2023/05/12 リハビリテーション学科
荒木 草太 助教らの共同研究が「Gait & Posture」に掲載されました
東北福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 荒木 草太(あらき そうた)助教が筆頭著者を務めた、地域在住高齢者の歩行に対する加齢と性差の影響を検討した研究論文が「Gait & Posture」に掲載されました。
歩行能力は人間の移動手段として最も重要ですが、その能力は年齢とともに低下し、歩行能力の低下は転倒に繋がる可能性が報告されています。加齢に伴う歩行能力低下の傾向は性別によって異なる可能性がありますが、加齢と性差が歩行の運動学にどのような影響を与えるかは明らかになっていません。そこで地域在住の方々の歩行を計測して検討しました。
鹿児島県垂水市に在住の50歳から89歳まで836名が参加しました。いつも通りの歩行中の関節角度と歩行に関する指標を計測したのち、データを各年代(50代、60代、70代、80代)に区分し、加齢と性別が歩行能力にどのような影響を及ぼしているかを確認しました。以下は、本研究の結果の概要です。
・歩行速度、歩幅、関節角度は60歳代以降から加齢とともに低下する
・歩行中の膝の屈曲角度と足の背屈角度(つまさきの上がる角度)が年齢と性別で交互作用を認めた(性別によって加齢の影響が異なる)
・女性は加齢とともに膝の屈曲が低下し、足の背屈は増加していた
研究題目:
Sex differences in age-related differences in joint motion during gait in community-dwelling middle-age and older individuals
著者:Sota Araki, Ryoji Kiyama, Yuki Nakai, Masayuki Kawada, Takasuke Miyazaki, Yasufumi Takeshita, Hyuma Makizako
掲載誌:Gait & Posture. https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2023.05.009