展覧会・イベント

特別展「東北窯めぐり -やきもの と かまばの風景-」

2014年9月29日(月)〜 2015年1月28日(水)

このたび、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館では、東北の窯で作られたやきものと、各地の窯場の風景を主題にした芹沢作品を紹介する「東北窯めぐり -やきものとかまばの風景-」展を開催します。

 芹沢銈介(1895‐1984)は染色技術のみならず、完成した型染作品の絵画的美しさも評価され、1956年に「型絵染」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。創り出された模様は文字や動植物、幾何文など多岐にわたります。なかでも手仕事を守り続ける人々の姿や風景がモチーフになった作品は、芹沢が正確に形をとらえることから、当時を物語る記録ともいえるのではないでしょうか。

 1931年、芹沢は初めて東北地方へ旅し、青森での小絵馬収集のほか、岩手の久慈の窯場にも立ち寄りました。数年後、山形県新庄市での民藝調査や、秋田県角館市で行われた樺細工のデザイン指導などの依頼もあり、戦前から東北を訪れる機会が多くありました。そのような中で、芹沢は旅先の窯場風景を描きとめ、型染本『東北窯めぐり』を制作しました。この作品には、当時の久慈窯をはじめ、秋田県の楢岡、山形県は新庄東山・平清水、宮城県の堤など7箇所の窯場風景が配されています。そして、そこで働く人々や囲炉裏を囲む子どもたちの姿も、型絵染で見事にあらわしています。この模様は後に屏風や軸、うちわにも仕立てられ、芹沢が好んだ題材のひとつです。

 今回の展覧会では、芹沢長介記念東北陶磁文化館より陶磁器を借用し、当館所蔵とあわせて展示します。考古学者であった長男・長介氏(当館初代館長)の眼を通して集められた「東北地方のやきもの」と、父・銈介の型絵染で表現した数々の「窯場風景」を紹介します。

なまこ釉甕(堤)
東北福祉大学芹沢美術工芸館蔵
青土瓶(上野目)
芹沢長介記念東北陶磁文化館蔵
出品作品東北地方のやきもの:堤・切込・上野目(宮城)、平清水(山形)、大堀相馬・相馬駒・会津本郷(福島)、など
芹沢銈介作品:屏風、着物、のれん、壁掛けなど
休館日日曜・祝日
※日・祝日、入試日(11/22~27、1/16~18)、冬季休館日(12/24~1/7)
 ただし、10/26(日)、11/9(日)、12/23(火・祝)は開館します
開館時間10:00〜16:30(入館は16:00まで)
入館料一般300(200)円 学生200(100)円
( )は20名以上の団体料金
高校生以下および障がい者とその介助者1名は無料
着物で来館された方は当日の入館料100円引き(併用不可)
主催東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館
後援NHK仙台放送局、河北新報社、朝日新聞仙台総局、東北放送、仙台放送、ミヤギテレビ、東日本放送、Date fm
協力芹沢長介記念東北陶磁文化館
イベント●講習会
型染体験「型置き・引染め・合羽刷り」
①10月18日(土)10:30〜14:30[定員10名]
② 10月19日(日)10:30〜14:30[定員10名]
講師:土手武彦氏 土手千鶴子氏 (土手型染工房)
場所:東北福祉大学学内
※要予約
材料費 4500円
応募方法:往復はがきに住所・氏名・電話番号と希望日(①か②)を明記してご応募下さい。10/7必着。
往復はがき1枚につき1名様でお願いします。(応募多数の場合は抽選)

●学芸員によるギャラリートーク
11月8日(土)、12月20日(土)各11:00〜
※自由参加(当日の入館券が必要です)

●ワークショップ「和綴じ本を作ろう –合羽刷りでやきもの模様-」
会期中の毎週火・土曜日(ただし休館日と10/25は除く)
受付時間 11:00〜15:00
体験時間 約60分
材料費 400円