2017/11/30 保育士・幼稚園課程
2017年11月30日 3年生保育実習指導Ⅱ
2017年11月30日 3年生保育実習指導Ⅱ
今回は「保育の就活」と題し、ミシュランプロジェクトの先輩方が講義してくださいました。
まずは、【前回の振り返り】から、次にフェーズ1~4の丁寧な説明をしていただきました。その中で、特に重要であると先輩方が分析したものを丁寧に、深く教えてくださいました。恐縮ながらまとめさせていただいたものを記事にさせていただきます。
今日の講義の大きなポイントは①保育参画に向かう姿勢の基本②環境構成③保育者と子どもの関わり④保育参画で保育の質に迫るために、でした。
また、先輩方が何度も何度も繰り返していたキーワードは「保育の質」「問いの姿勢」でした。そして、たくさんの素晴らしい保育の質を見る視点をとても、具体的に解説してくださいましたね。先輩の実体験から語られる言葉に非常に重みを感じました。以下は、講義の内容をさらに詳しくしたものです。
【フェーズⅠについて】
保育就活ガイドライン2016によれば、フェーズⅠでのアプローチは、すべて就活に生かせる。また、実際に行動を起こすことで、不確かな情報を確実にできるそうです。
具体的な方法は、
① 良好な職場で働いていそうな先輩を探します。
② 実際に面会し、話を聞かせていただきます。
③ 職場の実際を確認し、先輩の体験談を聞きます。
というものでした。
【フェーズⅡについて】
「せっかく現場へ行くならば、意味のある参画にしてほしい保育の質に迫る保育参画にしてほしい。」という先輩のお言葉がありました。そのための準備として①1日より3日、一週間②問いの姿勢を持つ③学びのテーマを持つことが大切だそうです。
また、質に迫る保育参画にするために問いの姿勢を持つことが大事ということは、つまり、よく観察し問いをもつ、聞くことで、目には見えないねらいや意図を知ることができるということです。また、問いの姿勢を持つにあたり、特に大切だと先輩が熱弁してくださったのが環境構成の視点です。つまり、【・子どもの姿・保育者の姿・保育者と子どもの関わり・子ども同士の関わり】などを、みるということです。
さらに、イメージを膨らませるため、「保育参画へ行って、何を見ますか」という質問に対して、モノローグを行いました。事例に基づいてモノローグにおける考えられるアプローチⅠ、Ⅱ、Ⅲまとめです。
⑴ A・Bを誘う(子どもの主体性は△)
⑵ 保育者が買いに行く(保育者自身が人的環境になります)
⑶ ABと相談しながらお店らしく環境を構成する(目で見て伝わる、楽しさを感じる・メッセージを持つことができます。)
⑷ 子どもが帰った後で環境構成を行う(子どもの姿の展開を予想し、願いを込めて行う、
未来への環境構成です。)
次に環境構成アプローチのポイントです。
・不確実であるということを前提とする。
・可能性を残して提案をする。
・子ども自身が手ごたえを感じるように構成をする。
次に、保育参画における環境構成においての具体的な視点です。
【保育参画で見えるもの】
〇保育士の立ち位置
〇清潔・安全
〇子どもが選択できる遊びがあるか・ないか
【見えないもの】つまり、意図・ねらいのことを示します。意図やねらいも、観察と問いを通じて読み取っていきましょう。
次に、環境構成をみるステップです。
ステップ1:問いを持つ。
なんでその遊び・広さ・物なのか・この場所なのかと、ひとつひとつに問いを持ちましょう。
ステップ2:どんどん聞いていく、見えない部分を知る。
・子どもの姿を継続的にとらえて考える
・発達の視点から考える
・子どもの興味・関心はどうか
・遊びが続くようにするためにはどのようにするとよいか
等、一つの遊びにもこんなにも、多くのねらいや意図があるのです。
ステップ3:意図を知ったうえで、子どもの姿を見る。
ねらいにそって、子どものイメージが膨らんでいきます。ねらいや意図を超えて遊びが発展していることを、保育参画を重ねた先輩は思ったそうです。環境構成にはひとつひとつねらいがあります。たとえば、(先輩の体験談によると)
〇絵本棚は、数ではない。表紙が見えるように配置していた。
〇棚の配置は、あえて閉塞的な空間を作って気持ちを落ち着けるにしていた。
