2023/03/24 医療経営管理学科
【コラム】これからの医療はQOL(Quality of Life)からウェルビーイングwell-beingへ
医療の目的は、的確な診断のもと、患者の治療と、人々の健康の維持・増進(病気の予防)にあります。これまで医療においては、「QOL」(Quality of Life、クオリティ・オブ・ライフ、生活の質の向上)が強調されています。QOLを目的として、医療の現場では高齢者や慢性疾患患者にさまざまな取り組みがなされています。具体的には、がん患者の不快な症状や治療の副作用に対し、いかに自分らしい生活をするかに着目し、その質を高めることに尽力しています。QOLは、1947年国際保健機関(WHO)が定義した「健康」に相当するものです。「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態にあること」とされています。すなわち、QOLの向上は、患者の身体的な苦痛を緩和し、精神的、社会的活動を含めた、生きがい、満足度としての生活の質を高めることにあります。
一方、「ウェルビーイングwell-being」は、心身だけでなく社会的な意味でも健康であることを意味し、満足した生活を送ることができている状態をいいます。健康・幸せ・福祉を表し、「幸福」とも訳されます。瞬間的な幸せを表す「ハピネスHappiness」とは異なり、持続的に幸せになることを意味します。今、ウェルビーイングが注目されている背景には、価値観の多様化(ダイバーシティ・LGBT)、超高齢化社会、新型コロナウイルス感染症の長期化などがあります。
医療において高齢者や慢性疾患患者が「持続的な幸せ」を送るには、何をすべきかがこれからの課題だと考えます。治療するだけなく、その後の人生を幸せに送るにはどうしたらよいのか、最初に患者さんに向き合ったときから、計画し対処しておくことが大事です。そのため、学生時代には医学の知識や実践だけではなく、「健康」・「生命」・「幸福」に対する知識と考えを培っていく必要があります。
これからの医療従事者は、医療にウェルビーイングwell-beingを行きわたらせるため、まず「自分が幸せである」を出発点とした視点から、患者さん一人ひとりに向き合い、健康・幸せ・福祉を考えていくことが大切だと考えます。
医療において高齢者や慢性疾患患者が「持続的な幸せ」を送るには、何をすべきかがこれからの課題だと考えます。治療するだけなく、その後の人生を幸せに送るにはどうしたらよいのか、最初に患者さんに向き合ったときから、計画し対処しておくことが大事です。そのため、学生時代には医学の知識や実践だけではなく、「健康」・「生命」・「幸福」に対する知識と考えを培っていく必要があります。
これからの医療従事者は、医療にウェルビーイングwell-beingを行きわたらせるため、まず「自分が幸せである」を出発点とした視点から、患者さん一人ひとりに向き合い、健康・幸せ・福祉を考えていくことが大切だと考えます。