芹沢銈介美術工芸館
●小企画展「芹沢銈介のゆかた」へのお誘い
ゆかた地(女性)
ゆかた地(男性)
芹沢銈介は,四季を通じて暮らしを彩(いろど)るさまざまな分野のデザインをてがけました。その中で,これまであまり紹介されることのなかった分野に「ゆかた」や「てぬぐい」のデザインがあります。独創的で美しい色彩が持ち味の芹沢作品の中にあってひっそりと地味な仕事で,しかも手がけた仕事量としては小規模といえるかもしれません。しかし,ここにも日本古来の藍と白の配色の「ゆかた」にこだわった芹沢の本領が発揮されていると思います。
「ゆかた」は湯帷子(ゆかたびら)の略とされています。近世初期には湯上りに着るものであったといいます。江戸時代に入ると風通しのよいことから庶民が夏に着る単衣の着物として流行したようです。浮世絵版画には,夏の風物誌として,白と藍の配色の「ゆかた」を着た女性が数多く描かれています。また日本独特の風習として,旅館やホテルには客用の「ゆかた」が用意されていますが,芹沢銈介も大阪のホテルの「ゆかた」のデザインを頼まれ制作しています。
当館は,完成した作品以外に芹沢銈介が作品を創り上げる過程で試行していたことを示す下絵や指示書きのある試作品などを数多く収蔵しています。木綿の「ゆかた」地を制作する前に和紙に試作した「試作染」も残されています。今回の展示は「ゆかた」に仕立てられた作品,木綿のゆかた地,その試作染,型紙,「てぬぐい」の試作染,そして夏には欠かせない芹沢銈介デザインの「うちわ」や「扇子」をともに展示して,日本の夏を味わっていただこうという趣向です。
- ●会 期
- 2006年8月5日(土)〜9月15日(金) ※会期中無休
- ●主な出品作品
- ゆかた,ゆかた地,ゆかたの試作染,型紙,てぬぐいの試作染,のれん,着物,屏風,うちわ,扇子など80点
- ●併設展示
- 仙台藩のやきもの 堤焼・切込焼 明治・大正のガラス器
- ※催し物
- (1)ワークショップ「うちわを作ろう」(先着15名)
・8月12日(土),19日(土),22日(火) 各11:00〜
・場所は工芸館1階です
・入館された方は自由に参加できます
本学学生は入館料無料です。学生証を受付に提示のうえ入館してください。
ミュージアムショップもありますので,お土産などにどうぞご利用ください。
ホームページ http://www.tfu.ac.jp/kogeikan/
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