Web展示室
美術工芸館コレクション
芹沢銈介が収集したアジア各国の染織品のなかから、更紗のコレクションをご紹介します。手描きや木版で染められるインドの更紗は、交易品として欧州・アジア各国で珍重されながら、多彩な変化を遂げました。当館所蔵の芹沢銈介コレクションには、インド更紗のほか、インドネシアのジャワ島周辺で発達したろうけつ染めの更紗(ジャワ更紗)も含まれています。
芹沢銈介コレクション
浅葱地花草・
花丸文手描き更紗
インドネシア(制作地 インド)
19世紀
インドからインドネシアに輸出された更紗で、大小さまざまな花文様が手描きで染められています。浅葱色と茜色のコントラストが素朴ながらも鮮麗です。
芹沢銈介コレクション
人物戦争文手描き更紗
インドネシア(制作地 インド)
18世紀
インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の一場面で、弓を引く主人公ラーマ王子と魔王が対峙する緊迫の一瞬をとらえています。バリ島に伝わったインドの更紗です。
芹沢銈介コレクション
小花文更紗掛布
インド
19世紀
ふっくらとした赤い蕾が木綿地を覆うように連なっています。木版捺染の小花には、手染めならではの配置のずれや色調の濃淡が見られ、味わい深い一枚です。
美術工芸館コレクション
影絵人形文ジャワ更紗
インドネシア ジャワ島
19世紀
武将風の影絵人形や草花の模様が、ろうけつ染めという技法で細やかに染め出されています。この技法を用いて、若かりし頃の芹沢銈介も作品(※)を残しています。
※芹沢銈介が染色作家として初めて発表した作品はろうけつ染めによる「紺地杓子菜文麻地壁掛」(1929年)でした。
芹沢銈介コレクション
花束蝶文更紗 [サロン]
インドネシア ジャワ島
19世紀
大ぶりな花束が印象的な腰衣(サロン)で、小花や蝶、つがいの鳥が彩りを添えています。鋸歯(きょし)状の三角形は吉祥文様で、多産・豊穣を表します。
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