2023/03/13 医療経営管理学科

【授業紹介】「e-ヘルスケア論」

ICTを活用した様々なヘルスケアサービスが生まれ、より身近になってきています。この授業では、これからの医療や福祉、健康づくりを担う学生が、デジタル化が進むヘルスケアサービスの現在を知り、その未来を考えていきます。

グループに分かれてTBLに取り組んでいる様子
グループに分かれてTBLに取り組んでいる様子
【授業紹介】
この科目は2年生以上の学生が選択して履修する科目です。ヘルスケアサービスのデジタル化の現状を学ぶことで、医療・健康の知識が幅広い分野で活用されていることに気づいてもらうことがねらいです。

【具体的な内容】
e-ヘルスケアとは何か、そしてヘルスケアを取り巻く社会の現状について学ぶことから始まりました。 医療における診断、治療や、病気の予防やセルフケアなど、私たちの生活にデジタル技術が浸透してきていることを体験を交えながら学習しました。

【授業の進み方】
15回の授業のうち、前半にはへルスケアのデジタル化がなぜ必要で、どのような分野で活用されているのかについて学びました。後半には日本に先行してヘルスケアのデジタル化が進められているフィンランドやデンマーク、イギリス、オランダといった国々の、改革に至るまでの経緯や現在の取り組みについて紹介されました。

途中に、個人やグループで2つの課題に取り組みました。1つ目の課題は、デジタルを生かしたヘルスケアに関連する商品やサービスを探そう、という内容でスライドを作成しました。2つ目の課題は、スマートフォンを活用した健康管理アプリをインストールし、一定期間使用した体験を報告しました。

授業の感想

教室の様子
教室の様子
授業後の感想からピックアップしました。
  • AIが搭載された会話ロボットは様々な会社で発売されていることは知っていたが、パジャマを着るだけで睡眠状態が分かるようになる商品があることに驚いた。自分自身の睡眠の質がどのようになっているのか分からないので、このような商品があるととても便利だなと感じた。デジタルヘルスケアの商品を調べてみて、多くの会社が様々な商品を発売していることが分かった。孤独感を感じないように、自分自身の健康管理が出来るように 、今回調べたような製品を使うことはとてもいいなと感じました。
  • 私は、日本の医療情報を少し理解している程度であり、他国についての知識が全くと言っていいほどない状態だった。授業を聞き思ったことは、取り上げられた国には日本とは違い充実したサービスや制度があった。その中で特に気になったのがフィンランドだ。世界幸福度ランキング1位のフィンランドはやはり医療制度が整っていて、心も体も余裕があることが幸福につながっていくのだと改めて感じた。
  • 特に印象に残ったのはデンマークの全国患者登録システムの導入時期のはやさです。現在日本では2021年にマイナンバーとの紐づけを始めたばかりですが、デンマークでは1977年にはDNPR(デンマーク全国患者登録: Danish National Patient Registry)が導入され、すでに患者情報の共通化がされていたようです。デンマークの医療情報デジタル化のはやさと日本の医療情報デジタル化の遅れに驚きました。日本は医療情報デジタル化などを導入しても普及するまでに時間がかかっていてもったいないと思います。この制度などをどうやって普及していくかが日本の課題なのかと考えました。
  • eヘルスケア論を受講するまでは、あまり関心も知識もなかったデジタルヘルスケアでしたが、今回自分たちで実際に取り組んだり、他のグループ発表を見て、興味を持ちました。
  • ヘルスケアアプリを体験するいい機会になった。他のグループの発表で使ってみたいと思ったものが複数あったのでチャレンジしていきたい。
  • 授業がきっかけで、体調管理をしたことで習慣が身についたと感じた。
  • グループワークを通して友人との仲が深まったと感じました。
授業スライド
授業スライド
授業スライド
授業スライド
授業に集中する学生
授業に集中する学生

授業担当教員から

「e-ヘルスケア論」担当 河村孝幸 教授

河村孝幸 教授
ヘルスケアサービスのデジタル化の現状を学ぶことで、医療・健康への興味・関心を高め、キャリア形成に役立てることを目的としています。この授業は医療経営管理学科の2年生のほか、他学科、他学年の学生も履修しています。
少子高齢化による人口構造の変化や社会保障費の急騰により、日本を含む多くの先進国ではヘルスケア改革が進められています。さらに、AI(人工知能)、ICT(情報通信技術)の活用が拡大する中で、コロナ禍を契機とした非対面型の医療サービスの導入や、ICTを活用した様々なヘルスケアサービスが生まれています。私自身も2021年から遠隔心臓リハビリテーションプログラムを提供する取り組みを始めました。
この授業では、Society 5.0(ソサエティ5.0)時代を生きる学生たちに、情報のデジタル化や人工知能を活用したルスケアサービスの現在地を紹介しながら、この授業を契機として、へルスケアサービスを提供する立場で、より良い未来を想像してほしいと考えています。
 

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