2023/11/09 教育学科

鍛代教授、文楽[人形浄瑠璃]『双蝶々曲輪日記』の解説文を執筆

文楽11月公演ポスター

教育学科の鍛代(きたい)敏雄教授(日本中世史)が、大阪の国立文楽劇場11月公演(11月4日~26日)で上演される文楽[人形浄瑠璃]「八幡里(やわたのさと)引窓(ひきまど)の段」の歴史背景について、公演用解説書(パンフレット、約6000部発行)に執筆しました。

二世竹田出雲、三好松落、並木千柳(宗輔)らの合作『双蝶々(ふたつちょうちょう)曲輪(くるわ)日記』の「八幡里引窓の段」(通称「引窓」)は、世話浄瑠璃として人気を博しています。初演は人形浄瑠璃で、寛延2年(1749)7月24日、大坂道頓堀の竹本座でした。歌舞伎も同年8月と早く、京都の布袋屋梅之丞座(座本・嵐三右衛門)で、中山新九郎が演じる力士・濡髪(ぬれがみ)長五郎が大評判になったと伝えられています。

「引窓」の舞台は、鍛代教授が長年研究している石清水(いわしみず)八幡宮の神領境内・八幡(京都府八幡市)です。解説書では、殺生禁断の祭礼である石清水放生会の霊性(宗教意識)と境内都市のアジール(神聖不可侵な平和領域)性をモチーフとした演目であると、歴史学の立場から新しい解釈を提示しています。
江戸時代の放生会(『石清水放生会行列図』より)
江戸時代の放生会(『石清水放生会行列図』より)
現在の勅祭・石清水祭
現在の勅祭・石清水祭

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