などがあったそうです。
環境構成を見る・評価するときに、保育の質も見えてきます。なんとなくやっているのか、意図があるのか、ということを見極めることが必要です。そうすることで、
・保育者が遊びを的確にとらえているか
・子どもの姿に合わせて遊びを考えられているか
・子どもの発達を理解しているのか、などがみえてきます。
そして、環境構成の視点のまとめとして、問いの姿勢と連続的、継続的な姿勢をもつことが、大切だと教えていただきました。また、「環境には言葉かある。聞こうとするからこそ聴こえてくる」と、先輩方から深いお言葉をもらいました。
まずは、【前回の振り返り】から、次にフェーズ1~4の丁寧な説明をしていただきました。その中で、特に重要であると先輩方が分析したものを丁寧に、深く教えてくださいました。恐縮ながらまとめさせていただいたものを記事にさせていただきます。
今日の講義の大きなポイントは①保育参画に向かう姿勢の基本②環境構成③保育者と子どもの関わり④保育参画で保育の質に迫るために、でした。
また、先輩方が何度も何度も繰り返していたキーワードは「保育の質」「問いの姿勢」でした。そして、たくさんの素晴らしい保育の質を見る視点をとても、具体的に解説してくださいましたね。先輩の実体験から語られる言葉に非常に重みを感じました。以下は、講義の内容をさらに詳しくしたものです。
【フェーズⅠについて】
保育就活ガイドライン2016によれば、フェーズⅠでのアプローチは、すべて就活に生かせる。また、実際に行動を起こすことで、不確かな情報を確実にできるそうです。
具体的な方法は、
① 良好な職場で働いていそうな先輩を探します。
② 実際に面会し、話を聞かせていただきます。
③ 職場の実際を確認し、先輩の体験談を聞きます。
というものでした。
【フェーズⅡについて】
「せっかく現場へ行くならば、意味のある参画にしてほしい保育の質に迫る保育参画にしてほしい。」という先輩のお言葉がありました。そのための準備として①1日より3日、一週間②問いの姿勢を持つ③学びのテーマを持つことが大切だそうです。
また、質に迫る保育参画にするために問いの姿勢を持つことが大事ということは、つまり、よく観察し問いをもつ、聞くことで、目には見えないねらいや意図を知ることができるということです。また、問いの姿勢を持つにあたり、特に大切だと先輩が熱弁してくださったのが環境構成の視点です。つまり、【・子どもの姿・保育者の姿・保育者と子どもの関わり・子ども同士の関わり】などを、みるということです。
さらに、イメージを膨らませるため、「保育参画へ行って、何を見ますか」という質問に対して、モノローグを行いました。事例に基づいてモノローグにおける考えられるアプローチⅠ、Ⅱ、Ⅲまとめです。
⑴ A・Bを誘う(子どもの主体性は△)
⑵ 保育者が買いに行く(保育者自身が人的環境になります)
⑶ ABと相談しながらお店らしく環境を構成する(目で見て伝わる、楽しさを感じる・メッセージを持つことができます。)
⑷ 子どもが帰った後で環境構成を行う(子どもの姿の展開を予想し、願いを込めて行う、
未来への環境構成です。)
次に環境構成アプローチのポイントです。
・不確実であるということを前提とする。
・可能性を残して提案をする。
・子ども自身が手ごたえを感じるように構成をする。
次に、保育参画における環境構成においての具体的な視点です。
【保育参画で見えるもの】
〇保育士の立ち位置
〇清潔・安全
〇子どもが選択できる遊びがあるか・ないか
【見えないもの】つまり、意図・ねらいのことを示します。意図やねらいも、観察と問いを通じて読み取っていきましょう。
次に、環境構成をみるステップです。
ステップ1:問いを持つ。
なんでその遊び・広さ・物なのか・この場所なのかと、ひとつひとつに問いを持ちましょう。
ステップ2:どんどん聞いていく、見えない部分を知る。
・子どもの姿を継続的にとらえて考える
・発達の視点から考える
・子どもの興味・関心はどうか
・遊びが続くようにするためにはどのようにするとよいか
等、一つの遊びにもこんなにも、多くのねらいや意図があるのです。
