2021/07/15 福祉心理学科

【研究】内藤裕子准教授が日本遊戯療法学会奨励賞を受賞

※「遊戯療法」のイメージが伝わるように作った架空のものです
内藤裕子准教授が、日本遊戯療法学会より奨励賞を受賞しました。「日本遊戯療法学会奨励賞」は、遊戯療法に関連する優れた研究および実践活動を奨励するために2021年度に設けられた賞です。内藤准教授は、2014年に発表した「津波で被災した女児との遊戯療法-喪失体験からの回復過程-」という論文が評価され、奨励賞を学会で初めて受賞しました。

【内藤先生のコメント】
この論文は、東日本大震災によって被災した子どもにスクールカウンセラーとして中・長期的支援を行った過程をまとめたものです。遊戯療法という心理療法を用いた過程の中で、子どもの心の回復に役立った「あそび」の意味と、被災者でもあるカウンセラーとの間で起こっていた関係性について考察しました。この事例は、いくつかの偶然に引き寄せられた「共時的出会い」から始まりましたが、震災から10年という節目に受賞したことも「意味のある偶然」のように思えます。あらためまして、私のもとを訪ねて来てくださった親子から、たくさんのことを学ばせていただいたことに感謝したいと思います。

遊戯療法の中で展開する「あそび」は、カウンセラーとの関係性の中で自己肯定感を高めたり、ことばにできない心の問題を現実から離れた小さな物語として象徴的に表現するのを手伝ったりします。また、「あそび」には、怖かった体験や気持ちを「ごっこ」の中で表現できるような「守り」の機能もあります。

初学者は、大学院等で遊戯療法から実践を始めることが多いと思います。私も本学の大学院で、実践を通して遊戯療法のいろはと「あそび」への寄り添い方を学びました。スクールカウンセラーを始めて20年以上になりますが、今も子どもたちが展開する「あそび」に毎回わくわく、どきどきしています。そして、少しずつ、子どもたちの回復力や成長を手助けする「あそび」の治癒力を感じられるようになりました。とくに、災害などの影響を受けた子どもたちの心の回復に遊戯療法を活用した支援が貢献できることを実感しています。

【論文】
内藤裕子. (2014). 津波で被災した女児との遊戯療法: 喪失体験からの回復過程. 遊戯療法学研究, 13(1), 43-52.

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