2026/04/17 社会福祉学科
【新刊紹介】清水冬樹准教授が分担執筆した書籍『Holistic Well-being and the Empowerment of Children and Women』が刊行されました
2026年3月、日本とフィンランドの研究者による共著書『Reconsidering the Well-being and Empowerment of Children, Women, and Families』が学文社から刊行されました。本書は、両国の議論を通じて、子どもや女性の「包括的な幸福(ウェルビーイング)」と、自らの力で歩む「エンパワーメント」を理論と実践の両面から探求するものです。
清水先生は、第6章で東日本大震災後の中高生支援「子どもの居場所」の実践に関して執筆されました。本稿では、日本の児童福祉が新自由主義の影響下に置かれていることが災害支援に決定的な課題をもたらしていることが論じられています。
具体的には、災害時における子どもの居場所の役割をデータから可視化する一方、新自由主義的な福祉観が被災による困難の解決を社会構造への働きかけではなく自助・共助に求めてきた経緯が示されています。
その結果、震災支援においても「短期的なプログラム」や「個人の行動変容」への偏重が生じ、住まいや家族の失業といった生活基盤の崩壊という構造的課題が放置されてきたことが指摘されています。
結びでは、子どもを単なる支援対象としてではなく権利の主体として認める「参加」と、生活の継続性を保障する「永続性(パーマネンシー)」を軸とした、包括的な支援体制への転換が強く提言されています。
本稿は全文英語で執筆されていますが、災害支援と子どもの権利に関心をお持ちの方にはぜひ手に取っていただきたいです。
学文社の紹介ページ
https://www.gakubunsha.com/book/b675025.html

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