2021/10/14 保育士・幼稚園課程
保育実習指導Ⅱ
10月14日(木)6限の保育実習指導Ⅱは、保育所実習報告会が行われました。
今回は、4つのグループに分かれて、各ゼミごと事前に作成していた動画をグループ全体で拝見し、その後質疑応答の時間という流れでした。また、グループ1には社会福祉法人銀杏の会バンビの森保育園の副園長である壹岐美津子先生、グループ2には社会福祉法人青葉福祉会青葉保育園の園長である木村智子先生が参加され、外部の方をお招きしての貴重な発表会となりました。
講義の流れは以下の通りです。
全体会(青木一則先生より全体への流れの確認)
↓
各グループに分かれての発表
↓
終わり次第各グループごと解散
◎全体会
・発表のグループはカメラをオンにする。
・チャットに出席番号、名前を入力後各会場に移動する。
◎各グループごとの報告会
※ここからは、私が参加させていただいたグループ2の発表の内容を一部抜粋して紹介します。
〇利根川ゼミ 題名「気になるT君」
<発表内容>
T君の特徴)・・・①言葉で思いを伝えることよりも身振りや手振りで伝えることが多い。
②集団行動、座って待つことが苦手。
場面)・・・午睡の前の絵本を読んで待つ場面。T君は、走り回っていたため、実習生は「
T君はどうする?」と聞いてみる。すると、フロアに広がっていたごみや掃除用具、掃除をしている実習生に興味を持ち始める。実習生が「掃除してくれたんだね。きれいにしてくれてありがとう」と肯定的な言葉をかけると嬉しそうにしていた。
考察)・・・この事例後、自らモップを運んできたり、掃除を手伝おうとする姿が見られた。「掃除をする」「保育者の手伝いをする」「真似をする」どれがT君の行いたかったことなにかは分からない。だが、どこまで子どもの興味を受け入れていいのか、T君の気持ちが落ち着くからと毎回この手伝いを受け入れていいものなのか疑問を感じた。
<質疑応答>
Q.最後のまとめの部分で、この事例の数日後にモップを担当保育者とクラスまで運んできたことがあったそうだが、この事例の後T君にはどのような変化が見られたか?
A. Tくんはこれまで掃除に興味を持っていたわけではないのだが、この事例後Tくんは掃除を手伝いたいという気持ちから保育者の掃除を手伝おうとする姿が見られた。
➡「手伝ってくれてありがとう」という肯定的な声掛けがあったからこそ、そこに気持ちよさを感じ、Tくんの手伝いたいという気持ちが広がったのではないかと分析した。
<木村智子先生のコメント>
Tくんが走り回る姿を見たときに、普通なら畳で絵本を読むように促すことをしてしまうところだが、最初に「Tくんはどうしたい?」とTくんの思いを汲み取ろうとした言葉を投げかけたところは良かったのではないか。このように、子どもの気持ちを探りながら実習できたことはいい経験であったと思う。
また、Tくんの甘えをどこまで受け入れていいのかという疑問に対しては、掃除をすることがTくんの気持ちの切り替えになるのであれば受け入れつつ、他に気持ちを切り替えられる方法を模索していくことも一つなのではないか。
〇河合ゼミ 題名「どうしたらいいのかな?」
<発表内容>
B君の特徴)・・・友達が使っているおもちゃを取ろうとしてしまう気になる子。
場面)・・・A君がブロックで遊んでいたところに、B君がブロックを奪おうとする場面。保育者は、A君に「おもちゃを取られるのが嫌ならどうしたらいいかな?もう少し離れて遊んだらいいんじゃないかな?」と言葉をかけると、A君はB君から距離を置いて遊ぶようになる。
考察)・・・保育者はあらゆる場面で「どうしたらいいのかな?」などと子どもに問いかける言葉かけをする姿が多く見られ、子ども自身が考えて行動することができる工夫であると考える。また、他の友達と思いや考えを出し合って何かをやり遂げるという経験は、達成感や自信、自己肯定感に繋がると思う。
<感想>
学生①:4、5歳児が子ども同士でトラブルが起きたときに、保育者や実習生が最初から答えを言ってしまうのではなく、子どもが自分自身で考えられる機会を与えられるような言葉をかける場面を実際に実習でも経験した。
➡就学前ということもあり、子どもたちが集団の中で充実して生活できるよう、子ども同士で考える場面を大切にしたいと実習を通して感じた。
<木村智子先生のコメント>
Q.「どうしたらいい?」という保育者の問いかけへの答えで印象的だった言葉は何かありましたか?
A.子どもたち一人ひとりの答えを無視するようなことにならないように、保育者はその都度肯定的に受け止める言葉をかけていた。
➡子どもの考えを受け入れることで、子どもたちは「自分の考えを発信していいんだ!」という前向きな気持ちを持つことができる。また、思いがけない答えが子どもから帰ってくることがあり、それが保育者としての新たな気づきにもなり、そこが保育をしていて面白いと感じることでもある。
今回の保育所実習報告会は、実際に保育の現場で活躍されている先生方に参加していただき、現場での経験も交えながらコメントをしていただきました。普段の講義ではなかなか聞くことのできない貴重なお話もあり、学生の皆さんは多くの刺激を受けたことではないでしょうか。そして、オンラインでの実施ではありましたが、このように実習の経験を共有できる機会はそう多くはありません。
今回得られた気づきや学びをぜひ保育の現場で生かしていけたらいいですね!
