2017/06/01 保育士・幼稚園課程

2017年6月1日 3年生保育実習指導Ⅱ

2017年6月1日 3年生保育実習指導Ⅱ

今日の講義は、利根川先生による「保育の過程と記録」が主なテーマでした。

まず、保育の全体構造では、記録が重要な役割を担っているということを伺いました。どういうことかというと、みなさんPDCAサイクルというのはご存知ですよね。そう、Plan(計画)Do(実行) Check(評価) Action(改善)を繰り返すことですよね。保育の質を高めるにはこのサイクルは必要不可欠とも言えます。このサイクルを考えてみると、いずれにおいても記録というものは重要な役割を占めていることが見えてきますよね。僕は利根川先生が言った、「記録は子どもたちの日々の姿を文字化したもの」という言葉がとてもわかりやすくて、印象的でした。


では、この保育の記録や計画は何のためにあるのでしょうか?それは、子どもの発達の過程や、いまその子が何を学んでいて、どのようなことに興味・関心があるか等の子ども理解や、実践の内容を振り返って評価し、改善するなどして自分の学びにつなげるなどのことがあります。ここで、利根川先生から宿題がだされましたね。「私たちは子どもたちの何を見て本当に興味・関心を持って活動に臨んでいるのかを判断するのでしょうか?」という宿題でした。

これがわからなければ子どもたちの遊びなどにいつ介入したらいいのかわからないということでした。僕は悩みました。表情や態度から読み取れるというのはわかる…でも、どういった表情の時にどのような対応をすればいいのか…まだまだ保育の学びが足りないなと痛感しました。その後、利根川先生から長期計画と短期計画についてのお話がありました。みなさん長期計画と短期計画はもうわかっていますよね?そう、長期計画とは、年・期・月で分けられた指導計画、短期計画とは、日・週で分けられた指導計画のことを指します。これらはPDCAサイクルのPlan(計画)であり、子どもの生活実態・姿(現実)から計画化するのです。


次は評価と反省についてです。「慣れ親しむこと」=子どもが寄って来てくれる、、、ではありません。いつも寄って来てくれる子の名前ばかりが日誌に出てくるようで、本当に子どもたちのことをよく見れているのでしょうか。評価・反省については、いかにクラス全体に心配りができているかが重要なポイントになってきます。内容が複雑になるわけですね。そしてここまで記録について書いてきましたが、記録を書くにあたり保育者には、5つの能力が必要になってきます。それは、必要な情報を一定期間、記憶しておくことができる情報記銘力、子どもたちの思いや願い、言動などを読み取る情報収集能力、情報を取り入れただけで終わらすことのない情報の重要性の判断能力、収集した情報を他の人に伝えられる等の情報の表現能力、記録を書いた後に間違いはないか、漏れはないかを確認する記録確認能力の5つを指します。これらの能力を身につけることで、何を見よう、そして何を理解しようとしているのかが保育者自身明確になり、それまで見えなかった子どもの姿や内面が見えるようになるのです。
 
 ここで1つ、講義で出た事例を紹介したいと思います。事例:2歳児の記録で、「なおちゃんは、友達が持っているものに目を留めると、いつも取る。なかなか、言葉のやり取りができない。」というものがありました。ここで保育者は、「なおちゃんはこの頃お友達が遊んでいることや遊んでいる物に興味を持っている様子だ」と感じ、「なおちゃんも、○○くんと同じことがしたかったの?」という言葉がけを考えました。このことから、なおちゃんは自分の行為の意味を自覚し、言葉を使うようになるということを保育者は期待していると予測できます。この保育者の行為から、子どもの思いを受け止め、行為の意味を言葉に置き換えてやりとりする、見えない保育の営みが読み取れます。
最後に、記録の方法についてお話がありました。まず大原則として、保育の記録は公的な文書であり、メモではありません。そして当たり前のことですが、原則的にペン書きであり、修正液等の使用は認められません。これは記録の改ざんにあたります。こういったことはみなさんはこれまでの講義で学んできているはずなので、ここで再び深く説明する必要はありませんよね?ぼぼ、ぼ、ぼくはもうそれくらいわかりますけどね。

みなさん今日の利根川先生のお話をしっかり振り返って、改めて気を引き締めましょう。

記事担当者:宮川真大