2026/03/23 社会福祉学科
在学生インタビュー 庄司麗さん--予想外のスタートから、こどもの笑顔に導かれて
庄司麗さんは、第一志望大学の不合格という予想外のスタートで東北福祉大学へ入学しました。福祉への関心もなく不安を抱いていた彼女の転機は、1年生の授業で見たこどもの笑顔でした。ゼミでの「ひなたぼっこ」での遊び場づくり実践を通じて、こどもとの関わり方を学び、コミュニケーション力を育てていきます。卒業論文では「葛藤経験から捉えるこどもの居場所」をテーマに研究を深め、実習では生活困窮の支援現場で利用者の温かさに触れました。予期しない道のりの中で、福祉の魅力と人を支援することのやりがいを発見した、その成長の軌跡を語ります。(インタビューは2026年2月のものです)。
予想外のスタートと不安から、福祉への関心へ
──高校はどちらでしたか?
私立の聖和学園高校です。陸上の推薦で入学しました。高校時代は部活中心の生活でしたね。──この大学を選んだきっかけは何ですか?
第一志望の大学に落ちてしまって、どうしようと思ったときに、通える範囲にあったっていう感じで。最初のきっかけは本当それくらいでした。ただ名前は知ってました。陸上が強いので。──社会福祉学科を選んだ理由は?
あんまり理由はないですし、一番大きな学科だったので、ここに入ればなんとかなるだろうと思って、社会福祉学科にしました。入学前は不安しかなかったですね。福祉を学びたくて来てるわけじゃなかったので、やっていけるのかなっていうのをずっと思いながら過ごしてました。──入ってみて、印象はどうでしたか?
福祉ってこんな幅広くやってるんだなというか、地域福祉とか障がい者とか高齢社とか児童とかいろんな領域があって、本当にいろんなものがあるんだなと思いました。入学してから社会福祉士っていう職業を知ったりだとか、ソーシャルワークっていう言葉を知ったりして、すごいところに入ってしまったと思ってました。──転機となった授業の体験を教えてください。
一年生の終わりくらいに受けた「ソーシャルワークの基盤と専門職」という授業で、2年生から所属しているゼミの清水冬樹先生の授業だったんですが、そこでソーシャルワークの実践の紹介がありました。こどもの居場所づくりの映像でした。その映像に映し出されているこどもたちの笑顔とか、楽しそうな表情というのがとても印象的で、自分もこどもたちにそういう表情を出せるような大人になりたいとそこですごく思いました。
ゼミでの実践を通じた成長
──ゼミではどんな経験をしましたか?
清水先生のゼミでは「こどもの居場所づくり」だとか「遊び場づくり」というのをメインとして取り組んでいました。2年生のときにプレーパーク、3年生のときに「ひなたぼっこ※」で遊び場づくりに取り組んで、本当にこどもと接する機会と、その機会を作る側、運営する側、現場を持つっていう経験もできたかなと思っています。(※ 「ひなたぼっこ」はこどもも、高齢者も、しょうがいのある人も、「誰もが地域で自分らしく」暮らせる地域社会を目指して活動しているNPO法人 全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)の「より処」)
──実際にこどもたちと一緒にやってみてどうでしたか?
最初は関わり方がわからなくて、ずっとぼーっと見てるっていう感じだったんですけど、だんだんと重ねていくうちに、自分のコミュ力もついたのか、こどもたちと遊んだりだとか、楽しく喋れるようになってきて、意外とやってみればいけるんだなっていう気持ちになりました。一年ぐらいかかりましたけど、だんだんとこどもたちと話せるようになって、関係性はできていったかなと思います。──苦労したことはありましたか?
「ひなたぼっこ」は遊ぶ内容だったり、日付というのも自分たちで決めていくので、決めた時にチラシを作ってこどもたちに配って周知をしていくっていう作業が必要だったんですけど、それが結構大変だったなと思ってて。大学の正門に出て、そこの前を通る国見小学校のこどもたちに向けてチラシを配ってたんですけど、こどもたちが学校行事とかで午前中で授業が終わってしまったりだとか、給食がないからとか言って帰る時間がバラバラだったので、立ってても1枚も配れないとか全然あったんです。周知の仕方というのは苦労したなと思います。──「ひなたぼっこ」での活動、やってよかったですか?
めちゃくちゃ良かったです。こどもの居場所は絶対に必要だと思いますね。自分で居場所がなくてもいいと思っていても、潜在的な意識の中では居場所を求めている場合があるものだと思うので、作っていく必要があると思います。
キャンパスライフ
──課外活動について何かやっていましたか?
大学一年から4年生までずっと飲食店でバイトをしていたんですけど、そこはお金稼げればいいやと割り切っていました。大学4年の夏頃ぐらいからは、内定先の団体で学生スタッフとして少しずつ関わっていってました。──気晴らしや遊びは何かありましたか?