今回は、4つのグループに分かれて、各ゼミごと事前に作成していた動画をグループ全体で拝見し、その後質疑応答の時間という流れでした。また、グループ1には社会福祉法人銀杏の会バンビの森保育園の副園長である壹岐美津子先生、グループ2には社会福祉法人青葉福祉会青葉保育園の園長である木村智子先生が参加され、外部の方をお招きしての貴重な発表会となりました。
講義の流れは以下の通りです。
全体会(青木一則先生より全体への流れの確認)
↓
各グループに分かれての発表
↓
終わり次第各グループごと解散
◎全体会
・発表のグループはカメラをオンにする。
・チャットに出席番号、名前を入力後各会場に移動する。
◎各グループごとの報告会
※ここからは、私が参加させていただいたグループ2の発表の内容を一部抜粋して紹介します。
〇利根川ゼミ 題名「気になるT君」
<発表内容>
T君の特徴)・・・①言葉で思いを伝えることよりも身振りや手振りで伝えることが多い。
②集団行動、座って待つことが苦手。
場面)・・・午睡の前の絵本を読んで待つ場面。T君は、走り回っていたため、実習生は「
T君はどうする?」と聞いてみる。すると、フロアに広がっていたごみや掃除用具、掃除をしている実習生に興味を持ち始める。実習生が「掃除してくれたんだね。きれいにしてくれてありがとう」と肯定的な言葉をかけると嬉しそうにしていた。
考察)・・・この事例後、自らモップを運んできたり、掃除を手伝おうとする姿が見られた。「掃除をする」「保育者の手伝いをする」「真似をする」どれがT君の行いたかったことなにかは分からない。だが、どこまで子どもの興味を受け入れていいのか、T君の気持ちが落ち着くからと毎回この手伝いを受け入れていいものなのか疑問を感じた。
<質疑応答>
Q.最後のまとめの部分で、この事例の数日後にモップを担当保育者とクラスまで運んできたことがあったそうだが、この事例の後T君にはどのような変化が見られたか?
A. Tくんはこれまで掃除に興味を持っていたわけではないのだが、この事例後Tくんは掃除を手伝いたいという気持ちから保育者の掃除を手伝おうとする姿が見られた。
➡「手伝ってくれてありがとう」という肯定的な声掛けがあったからこそ、そこに気持ちよさを感じ、Tくんの手伝いたいという気持ちが広がったのではないかと分析した。
<木村智子先生のコメント>
Tくんが走り回る姿を見たときに、普通なら畳で絵本を読むように促すことをしてしまうところだが、最初に「Tくんはどうしたい?」とTくんの思いを汲み取ろうとした言葉を投げかけたところは良かったのではないか。このように、子どもの気持ちを探りながら実習できたことはいい経験であったと思う。
また、Tくんの甘えをどこまで受け入れていいのかという疑問に対しては、掃除をすることがTくんの気持ちの切り替えになるのであれば受け入れつつ、他に気持ちを切り替えられる方法を模索していくことも一つなのではないか。
〇河合ゼミ 題名「どうしたらいいのかな?」
<発表内容>
B君の特徴)・・・友達が使っているおもちゃを取ろうとしてしまう気になる子。
場面)・・・A君がブロックで遊んでいたところに、B君がブロックを奪おうとする場面。保育者は、A君に「おもちゃを取られるのが嫌ならどうしたらいいかな?もう少し離れて遊んだらいいんじゃないかな?」と言葉をかけると、A君はB君から距離を置いて遊ぶようになる。
考察)・・・保育者はあらゆる場面で「どうしたらいいのかな?」などと子どもに問いかける言葉かけをする姿が多く見られ、子ども自身が考えて行動することができる工夫であると考える。また、他の友達と思いや考えを出し合って何かをやり遂げるという経験は、達成感や自信、自己肯定感に繋がると思う。
<感想>
学生①:4、5歳児が子ども同士でトラブルが起きたときに、保育者や実習生が最初から答えを言ってしまうのではなく、子どもが自分自身で考えられる機会を与えられるような言葉をかける場面を実際に実習でも経験した。
➡就学前ということもあり、子どもたちが集団の中で充実して生活できるよう、子ども同士で考える場面を大切にしたいと実習を通して感じた。
<木村智子先生のコメント>
Q.「どうしたらいい?」という保育者の問いかけへの答えで印象的だった言葉は何かありましたか?
A.子どもたち一人ひとりの答えを無視するようなことにならないように、保育者はその都度肯定的に受け止める言葉をかけていた。
➡子どもの考えを受け入れることで、子どもたちは「自分の考えを発信していいんだ!」という前向きな気持ちを持つことができる。また、思いがけない答えが子どもから帰ってくることがあり、それが保育者としての新たな気づきにもなり、そこが保育をしていて面白いと感じることでもある。
今回の保育所実習報告会は、実際に保育の現場で活躍されている先生方に参加していただき、現場での経験も交えながらコメントをしていただきました。普段の講義ではなかなか聞くことのできない貴重なお話もあり、学生の皆さんは多くの刺激を受けたことではないでしょうか。そして、オンラインでの実施ではありましたが、このように実習の経験を共有できる機会はそう多くはありません。
今回得られた気づきや学びをぜひ保育の現場で生かしていけたらいいですね!
記事担当:森麻尋