2021/07/20 医療経営管理学科

【教員インタビュー】冲永壯治教授インタビュー

2020年に着任された、冲永壯治先生のインタビューです。

専門を教えて下さい

冲永先生の研究室
冲永先生の研究室
内科系です。内科の中では老年医学、呼吸器病学が専門です。高齢者を対象としています。

それからもう一つ、(2011年の)東日本大震災のときに気仙沼市立病院に勤めていて、津波が来て、災害医療を経験しました。それ以来、災害医療、特に高齢者を対象とした災害医療を研究してきました。

大規模災害が起こると、犠牲者が出るのですが、その内訳は圧倒的に高齢者が多いのです。弱い人が最初に犠牲になってしまう。

大規模災害時に、まず人々は避難所に行きます。避難所の、すし詰め状況の劣悪な環境に住まなければならなくなるわけです。そういう中で高齢者が体調を崩してしまいます。また、避難所の後に仮設住宅に入りますよね。仮設住宅に入った後も、高齢者が体調を崩すんです。避難所を出た後の状況についても、調査をしました。今後はさらに、仮設住宅を出た後の、災害公営住宅での高齢者の状況についても、調べていきたいと考えています。

震災直後の病院の様子は?

東日本大震災後の気仙沼の様子
気仙沼市立病院はギリギリ大丈夫だったのですが、病院の周囲の状況がひどかったので救急車の活動もかなり制限されていました。 厳しかったのは電源の供給が絶たれたこと。当時は(1995年の)阪神淡路大震災から、地震に関する災害医療の体制というのは、ある程度わかっていたんですが、津波に対しては、何が起こるのかわかっていなかったんです。何をしたらよいかわからない状況で、起こった問題に対してその都度対処していく状態でしたね。

我々は当初、地震災害のように、多数のけが人が出ることを予想したのですが、受傷者はほとんどいない。溺死なのです。水に浸かって低体温になってしまった、という方々もいらっしゃいました。
ですから津波の場合は、阪神淡路の地震災害のように、直後から多数のけが人が押し寄せてくるというよりも、時間が経ってからのほうが大変でした。

避難所には着の身着のまま逃げてくるので、薬も持っていません。極端な場合、インスリンのように日々欠かすことのできない薬を必要としている方々が、突然それがストップになってしまうんです。超高齢社会は医療的なサポートがあって成り立っているんですが、大規模災害が起こると、サポートのはしごを外された状態になってしまいます。また亡くなった方を見ると、圧倒的に高齢者が多いんです。大規模災害時に高齢者をどのように守るか、ということを考えなければいけないんですね。

 

担当科目について教えて下さい。

研究室の書架の前で
研究室の書架の前で
「医学一般Ⅱ・Ⅲ」、「臨床医学各論Ⅰ・Ⅴ・Ⅷ」、「医療概論」、「衛生学」、「リエゾンゼミⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を担当しています。専門は呼吸器なので、「臨床医学各論」の呼吸器のところは症例をあげたり、自分の体験を通じて話ができると思います。
また老年医学という分野が専門なので、高齢化の時代に必要なことを講義の中でお話できると思います。例えばキーワードとしては「多職種連携」。高齢者は病気だけを診ていても良くならず、多角的に見る必要があります。医療だけじゃなく、福祉職などと連携する必要があるのですが、そのような高齢者医療のキーワードとなる事柄を、医療系の講義を通じて教えられると思っています。
医療事務の方が接する患者さんのなかには、多くの高齢者がいます。また救急救命士も、救急の現場では対応するのは高齢者が多いです。高齢者にどのように対応しなければならないのか、それは、若い人や壮年期の人と全然違います。高齢者は多病(一人の高齢者が複数の病気を持っている状態)です。眼科的、皮膚科的、泌尿器科的なものや認知症など、高齢者について学ぶことの重要性を、授業を通じてわかってもらえるといいと思います。

学生へのメッセージ

リエゾンゼミⅠでゼミの学生と面談中
リエゾンゼミⅠでゼミの学生と面談中
自分の学生時代のことを考えると、大学時代は人生の中で非常にいい時代であると思います。
つまり、学生は大人ですが、大人であるにも関わらず、自由度が高くいろいろなことにチャレンジできる期間であると思うんですね。そういう意味で4年間は貴重だと思うんです。4年間を有効活用する。そのためには計画性、4年間で何ができるのか、何をしようかということを考えることが必要だと思うんですね。
もちろん学問をしなければいけないと思うのですが、ただ授業に出席しているだけではなく、4年間をどう過ごしていくのか、そういうことを考えつつ過ごすのが良いのではないでしょうか。あっという間の4年間なので、ボーッしているとあっという間に過ぎてしまいます。
今の世の中だと、情報ソースとしてスマホを見ることが多いと思いますが、やはり文章を読むこと、本を読むことがおすすめです。あまり本を読まない人でも、たとえば新聞を読むことがおすすめです。社会に出ると、文章を理解する力、文書を書く力が試される機会が否応にも訪れます。その人となりがわかってしまう、怖い部分があるんですね。いい本をたくさん読んで、書く力を高めることですね。このことはいろいろな能力に波及していきますので、そういった習慣をぜひ日常の生活の中に取り入れて下さい。

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