入試問題解説(一般選抜)
国語総合(古典を除く)・現代文B(必修科目)
例年、評論文(各2500字~3000字程度)が二題出題されます。一題の難易度が高ければ、もう一題はやや易しい問題というように、バランスをとっています。福祉、教育、情報、心理、言葉、社会思想、自然科学など、さまざまな分野から出題しています。社会福祉学科に福祉系の問題、福祉心理学科に心理系の問題、教育学科に教育系の問題が出されることはありますが、必出というわけではなく、学科に特化した評論文を読むような勉強方法は必要ないでしょう。むしろ、オーソドックスな評論文の読解法を学ぶことをお勧めします(もちろん、希望する分野に興味ある方は、その限りではありません)。出題の傾向については、際だった特徴はありません。空欄補充、脱文挿入、段落の整序、理由説明、漢字、文学史など一般的な問題です。選択式の問題と記述式の問題がほぼ半々です。漢字は例年出題されており、原則的には、常用漢字は書き取りの出題、常用漢字外は読みの出題としています。大きく正確に、かつ丁寧に楷書で書くよう心がけましょう。配点は全体の20%です。空欄補充は一部迷うところがあるでしょうが、文脈を追い、消去法を使うなどすることで対応できます。60分・二題は時間に余裕がありません。一題、25分以内で解く訓練をしておくと良いでしょう。現代文は、基本的な考え方、基本的な表現の理解が求められます。同じ問題は出ませんが、似たような考え方や表現を使った文章はたくさん出ます。話題の新書や、新聞のコラム、入試問題集などで、基本的な考え方や表現に習熟しておくことが大切です。
コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ
問題数は大きく分けて以下の4問です。
【1】 長文読解総合問題:文中の語句と同じ意味を表す語句の選択、長文の内容理解を問うもの(選択式)、文中の単語のアクセント、文中の単語の用法や派生形を問うもの(記述式)
【2】 単語の発音問題
【3】 語(句)の並べ替え問題(整序英作文・記述式)
【4】 文法やイディオム、英語の定番表現に関する選択問題
長文読解では、国内外の最近のニュースのなかから主に健康、福祉、教育、環境、社会問題などを扱ったもの(約400~500語)を取り上げており、語彙のレベルは中学・高校必須単語に合わせています。難解と思われる語句がある場合は注釈を付けています。
読解力をつけるためには単語力と構文力、そして世の中に関する知識が必要です。自分に合った、難しくないレベルの英語の本をたくさん読むことで、単語の意味を文脈から自然と理解できるようになり、大意をつかむことができます。また、英語で最もよく使われる2000~2500語を集中的に覚えるとさまざまなジャンルの読み物を80%近く理解できるようになるとも言われています。また時には、高校英文法の参考書や文法のテキストを参照して、英語の構文や語順を理解することも必要になるでしょう。毎年出題される単語の派生形(名詞形、形容詞形、副詞形など)についても機械的に覚えるのではなく、形が変わることでどのように意味が変わるのか復習してください。国際的に話題になっているニュースや記事をインターネットで探し、読んでみてください。
単語力が身に付くだけではなく、世の中で起こっているさまざまな出来事について予備知識を増やすことができるでしょう。発音を習得するには「聞こえたまま」を実際に声に出して自分で発音するのが効果的です。常日頃から音読をお勧めします。
政治経済(選択科目)
例年、問題の形式は大問350問です。語群からの選択と重要語句の記述がだいたい半々となっています。ただし、現代社会が直面する問題、例えば、消費者保護、労働問題、人口問題、環境問題、社会保障、国際経済、時事問題などの基本的事項についても理解することが必要です。対策としては、教科書の基本的事項(ゴシック体)について深く理解することが何より先決です。また、用語集の赤字の部分についても学習しておくことをお勧めします。あくまでも教科書を中心に学習を深めていくことが大切です。政治・経済という科目は、この社会を生きていくための基本的知識を学習し、現実の社会を認識することが目的です。そのためにも、受験勉強は単なる語句の暗記ではなくて社会現象と向き合い、あらゆる諸事情をどのように関連付けていくかという理論を把握することが重要です。よって、受験生のみなさんは、新聞およびニュースにも関心をもつように広くアンテナを張っておいてください。特に近年の傾向としては、教科書における理論を現実の諸問題にリンクさせた出題が重要なウエートを占めています。日頃よりあらゆる情報に目を配っておくことが必要だと思います。政治や経済に偏った学習だけではなく、社会の諸問題に対しバランスよく対応できる訓練が必要です。
日本史B(選択科目)
問題数は大問3題ないしは4題、解答数は約50問です。記述式と選択式の問題を中心に、論述が加わります。バランスよく設け、平均点が50点ぐらいになるように考慮しています。ただ、例年、記述式が多くなると平均点が下がり、選択式の問題になると点数は高くなる傾向にあります。日本史Bの教科書に基づき、原始・古代から近・現代までバランスよく出題することを心がけています。大問題のなかにいくつかの設問があり、政治・経済・社会・文化などを総合的に問うよう配慮しています。また、本学の特徴として史料や資料(地図、図、グラフ、表、写真など)から情報を読み取り解答を求める出題もあります。全体として、細切れの語句の解答を求めるのではなく、時代やテーマにそったひとつの流れとしての設問です。新しい傾向として、歴史的事実やその背景について論述させる設問が増えています。本学の設問形式、出題内容は、日本史Bの教科書に基づいていますので、まず何よりも教科書の原始・古代から近・現代まで学習し、理解することが求められます。その際、教科書欄外の脚注や教科書本文の史料、資料もしっかり確認してください。『日本史史料集』、『日本史用語集』 などを教科書と合わせて理解を深めるように学習してください。例年、歴史用語の誤字・脱字も見受けられます。ぜひ正しい知識を身に付けてください。
世界史B(選択科目)
【1】19世紀半ば以前のアジア、【2】19世紀半ば以前のヨーロッパとアメリカ、【3】19世紀半ば以降の世界(全ての地域)です。なお、アフリカやその他の地域は、場合によっては【1】、あるいは【2】に含まれることがあります。例年、解答を見ていると、明らかに過去問のみを勉強してきたと思われる場合があります。世界史Bは、基本的に高校で使用している教科書に基づき出題していますが、【1】【2】【3】とも、政治・経済・社会・文化など多岐にわたる分野が出題対象になっています。従って、まず教科書を最初から最後まで丁寧に学習することが大切です。その際、教科書欄外の補注や地図、図表にも気を配ってください。資料を読み取る問題や、それをもとにして考える問題もあるので、普段からそのような学習を進めることが大切です。歴史用語(人物名を含む)、特にアジア史の場合は漢字を正確に書けるようにしておきましょう。60分以内で早く、かつ正確な記述が望まれます。