2022/07/08 教育学科
【研究報告】下山忍教授『文化財が語る日本の歴史』刊行
教育学科の下山忍教授が、會田康範氏、島村圭一氏とともに編集・執筆にあたった『文化財が語る日本の歴史』を雄山閣から刊行されました。同学科・浅川俊夫准教授も分担執筆しています。
現在、文化財をめぐって「保存」か「活用」かという議論も聞こえてきます。この異なる方向のベクトルを統一できないまでも、主に教育の視点から考えてみようとしたのが本書です。文化財を通して日本の歴史をどのように学ぶことができるのかという提案をしています。
本書で取り上げられている文化財は、貝塚・木簡・出土銭という「埋蔵文化財」、古文書古記録・板碑・社寺参詣曼荼羅・茶道具・アイヌ絵・雛人形という「有形文化財」、年中行事・富士塚・雛人形という「民俗文化財」、棚田という「文化的景観」と非常に多岐にわたっています。
また、「未文化財」というカテゴリーを設け、地形図・商店街・学校資料を扱っていることも大きな特徴でしょう。すなわち、これらのものは、現在文化財保護法が規定する文化財ではありませんが、同じように保存・活用すべき対象として捉えています。
文化財は、過去の人々の活動と思考に関する情報を無尽に内蔵しています。文化財から歴史を学び,楽しむヒントを見つけてもらえる1冊ではないでしょうか。
【下山教授担当】
・(有形文化財[板碑])「板碑を造立した人々の思いは何か」
・(有形文化財[アイヌ絵])「江戸幕府はなぜアイヌに種痘をしたのか」
・(終章)「学校教育で『文化財』はどう扱われてきたのか」
・(コラム)「鉈彫の仏像-神仏習合のかたち-」
・(コラム)「戦争碑から考える-モニュメントの史料化-」
【浅川准教授担当】
・(未文化財[地形図])「高度成長で国土はどう変わったか」
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