芹沢銈介美術工芸館
◆企画展 「型絵染の着物」へのお誘い
小川紙漉村文着物
型紙を用いた染色技法・型絵染の人間国宝芹沢銈介は,主に日常生活において「用いるもの」を生涯創りつづけました。着物,帯,のれんや壁掛け,本の装幀やステンドグラスのデザインなど多岐にわたる分野の作品をのこしています。
今回の展示では,その中から着物を中心に展示します。芹沢文様や色合いが,若い頃から代表作を最もつくり出した時期,そして晩年の作品へと,どのように移り変わっていくのかを展示を通してみることができます。
初期(1943年)に作られた「小川紙漉村文着物」は和紙の産地,埼玉県小川町の風景をモチーフにした作品です。芹沢は1935年に県立小川製紙研究所の嘱託となり,紙漉き場の指導にあたりました。その訪ね歩いた先で小川町の情景を作品にのこしました。紙漉きに欠かせない清流が脈々と流れ,桜色に染められた山々が,春の小川町の景色を思い浮かべて制作したことをうかがわせます。この細やかな文様の着物は20×36センチという小さな型紙によって染められました。着物や帯は,幅36センチほどの反物に,繰り返し型を置いて糊置をしてから染めていくのです。漉いた和紙を板の上に貼り,天日で乾かしている板干しの工程もよくわかります。今回は型紙も展示しますので,見比べてみてください。
「鯛泳ぐ文着物」は,大小4匹の鯛が一組となり,着物に所狭しと染められています。型紙を反転させることにより,泳ぐ方向に変化が見られ,鯛は今にも動きだしそうです。この着物は地色が赤と青の2色作られましたが,同じ型を使う作品であっても,色によって印象が変わってきます。海の青はすがすがしさを,赤は寿ぐ気持ちが込められているように感じます。この着物は人間国宝に指定された後に制作されたものです。文様が大きく,色合いも大胆で華麗さを増しています。
実際に展示をみて,初期の頃と晩年の作品の印象の違いを体感してみてください。
他にも芹沢デザインの年賀状を数多く展示しています。また6Fの展示室1では昨年秋に行われた「芹沢銈介があつめた仮面」展の縮小版も行っておりますので,見逃した方は是非ご覧下さい。
- ●会期
- 2008年1月12日(土)〜3月21日(金)
- ●休館日
- 1/28〜2/1,2/21〜25,3/13〜16
- ●開館時間
- 10:00〜16:30(入館は16:00)
- ●併設展示
- 仙台藩のやきもの「堤焼・切込焼」
「芹沢銈介があつめた仮面」(縮小版)
- ●ギャラリートーク
- 2/16(土),3/8(土) 各13:30〜
- ●ワークショップ「ちりめんの貝根付を作ろう」
- 体験時間約15分・参加費無料
1/19・20,2/2・3・11・19・27,3/7・9・20 各11:00〜15:00
本学学生は無料です。学生証を受付に提示し入館してください。
ミュージアムショップもありますので,お土産などにどうぞご利用ください。
ホームページ http://www.tfu.ac.jp/kogeikan/
連絡先 電話022-717-3318
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