友達と駅まで話しながら帰ったりだとか、授業が終わった後に学食に残って、よくわかんない話をしたりだとか、そういう小さな思い出が楽しかったなと思っています。──キャンパスの中でお気に入りの場所はありましたか?
結構、学食好きですね。──学食のメニューはどうですか?
美味しいと思います。カツカレーが好きです。
実習と進路決定
──進路の決定について教えてください。
最初は福祉系の団体か、普通の一般企業か迷ってたんです。3年生のときにマイナビの大きなイベントがあったので、そこに参加してみて、いろんな企業を見たんですけど、全然面白くなかったというか、あんまり興味も湧かなくて、自分も福祉の人間なんだなと思って。そこから福祉系の法人の説明会に行くようになりました。──内定先はどこですか?
実習で自立相談支援機関という生活困窮の分野があることを知って、そこから今の内定先の団体を知りました。NPO法人ワンファミリー仙台というNPO法人です。いろんな事業をしていて、グループホームみたいな共同居住の分野もありますし、住まいの提供をしている居住支援法人なので、単身向けの支援付きのアパートとかやっているところです。──生活困窮の分野を選んだ理由は?
生活困窮の分野の特徴としては、お金がないことや、住まいがないなど、生活基盤そのものが失われている傾向が強いのですが、そのような場面で、その人と一緒に生活を作っていくことに関わることに魅力というか、やりがいを感じて決めました。──社会福祉士の実習で印象に残ったことはありますか?
4年生の実習は本当にいい経験だったなと思っていて、生活困窮の分野の施設で実習をさせていただいていたのですが、そこでの実習は相談を受けて、それで一緒に解決していく経験から学ぶものでした。現場では利用者の方が「おかげで心が軽くなりました」とか「今日は本当にありがとうございました」と伝えてくださることがあり、ああ、福祉っていいなってすごく思って。そういう温かさというのをベースにしていきたいなって思ったきっかけでした。──スクールソーシャルワーカーの実習はどうでしたか?
教育委員会に配属をされて、そこからその日によって小学校や中学校に行きました。学校の中で必要とされる福祉の持つ専門性とはなんだろうと考えながらやってましたね。
卒業論文と国家試験
──4年生は忙しかったと思いますが、時間配分はどうでしたか?
もうめちゃくちゃですね。やれる時にやるという感じでずっと国試(※社会福祉士の国家試験)と卒論も並立してずっとやらないといけないことがあったんですけど、国試ばっかりやってる週と、卒論しかやってない週と、いろいろあって、なんとか生き抜いてきたって感じですね。──卒論を選択した理由は何ですか?
2年生で清水先生のゼミに入るときに、卒論は必修という条件でしたのでその時に選択していたのですが、でもそれだけじゃなくて、4年間ちゃんと通った証というのは欲しいなとはずっと思っていましたし、卒論を乗り越えることで、社会人になってからの何か困難な課題が出てきたときとかに解決できるようになるのかなと思ったので、卒論に取り組んでいきました。──卒論のテーマは?
こどもの居場所に関する論文で、「葛藤経験から捉えるこどもの居場所に関する研究」というタイトルで取り組みました。──従来の居場所研究とは違うんですか?
今までの居場所に関する先行研究の中では、「居場所」って安心できるところだったりだとか、落ち着けるところっていう肯定的なイメージで捉えられてきているんですけど、自分はそれだけじゃないと思っていて。ちゃんと喧嘩をしたりだとか、悪口を言い合ったりだとか、そういうネガティブな経験、葛藤経験も絶対に必要だと思っているので、そういう葛藤も含めたものとして居場所を捉えているのが私の卒業論文です。──国家試験についての大学のサポートはどうでしたか?
国試の対策で、特講とかで講座を開いていただけてるのは本当にありがたかったなと思っていました。夏休みぐらいからあると思うんですけど、夏休みの時ってまだ国試って全然見れてないので、全然勉強する機会を自分で作れないんですけど、まずそういう機会を作っていただけるっていうのは本当に貴重なことだったなと思います。
メッセージ
──最後に、後輩や受験を考えている人へメッセージをお願いします。
自分は東北福祉大学をずっと目指していて入学したわけじゃなかったですし、福祉に関心があったわけじゃなかったんですけど、4年前、全く知らなかったことでも、4年間の大学生活で、4年後の今になって、自分の知識になってくれている。そんな4年間だったなと思ってます。 私は実習やゼミを通して、数字とか利益とかを求めるよりも、人の心とか気持ちを大切にしたいことや、自分は結構やりがい重視のタイプなんだなってわかってきて、だんだんと気づいたら福祉の人になってました。 だから、どんなスタートであったとしても、その過程でどんなに嬉しくない時間を過ごしていたとしても、何かの楽しい思い出であったりだとか、新しい学びっていうのが少しでもあれば、これからの人生もなんとか生きていけるんじゃないのかなと思います。そうした思い出というのを福祉大でぜひ作っていってほしいかなと思います。
