2019/12/18 福祉心理学科

【学び】色や味のメタファーが認知・行動に及ぼす影響を検討 / 2年社会心理学ゼミ研究報告

2年生対象の社会心理学ゼミ(リエゾンゼミⅡ:吉田綾乃)では『身体化された認知(embodied cognition)』に関する研究に取り組んでいます。前期は、『身体化された認知』に関する研究を取り上げた本を講読し、各章の内容についてグループにわかれプレゼンテーションを行いました。後期は興味を持った研究論文を調べ、人々が知覚、接触する刺激のメタファー(隠喩)がどのように認知や行動に影響を及ぼすのかについて研究を行いました。

グループ1は、色調や味覚、時間感覚に関する先行研究を調べ、「辛い味のガムをかんでいる時、緑色よりも赤色に接触すると、時間感覚が速まるだろう」という仮説を検証しました。40名の男女大学生を対象に、30秒のストップウオッチチャレンジを用いた実験を行いました。

グループ2は、色と攻撃性に関する先行研究を調べ、「LINEの葛藤場面が緑色よりも赤色の背景で提示された場合に、攻撃的な書き込みの選択率が高まるだろう」という仮説を検証しました。葛藤場面や攻撃的な書き込み等を具体的に考え、LINEのやり取りを示した画像刺激を作成し、大学生男女50名に実験を行いました。

統計的な解析の結果、両グループともに、仮説を支持する結果は得られませんでした。現在、なぜこのような結果が得られたのかについて、実験刺激や手続きの改善点、心理学研究における再現性の問題も踏まえながら考察を行い、レポートにまとめています。

学生の感想

「予想していた結果とは違う結果になりましたが、実験操作を工夫し、条件を少し変えたら、仮説が支持されたかもしれないと思いました」、「テーマ決めから、実験実施、分析までを通して、貴重な経験ができたと思います。特に、実験者側はあまり経験できないことだと思うので、視野を広げることができました」、などの感想が報告されました。

1年間のゼミ活動を通して、プレゼンテーションなど基本的なスキルの向上だけではなく、自分たちで考えた仮説を検証するプロセスを体験することを通して、専門分野の知識を深めるとともに、「新しい知を生み出す」研究活動について実践的に学ぶことができました。

最後に、突然のお願いにもかかわらず、実験に協力してくださったみなさん、ありがとうございました!

【講読資料】
大江朋子. (2016). 身体と外界の相互作用から醸成される社会的認知. 実験社会心理学研究, 55(2), 111-118.
柴崎全弘. (2017). ヒトはなぜ赤に反応するのか?: 赤色の機能に関する進化心理学的研究. 名古屋学院大学論集, 54(1), 81-96. ほか

 

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