社会福祉学科
高齢化の進展、貧困や発達障害など生きづらさの拡大と、私たちの地域社会が抱える課題は大きくなっています。その課題を解決するために、「我が事・丸ごと地域共生社会づくり」が提唱され、その中心的役割をソーシャルワーカーが果たすことが期待されています。社会福祉学科では、支援が必要な方や地域の課題を理解し、適切な相談支援と地域づくりをするための理論と知識、技術を学び、実践できる能力を身に付けます。ソーシャルワーカーとして活躍するために必要な国家資格である「社会福祉士」「精神保健福祉士」の取得が可能です。
社会福祉学科での学び
本学科では、理論と実践の学びから問題を発見し、それを解決できる能力を身に付け支援できるソーシャルワーカーを育成します。単に知識を学ぶのではなく、ロールプレイや実習を通じての実践力を養い、現場を意識した学びを提供します。

1 福祉の理論を学ぶ

社会福祉学を中心に、幅広い専門領域の教授陣による多様な学問から「福祉」にアプローチ。
2 資格取得でキャリアアップ

資格を取得した多くの卒業生が、全国の福祉・医療分野で活躍しています。
3 福祉の実践力を養う

支援が必要な方や地域の課題を理解し、適切な相談支援と地域づくりをするために、実践できる能力を身に付けます。
取得できる資格
社会福祉士国家試験受験資格
精神保健福祉士国家試験受験資格
- 各種任用資格(「社会福祉主事」「児童指導員」「知的障害者福祉司」)
睡眠改善指導者(大学認定睡眠改善インストラクター)受験資格
- 防災士(詳細は通学課程のホームページにてご確認ください。※申込みは通信教育部にて受付します。)
社会福祉学科での学び
教育研究上の目的・3つのポリシー
建学の精神(行学一如)に則り、人類の幸福の追求と国際社会並びに地域社会の発展に貢献できる人材育成を目的として、以下の学部、学科を設置する。
総合福祉学部
教育研究上の目的
多角的視野から教育・研究に取り組み、知識、技術、社会的実践力を錬磨し、福祉社会の実現に資する人材の育成を目的とする。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
本学の建学の精神は「行学一如」です。そこにあるのは「理論知」と「実践知」の調和です。アドミッション・ポリシーとして「理論」と「実践」に対応しうる能力、意欲、適性、社会的経験などを提示します。また、通信教育部では、生涯教育機関として幅広い年齢層の方々の入学を希望します。在宅での学習が中心となる通信教育での学習方法を理解し継続する意思、学ぶ意思を確認するために、志望理由書などを含む書類選考を実施します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
学生はカリキュラムを通じて「知的アイデンティティの確立」をめざさねばなりません。そのため学士力として要求されている 「知識・理解」、「汎用的技能」、「態度・志向性」、「総合的な学習経験と創造的思考力」 をカリキュラムで実現し、各学科の人材育成上の目的・教育目標を達成するための教育課程を編成します。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
学士としての「質保証」のため「単位の厳格化」と「高い公共性と倫理性」をポリシーにしています。
学士力としては、「知識・理解」、「汎用的技能」、「態度・志向性」、「総合的な学習経験と創造的思考力」 を身に付け、かつ所定の単位を修得した学生に学位を授与します。
社会福祉学科
教育研究上の目的
人間理解のための深い教養と福祉の専門知識を修得し、福祉領域における問題解決能力を有する人材を育成する。
教育目標
本学科の教育目標は、現在の社会構造や福祉環境を多面的に理解し、幅広い教養と深い専門領域の知識や技術を学修することによって、社会の発展に寄与できる人、多様な人々のライフステージのなかですべての人々の「幸せ」や「福祉」、「安全」や「安心」を追究できる人、多様な人々の生活問題を主体的に解決できる人、共生社会の実現に貢献できる人を育成することです。
アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)
1.求める学生像
本学科では、次のような学生を求めています。
- (1)主体性を持って人々とともに学び、実践する意欲を持った人。
- (2)社会福祉学を学び、人々の幸せや福祉、地域共生社会の実現に貢献する人。
通信教育部では、幅広い年齢層を対象に学修機会を提供する生涯学習機関として、通信教育の学修方法を理解し、社会福祉学を学び実践にいかしたいという意欲を持っている方の入学を期待しています。
2.入学前に培うことを求める力
入学前に次に挙げる力を培ってきた人を求めます。
(1)知識・技能
- ① 読解力、基本的な文章作成能力を有する。
- ② 高等学校までの履修内容について、総合的に身に付けている。
(2)思考力・判断力・表現力等
- ① 思考力:ものごとを筋道立てて考えることができる。
- ② 判断力:ものごとを正確に認識し、見解を明らかにすることができる。
- ③ 表現力:テーマについて調べ、わかったことや気付いたことを他者に伝えることができる。
