2021/07/05 医療経営管理学科
【教員インタビュー】水本匡起准教授
2021年に着任された、水本匡起准教授のインタビューです。
医療経営管理学科では、カリキュラム・ポリシー(学びの特色)の一つとして「地域の活動に積極的に参加し、地域活性化に主体的にかかわる」ことを掲げています。
特に、東日本大震災の被災県に立地する大学での学びとして、医療に携わるための専門的知識に加え、地域の防災・減災について主体的にかかわる人材育成をめざし、防災士資格の取得を奨励してきました。
水本先生は、「地域減災論」や「実践的防災学」などの授業やゼミを通して、地域の防災にかかわる教育を担当しています。
専門を教えて下さい
地形を使って活断層の動きを調べ、いつ、どこで、どのくらい大きな地震が起こるのかということを解明しています。そのような研究をしていたことから、「地形がどうやってできたのか?」という知識は持ち合わせていました。それを防災に応用するためにはどうしたらいいかと考えて、地域防災学を始めました。地域防災学では、地域の地形や生活知を盛り込むなど、地域の人たちにとって本当に役立つハザードマップを作ったり、水害などの自然災害から命を守る方法を考えたりしています。
活断層は直下で巨大地震を起こします。活断層が動くと阪神淡路大震災とか熊本地震のように街が壊滅的になるような地震を起こすのですが、それが3,000年に1回なのか、5,000年に1回なのか、どれくらいの間隔で動いているのかを知りたかった。例えば3,000年前に活断層が動いて巨大地震を起こしていると、その痕跡が断層崖という崖として残ります。その崖の高さや形を調べると過去の地震が分かるんです。数学とかあまり難しいことを使わず、地形の形を見ることで分かる。変動地形学という非常に面白い分野です。
最近ですと、東日本と西日本を分ける「糸魚川—静岡構造線活断層帯」の南側に位置する「南部フォッサマグナ」エリアに、新たな活断層「身延断層」を発見しました。2017年に政府によって「日本の主要活断層帯」に認定されましたが、この発見により糸魚川—静岡構造線活断層帯と南海トラフを構成するプレート境界が連続している可能性も示唆され、海陸をまたぐ地震分野の研究に貢献する結果を得ました。防災分野では、地域の歴史・民俗・文化を分析し、地域特有の自然との関わり合いの中に、真の地域防災が存在していることを指摘しています。今後も事例を積み重ねて、新たな地域防災の仕組みづくりに関する研究を推進していく予定です。
東北福祉大学では、2021年4月の着任前から「防災士養成講座」の講師を担当させていただいていました。ハザードマップの講師を担当してくださいと言われ、地形学の観点から色々なハザードマップを見てみましたが、コンピューターのシミュレーションで作成されたものがほとんどで、自然災害の実態と合っていないことがわかりました。そこで立体的に地域の地形を見られる地図をつくって、将来起こり得る自然災害を分かりやすく提示することにしました。釜石、宮古、気仙沼など、東北地方のいろいろなところを回りましたが、その都度、その地域の地形がわかるスライドを何枚も作り解説してきました。大変ではありましたが、苦労の甲斐あってどの地域でお話をしても皆さん真剣に話を聞いてくださり、非常にやりがいを感じつつ、地形の知識ってやっぱり大事なんだ、と思いました。
活断層の研究を始めたのはどうして?
