カナダ出身のグロス氏は、陶器など日本の文化に関心を持ち1970年に初来日、40年以上に渡り日本の民藝運動に関する映像や音声などを収集・保存してきました。79年に監督した映画「文楽 冥途の飛脚」は当時日本で上映されませんでしたが、デジタルリマスターされて2011年に国内初公開され、反響を呼びました。
民藝運動とは、柳宗悦らが中心となり、日本の庶民の暮らしの中で扱われてきた日用品に美を見いだし、世界にその価値を知らしめたものです。その民藝運動に参加したイギリス人陶芸家のバーナード・リーチから、1930年代に撮影された16ミリフィルムなどを託されたのが、グロス氏でした。
同氏は託されたフィルムのみならず、日本に眠る映像資料を掘り起こしながら、民藝運動を確かな記録として後世に残すためにフィルムを修復し、映像の縁者や関係者らのナレーションを吹き込みデジタル化していく「民藝運動フィルムアーカイブ」に取り組んでいます。