2018/01/15 保健看護学科
【研究】適切ではない指導方法が歯のケガと関連することを検証/土谷昌広准教授 共同研究
ポイント
- 宮城県スポーツ少年団に所属する、小・中学生の男女(7,333名、年齢:6-15歳)を対象としてアンケート調査を実施し、解析を行った。
- 歯のケガ(歯が欠けたり、揺れたり、抜けたりしたことがある)は一般的に男子で顕著であることは知られていたが、スポーツ少年団団員でも同様であった。
- 適切ではない指導(少ない休憩や体罰、暴言)を経験した男子では歯のケガが多かった。
研究成果の概要
この研究は東北福祉大学、東北大学大学院医学系研究科(スポーツ・運動機能再建医学寄附講座:萩原嘉廣准教授、運動学分野:永富良一教授)、宮城県体育協会、宮城県スポーツ少年団との共同研究です。宮城県スポーツ少年団に所属する団員(6—15歳、7,333名)の内、有効な回答が得られた5,735名を対象として、団員の歯のケガと指導方法との関連について検討しました。
歯のケガは、全体の13.3%(763/5,735名)で認められました。男子で多く(14.3%, 592/4,132名)、女子(10.7%,171/1,603名)と比較しておおよそ1.5倍でした。また、男子では歯のケガが「休憩が少ないと感じる」、「指導者からの暴言を経験した」、そして「指導者からの体罰を経験した」場合に多いことが明らかとなりました。しかしながら、女子ではそのような傾向は認められませんでした。
少年期の適切な運動習慣は成長・発達を促す上で非常に重要で、しかも将来的なメタボリックシンドロームとの関連も報告されています。しかし、少年期のスポーツ活動によるケガのため、その活動を途中で断念せざるを得ない場合もあります。本研究は、適切でない指導方法が歯のケガと関連することを明らかにしました。指導方法を含めて、子供の運動環境を整えることが子供の歯のケガを減らし、スポーツをより長く楽しむことに繋がるものと考えられます。
論文発表の概要
[研究論文名] Factors associated with sports-related dental injuries among young athletes: a cross-sectional study in Miyagi prefecture. (スポーツ少年団の団員における、スポーツ活動と歯のケガとの関連因子の検討:宮城県における横断研究)
[著者] 土谷忍(東北大学)、土谷昌広(東北福祉大学)、門間陽樹(東北大学)、関口拓矢(東北大学)、黒木薫(東北福祉大学)、金澤憲治(東北大学)、小関健由(東北大学)、五十嵐薫(東北大学)、萩原嘉廣(東北大学)、永富良一(東北大学)
[公表雑誌] BMC Oral Health. Vol. 17(1): 168, Dec/29/2017.
[公表日] 2017年12月29日 ※オープンアクセス
[著者] 土谷忍(東北大学)、土谷昌広(東北福祉大学)、門間陽樹(東北大学)、関口拓矢(東北大学)、黒木薫(東北福祉大学)、金澤憲治(東北大学)、小関健由(東北大学)、五十嵐薫(東北大学)、萩原嘉廣(東北大学)、永富良一(東北大学)
[公表雑誌] BMC Oral Health. Vol. 17(1): 168, Dec/29/2017.
[公表日] 2017年12月29日 ※オープンアクセス
本件に関する問い合わせ先
東北福祉大学健康科学部保健看護学科 職階:准教授
氏名:土谷 昌広(つちや まさひろ)
TEL: 022−728−6049
E-mail: mtsuchiya@tfu-mail.tfu.ac.jp
ホームページ:http://researchmap.jp/read0055346/
氏名:土谷 昌広(つちや まさひろ)
TEL: 022−728−6049
E-mail: mtsuchiya@tfu-mail.tfu.ac.jp
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