担当教員● | 佐藤 光源 |
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一度しかない人生を心豊かに過ごすのは、人として何よりも大切なことです。しかし、心を病んで社会生活機能を損ない不本意な人生を余儀なくされている人は、いまも増え続けています。WHOの調査(2001)でもその原因の一位にうつ病があり、アルコール依存症や統合失調症など心の病気が上位を占め、各国にこころのケアの向上を勧告しています。日本でも毎年3万人を超える人が自ら命を絶っており、精神障害への正しい知識の普及啓発と誤解に基づく偏見・差別の是正が国の施策の重点課題となりました。
では、心の問題をどのようにしてとらえればよいのでしょうか。心を病むということは、 一体どのようなことなのでしょうか。病気を治療し、病人をケアするにはどうすればよいの でしょうか。また、医療と福祉の連携や心理社会的な介入はどのようにすればよいのでしょ うか。
精神医学研究の主なねらいは、1 心のとらえ方を学び、2 心の病気を適正に理解し、3 心の病気を持つ人や回復した人の生活障害への理解を深め、4 ノーマライゼーションを促すことにあります。心のケアの目標は障害者の社会参加にあり、生活の質を高め、その人生が心豊かなものになることです。それにはどのような具体的な取り組みが必要なのか、そうしたことを一緒に考えたいと思います。
以下の6問のうち、 2問を選んで回答しなさい。
課題1 |
思春期・青年期の心理的特徴を要約し、心理社会的介入の留意事項を考察しなさい。 |
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課題2 |
中高年のライフステージにおける特徴を要約し、心理的危機への介入のありかたを考察しなさい。 |
課題3 |
うつ病とはなにか、その治療的アプローチについても述べなさい。 |
課題4 |
統合失調症とはなにか、その治療的アプローチについても述べなさい。 |
課題5 |
精神障害への誤解・偏見の現状とその打開策について考察しなさい |
課題6 |
統合失調症の脆弱性ストレス モデルについて考察しなさい。 |
課題1 |
思春期・青年期(13〜19歳)における身体的、心理社会的発達の特徴を要約し、心理社会的な介入時の主な留意事項を考察してください(文献1)を参考)。 |
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課題2 |
こころの病気は、パーソナリティーとライフイベントとの相互作用だけでなく、ライフサイクルの影響下にあります。中高年の心理的危機を理解し、うつ病や自殺などを予防するために、中高年のライフステージの特徴を要約し、心理社会的な介入に必要な留意事項を考察してください(文献1)を参考)。 |
課題3 |
うつ病の診断基準、成因と治療について要約し、その上で患者・家族への基本的な態度と病気の説明の仕方を考察してください(文献3)6)8)を参考)。 |
課題4 |
統合失調症の診断基準、成因と治療について要約し、その上で患者・家族への基本的な態度と病気の説明の仕方を考察してください(文献3)4)6)を参考)。 |
課題5 |
精神疾患への誤解と偏見の現状について、統合失調症またはうつ病を例にとって要約し、その打開策について考察してください(文献5)6)7)を参考)。 |
課題6 |
統合失調症の脆弱性ストレス モデルは、疾患モデルの医療から生活モデルの医療・福祉へ転換させる重要な論拠となっています。このモデルの概要を要約し、これからの精神医療と精神保健福祉の連携における意義を簡潔に考察してください(文献2)4)6)7)を参考) |
(赤字=大学から送付される必読図書)