2020/03/04 情報福祉マネジメント学科

教員の声:CGと技術(上) 大内誠教授

教員の声<不定期更新>
学科の教育や活動について学科教員の視点でまとめて報告します。第4回目は、大内誠教授によるCG(コンピュータグラフィックス)について、上・下の2回に分けての報告です。

ジュラシック・パークの恐竜の群れは どうやって制作しているのか?

 恐竜映画をひとつ挙げて下さいと言われたら、みなさんは何を挙げますか。だれもが真っ先に思い浮かべるのは恐らく「ジュラシック・パーク(Jurassic Park)」でしょう。この映画の原作はテレビドラマ「ER緊急救命室」の原作者でもあるマイケル・クライトンが書いたものです。監督はかの有名なスティーブン・スピルバーグ。

この映画の最大の見所は、なんと言ってもCG(Computer Graphics)によるリアルな恐竜でしょう。

当初スピルバーグ監督は、恐竜のシーンにはCGを使わず、インダストリアル・ライト&マジック社のフィル・ティペットが開発したゴー・モーションを採用する予定だったそうです。ゴー・モーションはストップモーション・アニメーションと同様に、ミニチュアモデルを使って撮影します。

ストップモーションはフィルムの1コマ1コマを撮影するのに対して、ゴー・モーションは実際に動いているミニチュアモデルを使用するためカクカクした動きにならない点が最大のメリットでした。

ところが、インダストリアル・ライト&マジック社内で秘密裏に制作されたフルCGの恐竜映像を見たスピルバーグ監督はゴー・モーションでの撮影を取りやめ、CGならびにアニマトロニクス(恐竜の皮を被った撮影用ロボット)を使うことにしたそうです。なお、アニマトロニクスは、現在でもディズニーランドなどで盛んに使われています。

ところで、ジュラシック・パークに出てくる恐竜で一番印象に残っているのはどれでしょうか。恐らくほとんどの人は、巨大なティラノサウルス・レックスや恐ろしいラプトルと答えることでしょう。もしかすると、それらは怖いのでブラキオサウルスやトリケラトプスのほうが好きだという人もいることでしょう。

でも私が一番印象に残っているのは、ガリミムスです。

ガリミムスはダチョウのように二足歩行する全長5メートル程度の比較的小さな恐竜ですが、映画の中では何百頭ものガリミムスがティラノサウルスに追いかけられて逃げ惑うシーンで登場し、非常に圧巻でした。なお、このシーンでは登場人物たちとガリミムスがいっしょに逃げ惑います。

かつて、このようなシーンの撮影には、「クロマキー合成」と呼ばれる技法が使用されました。
クロマキー合成はあらかじめ緑色や青色のスクリーンの前で登場人物が演技し、別に撮影された映像を後で合成する技法です。この方法は、非常に綺麗に合成できるのですが、スタジオ内で撮影するため撮影するカメラの動きが単純になりがちでダイナミックスさに欠けます。これではせっかく何百頭ものガリミムスを登場させたのに台無しになってしまいます。

そこで、新たに開発されたのが「マッチムーブ」です。
マッチムーブは撮影機材ではなくソフトウェアです。撮影した時のカメラの動きを撮影された動画から解析し、CG上のカメラの動きもそれと同じようにしてから合成します。

カメラを手に持って歩きながら撮影するとカメラは上下左右に揺れますので撮影された動画も左右上下に揺れます。そのカメラと全く同じようにCGで作成した動画も左右上下に揺らして合成すると、あたかも実写とCGをひとつのカメラで同時に撮影してように見せることができます。これがマッチムーブの原理です。

実は、あのガリミムスのシーンはハワイ・オアフ島のクアロア地区で撮影されたことが知られています。カメラは恐らく手に持ったり、クレーン上に設置されたり、もしかしたらヘリコプターに搭載されたかもしれません。それらのカメラの動きを解析して、ガリミムスのCGと合成したからこそあのようなダイナミックでリアルな映像になったわけです。

ここで、ひとつ気になることがあります。あの何百頭ものガリミムスはどうやって作ったのか、ということです。

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