2022/08/01 社会福祉学科
後藤美恵子ゼミの紹介
ゼミのテーマ・特色
- 人間にとっての「豊かさ」をテーマとして、社会との関係からどのような影響を受け、「豊かさ」を決定しているのか、ライフステージから多角的に考察します。わが国は世界一の長寿国、長い人生を獲得した現代社会において、豊かな人生を創造するための課題を要因分析し、具体策まで一連のメソッドを修得します。
- 自分たちを取り巻く社会に意識を向け、研究展開することによって、人間的な思考の幅や物事の捉え方に広がりを持ち、人にとっての「豊かさ」の本質を涵養します。
活動内容
- ライフステージ毎にそれぞれの興味関心にそって社会調査し、課題のテーマ設定をします。研究展開のプロセスは、ステージ1「課題抽出」社会調査によって問題意識を発生。ステージ2「研究展開」概念定義(法制度含む)の理解、原因・背景、実態調査(統計、実践事例、フィールドワーク)、具体策(政策レベル&自分が実践可能なレベル)を体系的に整理。ステージ3「研究発表」研究発表は学生が企画運営し、創造的なディスカッションを通して、自他を尊重しながら主体的に発信するメソッドを修得します。
- 3年次の高齢期の研究ステージでは、「認知症施策」について、矢吹ゼミと合同セッションの場を設けています。矢吹ゼミのテーマは、認知症まちづくりとし、後藤美恵子ゼミとは異なるテーマから、共通の研究課題へのアプローチによる相乗効果によって思考を深化させています。本学では、2014年より仙台市と「認知症施策推進に関する連携協定」を締結しており、その一環として、認知症施策への提言を仙台市地域包括ケア推進課に対して、矢吹ゼミ、後藤美恵子ゼミの3年生が、「認知症理解促進のために仙台市で必要なこと」をテーマに報告会を行っています。また、2年生も参加し次年度に向けた動機づけとしています。
後藤美恵子ゼミ・矢吹ゼミの合同セッションの、学生の感想
【3年生】
- 差別や偏見をなくすということ、暮らしやすい街づくりに焦点がおかれていた。
- 合同ゼミを通して自分のゼミだけでは得ることのできなかった知識や知見、アイディアを別の視点から得ることができた。
【2年生】
- 一人では考え出せない色々な意見があると思った。「どうして」「なんで」「気になる~」といった感情を引き出される面白い案があり興味をひかれたので、きっと多くの人にも刺さるのではないかと思いました!!
- 私には、認知症をかかえている祖母がいますが、認知症についてどれだけ知れていないかを改めて考える機会となりました。3年生になった時、これだけ素晴らしい発表ができるかの自信はありませんが頑張りたいです!!
仙台市地域包括ケア推進課認知症対策担当:小堺課長 (後藤ゼミ・矢吹ゼミの「認知症施策への提言」へのコメント)
- 本市では、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画において、認知症の人が希望を持って自分らしく暮らし続けることができる取り組みの推進として、認知症への理解の促進を図るため、幅広い世代に向けた普及啓発の新たな手法の検討をすすめています。学生のみなさんから頂いた数多くのアイディアも生かして普及啓発を拡充していきたいと考えています。
- みなさんからの提案には、ワクワクしたとともに、真摯に認知症を理解する取り組みに向き合い、「自分のこと」として考えていただいたことに感動を覚えました。このような機会を提供いただいた大学に感謝いたします。
研究内容
- 研究フィールドを東南アジアの中のカンボジア、ベトナムとし、「カンボジアの社会福祉専門職の人材開発-介護職の人材養成・育成の推進システム化」、「ベトナム社会における高齢者対策としての社会的統合とコミュニティの相互関係の実証研究」をテーマとしています。途上国において高齢化が進む中で、人としての尊厳や価値が見出せる高齢者施策のシステムの開発をそれぞれの国が歴史と共に培ってきた文化的背景から研究しています。ベトナム研究の取り組み評価としては、2011年1月、2013年9月にベトナム障害児・スポーツ教育協会(OSEDC)より功績賞を受賞。さらに、2013年12月29日にベトナム赤十字社より感謝状を受賞しています。
- 日本での研究課題では、認知症高齢者の適切な理解、ケアの在り方を研究テーマとしています。2006年10月の日本認知症ケア学会大会にて「独自性」「有用性」「発展性」の評価を得て石崎賞(学会賞)を受賞しています。