ステップ3:意図を知ったうえで、子どもの姿を見る。
ねらいにそって、子どものイメージが膨らんでいきます。ねらいや意図を超えて遊びが発展していることを、保育参画を重ねた先輩は思ったそうです。環境構成にはひとつひとつねらいがあります。たとえば、(先輩の体験談によると)
〇絵本棚は、数ではない。表紙が見えるように配置していた。
〇棚の配置は、あえて閉塞的な空間を作って気持ちを落ち着けるにしていた。
などがあったそうです。
環境構成を見る・評価するときに、保育の質も見えてきます。なんとなくやっているのか、意図があるのか、ということを見極めることが必要です。そうすることで、
・保育者が遊びを的確にとらえているか
・子どもの姿に合わせて遊びを考えられているか
・子どもの発達を理解しているのか、などがみえてきます。
そして、環境構成の視点のまとめとして、問いの姿勢と連続的、継続的な姿勢をもつことが、大切だと教えていただきました。また、「環境には言葉かある。聞こうとするからこそ聴こえてくる」と、先輩方から深いお言葉をもらいました。
次に、保育の質を見極める視点についてです。見極める視点として、保育者と子どもの関わりを見ることが必要なのだそうです。
みんなで事例から考えました。【事例「ぜったい着替えない」】
事例検討のまとめ
〇問いの視点
・一見子どもの気持ちに共感しているように見えるが適切であるのか。
・受け止めたことが子どもに届いているのかどうか。
〇事例の考察
・こうしたい(大人の都合)気持ちと受け止めたい気持ちの葛藤
・自分がもし子どもの立場ならばどうか。
・先生は○○と思うなぁという視点がある。(信頼関係があるからこそ通じる気持ちがある)
・「上手」等の抽象的な言葉ではなく、具体的にどこがどのようによかったかを伝えているか。
・結果ではなく、プロセスを認め、伝えているか。
・褒める言葉を、子どもを動かす道具として使っていないか。
・子どもをただしかるのではなく、なぜそのような行動をしたのかを考えているか。
・子どもの今の発達状況だけを捉えて子どもを決めつけていないか。
・マイナスに見える行動をプラスに捉えているか。
・子どもの可能性を信じているか。
等があげられました。本当に詳しく解説していただきました。
これらの考えにいたるためには、やはり問いの姿勢を持つことが必要だと、先輩は語ってくださいました。先輩方は「問いの姿勢を持つことで、保育の質に迫ることができるため、なんとなく納得する前に、どうしてなのか、と一度立ち止まって見ることが大事」とおっしゃいました。例えば、ある一つの子どもとの関わりにしても、意図があって介入していないのか、それともほったらかしているのかという両面から考えることが重要なのです。
次は、重要なポイント三つ目である学びのテーマを明確にすることの説明をしていただきました。一度だけの見学ではなく継続的に園を見ることが重要だとおっしゃっていました。
1「何を学びたくて、何を見たくて保育参画をするのかを明確にする」
2 保育参画の日程の組み方を考える
① 保育参画の期間について
継続的に、学びのテーマを掘り下げていくことで、保育の質に迫ることができる。
② 入りたいクラスや年齢を明確にし、お願いをする
各年齢で見ることができる姿、どういう時期の、どのような姿が見たいのかを明確にしておく。
③ 多様な保育を知ること
先輩が示してくださったこの図を覚えていますでしょうか。(文章下写真①参照)
縦軸で、一つの園の質を掘り下げ、横軸で同じ視点・テーマでほかの園と比較をします。この図を意識することで、自分の園を見る目が培われていくそうです。また、現場で得た学びを対話し、理論に立ち返ることで深め、また現場へ向かうというサイクルを行うことが、質の高い保育を探すことに繋がります。そして、まとめとして先輩のお言葉です。「就活どうしよう、いっぱい園を見ないといけない、ではなく、本物の保育を見抜ける眼を養ってほしい。そのためにまずは、準備をしっかりして臨むことが大切です」
また、追加資料として、環境構成と子どもとの関わり以外にも、園を見る視点について、講義の終盤でお話がありました。具体的内容は、こちらになります。
〇園長先生に注目する
〇人間関係はどうか?