活断層は直下で巨大地震を起こします。活断層が動くと阪神淡路大震災とか熊本地震のように街が壊滅的になるような地震を起こすのですが、それが3,000年に1回なのか、5,000年に1回なのか、どれくらいの間隔で動いているのかを知りたかった。例えば3,000年前に活断層が動いて巨大地震を起こしていると、その痕跡が断層崖という崖として残ります。その崖の高さや形を調べると過去の地震が分かるんです。数学とかあまり難しいことを使わず、地形の形を見ることで分かる。変動地形学という非常に面白い分野です。
分野での研究成果は
最近ですと、東日本と西日本を分ける「糸魚川—静岡構造線活断層帯」の南側に位置する「南部フォッサマグナ」エリアに、新たな活断層「身延断層」を発見しました。2017年に政府によって「日本の主要活断層帯」に認定されましたが、この発見により糸魚川—静岡構造線活断層帯と南海トラフを構成するプレート境界が連続している可能性も示唆され、海陸をまたぐ地震分野の研究に貢献する結果を得ました。防災分野では、地域の歴史・民俗・文化を分析し、地域特有の自然との関わり合いの中に、真の地域防災が存在していることを指摘しています。今後も事例を積み重ねて、新たな地域防災の仕組みづくりに関する研究を推進していく予定です。
本学との関係はいつから
東北福祉大学では、2021年4月の着任前から「防災士養成講座」の講師を担当させていただいていました。ハザードマップの講師を担当してくださいと言われ、地形学の観点から色々なハザードマップを見てみましたが、コンピューターのシミュレーションで作成されたものがほとんどで、自然災害の実態と合っていないことがわかりました。そこで立体的に地域の地形を見られる地図をつくって、将来起こり得る自然災害を分かりやすく提示することにしました。釜石、宮古、気仙沼など、東北地方のいろいろなところを回りましたが、その都度、その地域の地形がわかるスライドを何枚も作り解説してきました。大変ではありましたが、苦労の甲斐あってどの地域でお話をしても皆さん真剣に話を聞いてくださり、非常にやりがいを感じつつ、地形の知識ってやっぱり大事なんだ、と思いました。授業では「災害概論」を担当していますが
自然災害の半分以上は、実は地形と関係があリます。よって、自然災害とはなんぞや?という前に、地形とはなんぞや?という地形の成り立ちに関する知識が必要なわけです。例えば国見キャンパスは正門から坂道があって、造成した平らな土地に作った場所に見えますが、元々台地なんです。広瀬川が作った台地で、数万年以上前にこの場所を広瀬川が流れて、平らな土地を作ったんです。そして、出来てから数万年以上も経っている台地なので、国見キャンパスの地盤が安定していることもわかります。よって、災害概論では3Dで地形を見て、まずはみなさんに地形について興味を持ってもらおう、というところから始めています。
医療経営管理学科では救急救命士も含め医療や福祉に携わる人材育成をしていますが、地形や自然災害に関する知識を持っていれば、将来必ず役に立つと思います。ある自治体で堤防が破堤したのにも関わらず、下流にある市役所に消防などすべての対策本部を置いてしまい、助ける立場が水浸しになってしまったことがあります。地形の知識さえあれば、そこが水浸しになることは容易に想像できます。幅広い知識を持って命を守れるような人材育成についての役割を果たしたいな、と思っています。
医療経営管理学科では救急救命士も含め医療や福祉に携わる人材育成をしていますが、地形や自然災害に関する知識を持っていれば、将来必ず役に立つと思います。ある自治体で堤防が破堤したのにも関わらず、下流にある市役所に消防などすべての対策本部を置いてしまい、助ける立場が水浸しになってしまったことがあります。地形の知識さえあれば、そこが水浸しになることは容易に想像できます。幅広い知識を持って命を守れるような人材育成についての役割を果たしたいな、と思っています。
学生へのメッセージ
まずは夢を持って、夢に向かって、時には息抜きしながら、本気で最大限の努力をしてください。そして夢を叶えて、周りの人を笑顔にできるような、そんな人生を歩んでいってほしいと思っています。これからみなさんが長い人生を生きていく中で、一番大切になるのは「多様性を認めることのできる優しさ」です。学問を通じて得られる「本当の優しさ」とは何か、東北福祉大学での学生生活を通して、たくさん学んでたくさん考えて、自分なりの答えを見いだしてください。学問を通じて得た大切なものは、どんな分野に進んでも、かけがえのない貴重な財産になります。なぜならば、それがあなたの個性であり、オリジナリティの源になるからです。本気の授業やゼミを通して、一緒に仲良く楽しく、いろいろなことを探求していきましょう。あなたの夢を叶えるために、全力でお手伝いできれば、と思っています。
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- 住所:〒981-8522 宮城県仙台市青葉区国見1−8−1
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- E-Mail:kyomu@tfu.ac.jp