2023/11/22 教育学科
教員インタビュー 長田徹教授(中等教育専攻担当)
今回は今年度の4月に着任した中等教育専攻担当の長田徹教授に教育学科の学生や教師を目指す高校生の皆さんへのメッセージをもらいました。長田教授は本学教育フォーラム2023の第2分科会で講演を行うことになっています。
---長田教授は現場の教師経験があるとのことですが、教師となったきっかけはありますか?
お恥ずかしい話ですが、教育実習がきっかけでした。それまでは、他の職業を考えていましたが、失敗だらけで苦しくも楽しかった母校での実習最終日に中学1年生に泣かれたのです。「先生には本当の先生になって帰ってきてほしい」と泣かれたのです。その日から食事の時間を忘れて教員採用試験に向けて勉強したことを覚えています。
学生の皆さんには、教育実習や教育実践活動などの現場での活動を大事にしてほしいものです。教師になるという志を確認し、自らの適性を見極める大切な時間になるはずです。
学生の皆さんには、教育実習や教育実践活動などの現場での活動を大事にしてほしいものです。教師になるという志を確認し、自らの適性を見極める大切な時間になるはずです。
---たくさんの行政経験をされたそうですが、そこから得られたものは何ですか?
教育委員会で指導主事を5年、文部科学省で複数の調査官や研究官を12年勤めました。学習指導要領等は法規としての性格を有しているため、一見硬い文章に見えますが、その背景には、児童生徒の姿やたくさんの人の教育への熱い思いがあるのです。現在も文部科学省の教科調査官を兼任させていただいていますので、そんな背景や全国の学校で実践されている好事例、最新の取組を学生の皆さんには情報提供していきます。
--これからの教師に求められることをどう考えていますか?
私は特別活動や探究的な学びを担当しています。キャリア教育(進路指導)や生徒指導も同じですが、教科書がないこの領域・分野では、指導する教師の意図や意識が教え子である児童生徒の変容に大きく影響します。言い換えれば、動画で視聴できる指導が上手な教師の授業実践をcopy and paste してもうまくはいかない領域・分野なのです。児童生徒に何を伝えたいのかという意図をちゃんと持っているか、なぜ教師になったかを繰り返し振り返る意識が大切になるのかと思います。
---学生には大学でどのようなことを学び、身に付けてほしいと思いますか?
多様な経験です。それは成功経験だけではありません。教師生活のほとんどは失敗と反省の繰り返し、その中に何とも言えない達成感が混在します。また、多くの児童生徒の失敗に本音で寄り添えるかどうかが大切になるかと思います。友人関係がうまくいかない児童と一緒に考えることができるか、定期考査で失敗を繰り返し悩む生徒に共感できるのか、将来や進路に不安を覚える生徒とどう語り合えるのか、人工知能(AI)ではできない人間的なつながりが持てるような糧をたくさん積んでほしいと思います。学内外問わず多様な経験を、失敗を恐れず積んでほしいと思います。
---教師を志望する高校生の皆さんへメッセージをお願いします。
教師は大変な仕事です。苦労は尽きません。ですが、この仕事でしか味わえない達成感や自己実現があるのも事実です。運動会(体育祭)や学芸会(文化祭や合唱コンクール)そして、卒業式に象徴されるようなこの仕事特有の達成感という“実”を収穫する季節があるのです。そして、数年間寄り添い、思いを通わせた世代の異なる児童生徒やその保護者との人間的なつながりは“生涯の宝物”となります。“教師になる”そんな志のある皆さんの入学を待っています。
---本学教育フォーラム2023(12月2日開催)第2分科会の講演はどのような内容となりますか?
学習指導要領前文を読む~「キャリア・パスポート」の展開~という演題でお話しさせていただきます。関心ある皆様のご来学をお待ちいたしております。
この記事に関するお問い合わせ
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