞宗の禅僧、道元禅師の教えを教育の根幹にいただき、建学の精神としています。それが「行学一如」の教えです。「行」は実践、「学」は学び。学問と社会的実践が、まさに一つとなり、おのれを見つめ、おのれを磨き上げることを理想とする禅の言葉です。そしてこの精神は、まさに福祉や共生のまちづくり、あるいは教育や心理、そして医療や看護を学ぼうとされる皆さんにとって、最もふさわしい理念なのです。実際、道元禅師の教えの中には、「行学一如」について、とてもわかりやすくお示しになっているものがあります。それは道元禅師の言葉をお弟子の懐奘さまという方が書き留めておいた書物、『正法眼蔵随聞記』にある興味深いやりとりです。まずはその巻6、第5節を口語訳で紹介します。
ある日、道元禅師に、懐奘さまが質問しました。
「先生、世間には言葉を学ぶばっかりで知識はあるけれども、まったく行動が伴わない者がいます。その一方で、世間には行動力は非常にすぐれているけれども、言葉を学ぼうとせず、知識を身につけようとしない者もいます。
先生、一体どちらが本物になれるでしょうか」
道元禅師は答えました。
「そうだな。行動力はすぐれているが、言葉を学ぼうとせず知識を持たない人は、今は一見、しっかりしているようだが、そういう人の行動は、長続きをしないものだ。それに正しい学びがないと、修行が後戻りしたり、迷うことにもなるだろう。だがその反対に、言葉を学ぶばかりで知識はあるが、行動が伴わない人は、最初は一見、たよりないように思えるものだが、言葉を真剣に学んでいれば、それはやがて心を突き動かして、必ずや言葉が行動に移って行くものなのだよ。過去の先人たちを見る限り、そうした例がたくさんあるから、それは間違いないだろう。だとすれば、その人の行動や実践の有る無しにとらわれず、まずはものごとを切実な思いでしっかり学ぶこと。これが人生にとってもっとも重要なのだ。ただし、切実に学ぶためには条件がある。それはぜいたくを離れて質素な生活を送るという環境に身を置くことが学問することの秘訣なのだがね」このようなやり取りです。いかがでしょうか。私などは、行動力にあふれた人の方が頼りがいのあると考えてしまうところです。ところが道元禅師は、行動を突き動かしている正体は、実は学問であり、思想であり、哲学に裏付けられた志しなのだ!ということです。こうした真剣な学びこそが、その人の心をつき動かし、ついには体を実際に動かすことに展開するのです。またある意味で、「行学一如」の「行学」とは「勇気と知恵」でもあります。勇気と知恵、すなわち知恵と勇気は、どこまでも一体のものですが、実は、知恵あってこその勇気であって、知恵がなければ勇気は一過性の行動に終わり、道を見誤るという恐れがあるという道元禅師の警告なのです。それゆえ新入生の皆さん、どうぞこれからの学生生活では、思う存分、知恵を磨き上げ、夢に向かって挑戦してください。胸に「学」という志しが刻まれている限り、「行」という体験に失敗などないのです。結果を恐れずに前進すること。むしろ失敗を糧として、自分自身を信じ切り、思いきり力量を発揮していただきたいのです。
われらが東北福祉大学は、私たち教職員がいつでも皆さんの学生生活をお支えします。安心して学業に、部活動に、ボランティア活動に、打ち込んでいただきたいと思います。
最後に、学長の私からもうひとつ、好きな言葉を贈ります。それは、道元禅師が別な機会にお示しになった、やはり「行と学」に関するメッセージです。
「衆の少きを憂ふること莫れ。
身の初心なるをことなかれ」
『正法眼蔵随聞記』
「若いからと言って、経験が、知識がとぼしいからといって、決して気後れすることはない」という言葉です。ひとたびチャレンジしたからには、そのはじめの一歩の気持ち、「」が大切なのであって、 若さや未経験、無知であることは、むしろ弱点ではないのです。
誰にとっても初めは初心者です。最初から完璧な人などどこにもいません。経験や知識がないことに気後れせず、どんどん新しいことに挑戦してください。今、この瞬間の皆さんの心、初心にはそれだけ、何ごとをも乗り越える偉大な力があるぞ、と道元禅師は時代を超えて皆さんを奮い立たせているのです。
皆さんのさらなるご発展とご活躍を心から祈念して、式辞といたします。
令和7年4月3日
東北福祉大学 学長 千葉 公慈
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