東北福祉大学・長沼朱音さん(教育学科3年)インタビュー
Q.震災の語り部活動を始めたきっかけは何ですか?
A.大学に入学してすぐ、当時のボランティアセンター(現在:生涯学習ボランティア支援課)の前に、さまざまなボランティア活動の募集の掲示があり、その中で「語り部」や「防災」の活動に興味を持ちました。もともと関心があったので、すぐに応募しました。
Q.震災当時、どのような状況でしたか?(年齢、地域、経験など)
A.私は福島県浪江町の出身で、東日本大震災当時は小学校1年生でした。家族は、未就学の弟と、同じ小学校に通う兄がいました。地震があった日、私のクラスだけが早く授業が終わり、家に帰ることができました。その後、叔母が弟を保育園に迎えに行き、母の実家に避難しました。私の記憶には、母が「地震があったらおばあちゃんの家に行こう」と教えてくれていたことが残っています。一方、兄は学校の仲間と一緒に近くの高台に避難し、無事でした。その時の様子は絵本になり、語り部としても伝えています。
Q.震災が自身に与えた影響について教えてください。
A.今、私は教員を目指して活動していますが、震災がなければ教員になろうとは思っていなかったと思います。震災前は、保育園から小学校まで同じメンバーで過ごしていましたが、避難後、学校が変わり、新しいコミュニティに馴染むのが大変でした。特に、自分から話しかけることが出来なくなり、急に人との距離を感じました。しかし、小学校5年生の時、私の人生において大きな転機となる1人の先生と出会いました。その先生は、クラス全体が気軽に意見や発言ができる雰囲気作りが得意でした。私はそのおかげで、苦手だった人前で話すことに自信を持てるようになり、中学の入学式では代表として誓いの言葉を述べることができました。震災を肯定するつもりはありませんが、避難生活での出会いが自分にとって大きな影響を与えたことは確かです。
Q. 語り部活動をどう考えていますか?
A.語り部活動は、他の人に伝えたいという気持ちよりも、自分が役に立つことがあれば、それを提供したいという思いで取り組んでいます。私の母が小さい頃に言っていた「地震があったらおばあちゃんの家に行こう」という言葉が頭に残っているように、私の話が誰かの心に残り、防災意識を高めるきっかけになればと思っています。
Q.語り部活動が誰かに影響を与えたエピソードがあれば教えてください。
A.私自身は、活動を通じて防災意識を持ってもらいたいと考えていますが、受け取る側の意識がどう変わったのかは正直分かりません。ただ、私自身が震災を振り返るきっかけとなっていることは間違いなく、その過程で学びがありました。普段、震災について振り返ることは少ないので、この活動が自分にとっても重要な意味を持っています。