〇保育者同士の会話
〇会議
〇研修
〇ボランティア学生に対して
〇電話の対応
そして先輩の体験談、これまでのTFU保育士・幼稚園課程としての学生生活で感じたことは、「保育の就活は勉強である」ということです。先輩方が熱く私たちに伝えてくださいました。今回の講義のデータは自分のこれからの保育に関わる超重要なものであったと皆さん感じられましたでしょうか。私は大変感動しましたので、データをユニパからダウンロードしました。保育参画前に必ず読もうと思っています。みなさんもぜひダウンロードしてみてはいかがでしょうか。講義のまとめにおいては、以上です。
みんなで事例から考えました。【事例「ぜったい着替えない」】
事例検討のまとめ
〇問いの視点
・一見子どもの気持ちに共感しているように見えるが適切であるのか。
・受け止めたことが子どもに届いているのかどうか。
〇事例の考察
・こうしたい(大人の都合)気持ちと受け止めたい気持ちの葛藤
・自分がもし子どもの立場ならばどうか。
・先生は○○と思うなぁという視点がある。(信頼関係があるからこそ通じる気持ちがある)
・「上手」等の抽象的な言葉ではなく、具体的にどこがどのようによかったかを伝えているか。
・結果ではなく、プロセスを認め、伝えているか。
・褒める言葉を、子どもを動かす道具として使っていないか。
・子どもをただしかるのではなく、なぜそのような行動をしたのかを考えているか。
・子どもの今の発達状況だけを捉えて子どもを決めつけていないか。
・マイナスに見える行動をプラスに捉えているか。
・子どもの可能性を信じているか。
等があげられました。本当に詳しく解説していただきました。
これらの考えにいたるためには、やはり問いの姿勢を持つことが必要だと、先輩は語ってくださいました。先輩方は「問いの姿勢を持つことで、保育の質に迫ることができるため、なんとなく納得する前に、どうしてなのか、と一度立ち止まって見ることが大事」とおっしゃいました。例えば、ある一つの子どもとの関わりにしても、意図があって介入していないのか、それともほったらかしているのかという両面から考えることが重要なのです。
次は、重要なポイント三つ目である学びのテーマを明確にすることの説明をしていただきました。一度だけの見学ではなく継続的に園を見ることが重要だとおっしゃっていました。
1「何を学びたくて、何を見たくて保育参画をするのかを明確にする」
2 保育参画の日程の組み方を考える
① 保育参画の期間について
継続的に、学びのテーマを掘り下げていくことで、保育の質に迫ることができる。
② 入りたいクラスや年齢を明確にし、お願いをする
各年齢で見ることができる姿、どういう時期の、どのような姿が見たいのかを明確にしておく。
③ 多様な保育を知ること
先輩が示してくださったこの図を覚えていますでしょうか。(文章下写真①参照)
縦軸で、一つの園の質を掘り下げ、横軸で同じ視点・テーマでほかの園と比較をします。この図を意識することで、自分の園を見る目が培われていくそうです。また、現場で得た学びを対話し、理論に立ち返ることで深め、また現場へ向かうというサイクルを行うことが、質の高い保育を探すことに繋がります。そして、まとめとして先輩のお言葉です。「就活どうしよう、いっぱい園を見ないといけない、ではなく、本物の保育を見抜ける眼を養ってほしい。そのためにまずは、準備をしっかりして臨むことが大切です」
また、追加資料として、環境構成と子どもとの関わり以外にも、園を見る視点について、講義の終盤でお話がありました。具体的内容は、こちらになります。
〇園長先生に注目する
〇人間関係はどうか?
〇保育者同士の会話
〇会議
〇研修
〇ボランティア学生に対して
〇電話の対応
そして先輩の体験談、これまでのTFU保育士・幼稚園課程としての学生生活で感じたことは、「保育の就活は勉強である」ということです。先輩方が熱く私たちに伝えてくださいました。今回の講義のデータは自分のこれからの保育に関わる超重要なものであったと皆さん感じられましたでしょうか。私は大変感動しましたので、データをユニパからダウンロードしました。保育参画前に必ず読もうと思っています。みなさんもぜひダウンロードしてみてはいかがでしょうか。講義のまとめにおいては、以上です。
また、先輩方の講義の後に和田先生の総括がありました。
「理解、知識、言葉があり始めて確立する保育の理論。英知としての保育学は実践によって積み上げられてきた。それを実践で確かめる。これこそが、理論と実践の往還しかし、理論と実践で感じたものが個人的な解釈では合わないことがあるかもしれない、そこを、対話で埋めるのだ。」というお言葉をいただきました。そして、最後に和田先生がお話ししてくださった、『行学一如の精神』を大切にこれからも学んでまいりましょう。
記事担当者:岡田早希
「理解、知識、言葉があり始めて確立する保育の理論。英知としての保育学は実践によって積み上げられてきた。それを実践で確かめる。これこそが、理論と実践の往還しかし、理論と実践で感じたものが個人的な解釈では合わないことがあるかもしれない、そこを、対話で埋めるのだ。」というお言葉をいただきました。そして、最後に和田先生がお話ししてくださった、『行学一如の精神』を大切にこれからも学んでまいりましょう。
記事担当者:岡田早希