(3)主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度
- ① 主体性:自分の目標を持って意欲的に学ぶことができる。
- ② 多様性:他者を尊重することができる。
- ③ 協働性:他者と協力して課題に取り組むことができる。
3.評価方法
社会福祉学を学び人々の幸せや福祉に貢献したいという意欲、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度を確認するために、「志望理由書」の提出を求め、そのほかの必要書類とともに書類選考を実施します。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
教育課程編成、学修方法・学修過程、学修成果の評価のあり方について、以下のように方針を定めています。
1.教育課程編成
社会福祉実践力を体系的に修得するために、以下のように教育課程を編成しています。
(1)共通基礎教育
広い意味での「教養」を涵養し総合的・多角的な見方を身に付ける科目と、初年次教育として大学での学習にスムーズに入るために、レポートの作成方法やICT技術の使い方、科学的な考え方、社会の諸課題のとらえ方をグループ学習などを通じて身に付ける科目を配置しています。
(2)専門教育
知識や技術を学び増やすだけではなく、その「理念・考え方」を学ぶことができ、福祉領域における問題解決能力、実践力が修得できるように科目を配置しています。
社会福祉の歴史と基本的な理念を学ぶ科目、「高齢者福祉」「障害者福祉」「精神保健福祉」「児童・家庭福祉」「公的扶助」など領域ごとの制度や対象者理解を学ぶ科目、「社会福祉援助技術」「精神保健福祉援助技術」などソーシャルワーク技法を身に付ける科目、「国際福祉」「福祉経済」など社会福祉の諸分野を学ぶ科目をおいています。さらに、1つのテーマに焦点をあてて、社会福祉の現代的課題、具体的な実践や実践で活用されている知見を学ぶ「特講科目」も配置しています。隣接分野の「心理学」「法学」「医学」「リハビリテーション」など、本学の特色ある教育である「防災・減災」についても学ぶことができます。指定科目を学ぶことで、社会福祉士国家資格受験資格、精神保健福祉士国家資格受験資格を可能としています。
教育課程の全体像を示すため、基礎から応用へ順序よく学ぶために科目間の関係を示した「履修系統図」、各科目で身に付く力を示した「カリキュラム・マップ」を提示しています。通信教育部では幅広い年齢層、多様な学習歴を持った学生を対象としており、自身がこれまでに身に付けた知識・体験と照らし合わせながら学ぶことが効果的と考えるため「履修系統図」にかかわらず、自身の興味・関心に応じて科目を履修し学修の順序を学生が自主的に決定できる自由度の高い教育課程編成としています。
2.学修方法・学修過程
通信教育部では、法令により認められた多様な学修方法を取り入れ、学生が学修しやすい環境を整えています。
(1)印刷教材による授業
科目により指定された教科書を配本し、それを『レポート課題集』に記載された「在宅学習のポイント」にもとづいて読んでいく学修方法です。教科書以外の参考文献での学びも推奨されます。
学んだ成果を確認するために、『レポート課題集』に記載された課題についてのレポートを提出することが必要です。レポート作成の過程を通じて、思考力や根拠に基づく情報発信力を身に付けることができます。レポートは担当教員により添削指導が行われ、学生に返却されますので、自身の理解の度合いを把握し、さらなる学修につなげることが可能です。
(2)面接授業(スクーリング)
教員と直接対面して授業を受けることです。その学問の基礎的な知見を身に付けるとともに、自身がこれまでに身に付けた知識・体験と照らし合わせ、実践にいかすことを意識しながら授業を受ける過程で、主体的な学びを実現することができます。
また、参加型学習、グループワーク、問題解決型学習(PBL)などが行われる科目もあり、日常的に接することのない学生同士や教員との対話を重視します。面接授業の方法は、さらに下記のように分けられています。
① 講義
社会福祉学の理念、制度、技法を具体的な事例と関連付けて講義します。学生は得られた知識や技能に基づいて、自分のこれまでの実践などと関連付けて整理します。
② 演習
社会福祉学の知識と技能を用いて課題を解決する演習を行います。学生は、ロールプレイや社会福祉援助に関する事例研究を通し、コミュニケーション能力やアセスメント(課題分析)の力を身に付けます。
(3)放送授業(ビデオ・スクーリング)
面接授業が受講できない学生に受講機会を増やすことを主たる目的として、上記(2)-①の講義科目の一部を録画編集した動画を、面接授業を実施していない会場や時期に視聴する授業方法です。放送授業を実施する科目は、必ず印刷教材による授業と組み合わせて開講されます。
(4)メディアによる授業(オンデマンド・スクーリング)
面接授業が受講できない学生に受講機会を増やすことを主たる目的として、上記(2)-①の講義科目の一部を録画編集した動画を、自身のパソコンで視聴する授業方法です。メディア授業の技術的な特性を用いた、正解不正解が即時に確認できる「確認テスト」、わからないところは何度も聴きなおすことができる過程などを通じて、面接授業にはない効果を得ることも可能です。
