担当教員● | 阿部 裕二 |
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本講座では、「社会保障研究」において理解された内容を踏まえて、社会保障制度の現状と課題を分析することを目的とする。つまり、「社会保障研究」において、院生は社会保障における理念や価値を巡る論争を理解し、あるべき社会保障の全体像を構築したが、それらを踏まえて本演習では、社会保障の個々の制度・政策・システムのあり方に関して理解を深めていく。
なお、院生が個々に定めた研究テーマに即して、当該テーマを多面的あるいは総合的に考察できる「見通す力」(パースペクティブ)の習得も本演習の目的である。
スクーリングまでに以下の事項に取り組んでおくこと。
課題1 |
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課題1-1 |
所得保障の体系としては、「社会手当」、「年金」、「生活保護」、「雇用保険」などが挙げられるが、その一つを取り上げ、給付水準や費用負担、管理運営などの現状と課題を分析する。その際、単に制度の現状と課題を取り上げるのではなく、所得保障の中にどのように位置づけられるのかという視点をもって取り組んで欲しい。 |
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課題1-2 |
医療保障の体系の体系としては、「医療保険」、「医療扶助」、「公費負担医療」などがあるが、これらを総体として、医療保障の質や財政、制度体系などの視点からどのような現状と課題があるかを分析すること。その際、高齢者医療を含めて、近年医療にかかわる議論が盛んに行われているが、この点に関する自己の見解も述べて欲しい。 |
課題1-3 |
生活障害保障の体系は、一般的には福祉サービス全般を含むと理解されているが、ここでは「介護」に限定している。したがって、「介護保障」を言い換えてもよいと思われる。介護保障の体系としては、言うまでもなく「介護保険」が中心となるが、これだけで介護保障が成立するわけではなく、それ以外の福祉サービスもかかわらざるを得ない。このような視点から、福祉サービスの利用方法やサービスの提供体制、利用者負担などの「介護保障」の現状と課題を分析することが肝要である。 |
参考文献に関しては、スクーリングの事前課題を参照のこと。その他、図書館、書店において興味のある書籍を探したり、インターネットにおいて検索することも有用である。