(5)実習
社会福祉士、精神保健福祉士取得希望者は、社会福祉施設・病院などでの実習を行います。実習の過程を通して、ソーシャルワークの基礎的な技能を修得するとともに、具体的な課題解決の方法を学びます。
(6)卒業研究・卒業試験
卒業研究では、学修の集大成として卒業研究を行い論文を作成します。指導教員について、学生はこれまでの学び、興味や関心に基づいて課題を設定し、データを収集し、結果を考察します。卒業試験では、学修の集大成として自身でテーマを1つ選び、それについて論述します。学生はいずれかを選択し、取り組む過程を通じて、自分が大学で何を身に付けることができたのかを確認することができます。
3.学修成果の評価のあり方
社会福祉実践力は、教員と学生自身によって評価されます。学生は、単位の修得状況、学修実態調査、卒業者アンケートの機会を通じて、ディプロマ・ポリシーの達成度を確認します。各科目の成績評価は、到達目標の達成度(一部にルーブリック評価を導入)、学修過程(レポート、スクーリングなどへの参加状況)を踏まえて行われます。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位の授与に関する方針)
社会福祉の学びの究極は人間と社会を理解することです。したがって、本学科が育成しようとしている人材に求められる資質は、人間と社会への深い関心と幅広い視野です。人間のニーズ(必要性)は多種多様であり、たとえ同じニーズであってもその状況に応じて、一つとして同じ対応はあり得ません。このような人間と社会を対象とする「社会福祉」だからこそ幅広い視野が求められてきます。
したがって、大学の建学の精神である「行学一如」と、教育の理念である「自利・利他円満」および本学科の教育目標を理解し、124単位の単位取得と要件、求められるGPAを満たした上で、社会福祉学の知識と技術を修得し、下記の資質能力について実践を通して理解を深めた人物に学位を授与します。
1.学生が身に付けるべき資質・能力の目標
本学科では、社会福祉実践力を習得するために、以下の資質と能力を育てます。
(1)学びと行(実践)のための知識・理解
- ① さまざまな環境下にある人々の生活や社会で起きている現象に関心を持つことができる。
- ② さまざまな環境下にある人々の生活状況、それらをとりまく社会構造、身体・心理的要件、かかわり方などにどのようなものがあるかを理解できる。
- ③ さまざまな環境下にある人々の福祉的課題について、アセスメントできる。
- ④ 自らの関心や適性をふまえて、②③のなかでも特にどのようなアプローチで対象者の生活状況または社会をより良くすることができるかについて理解できる。
- ⑤ ④のアプローチについて、専門的知識を身に付けた体験がある。
(2)学びと行(実践)のための技術
- ① 特定の課題について必要な情報を収集・整理・分析・考察し、文章化する(レポートまたはプレゼンテーションにまとめる)ことができる。
- ② ①をICTを用いて発表することができる。
- ③ 他者の発表や意見を、関心を持って最後まで聞くことができる。
- ④ 他者の発表などに対して質問や発言をすることができる。
- ⑤ 他者の発言を促したり、自制を促すなどして全体の議論を調整することができる。
(3)学びと行(実践)のための態度・志向性
- ① 普段の生活やさまざまな活動を通して抱いた疑問を大事にし、学びや行(実践)への動機を高めることができる。
- ② 疑問に答えるための行動を起こし(該当科目を履修する、図書館・各種メディアで情報を集める、教員・友人・家族・知り合いに聞く、当事者に聞きに行く、活動に参加する等)、自分なりの答えを見つけることができる。
- ③ 自分の意見を他者にわかるように伝える工夫をしており、適切に表現できる。
- ④ 異なる立場にある人の意見や考え方を知り、対話の中で理解を深めることができる。
- ⑤ 社会福祉の倫理観に基づいたコミュニケーション能力を発揮することができる。
(4)行動
- ①「 学びと行(実践)のための態度・志向性」の2.で見つけた現時点での自分なりの答えを実践すべく、目標を設定し、行動に移すことができる。
- ② その行動に必要な専門的知識・技能の向上に努めることができる。
- ③ 目標に向かって他者と協力することができる。
- ④ 目標に向かって最後までやり抜くことができる。/意欲を持っている。
- ⑤ 目標に向かう過程で困難に直面しても、成長する機会として前向きに捉え、乗り越えるための工夫ができる。
- ⑥ 身に付けた知識・理解、技術、態度・志向性を持って社会問題を解決する。/社会に貢献することに喜びを感じる。
2.学位授与の要件
本学科の教育目標を理解し、124単位以上の単位取得と要件、求められるGPA(*1)を満たした上で、社会福祉学の知識と技能・技術を修得し、上記の資質能力について実践を通して理解を深めた人物に学位を授与します。
(*1)GPA:Grade Point Average の略。授業科目ごとの成績について、例えば5段階(秀・優・良・可・不可)で評価した上で、それぞれに対して4・3・2・1・0 のようにグレード・ポイント(GP)を付与し、その平均を算出して評価を行います。