担当教員● | 三浦 文夫 |
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ここで取り上げる福祉政策とは、イギリスでいう社会的諸サービス(social services)あるいはアメリカでいう社会福祉(social welfare)等と同じような(総合的)福祉政策を意味しています。そのなかでもとくに医療を含む社会保障(social security=income maintenance)及び対人社会サービス(personal social service, human service)、わが国では社会保障制度及びそれに含まれる年金、医療、介護、福祉サービス等をこの講義では取り扱うことにしたいと思います。研究では主として人口高齢化(あるいは少子高齢化)が福祉政策に与える影響を比較研究していきたいと思います。少子高齢化は多方面に影響を与えていますが具体的には次世代育成支援問題や高齢者問題が中心となると思います。このために人口転換革命による人口構造の変化とともに、産業化の状況を軸に経済、社会、行財政の動向などを時系列的に明らかにし、その上で最近の少子・高齢化問題の所在と特徴を究明することにしたいと思います。とくに高齢者問題に対応する対策として、年金、医療、介護それに高齢者福祉サービスに分けて考察することができますが、できれば介護及び高齢者福祉サービスを重点的にとりあげることにしたいと思います。なお比較のために取り上げる対象国としてはイギリスを重点的に取り上げたいと考えていますが、課題によってはアメリカ、スウェーデン、ドイツ、韓国なども取り上げてもよいと思います。またどのような分野や課題を研究の対象とするかについては上記したようには介護、高齢者福祉サービスを中心としましたが、それ以外でも履修生の問題意識に応じて他の分野の課題を自由に選択することもできるようにしたいと考えています。
以上の国際比較研究との関連で、わが国の少子高齢化対策と高齢者対策の歴史的展開を究明し、この間における先進諸国の対策の影響をどのように受けたのかを、いくつかの事例でもって検討したいと思います。たとえば高齢者施設の動向、コミュニティ・ケアの問題、介護対策を巡る動向などです。その上にたって最終的にはわが国の高齢者対策の到達水準を国際的に比較し、その特徴を明らかにしたいと考えています。
課題1 |
国際比較の観点からわが国における少子高齢化の展開と高齢社会対策の動向を論ぜよ。 |
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課題2 |
福祉政策研究における国際比較の意義について論ぜよ。 |
課題1 |
課題1については参考文献5および参考資料の1、4、5、6が参考になります。課題として地域福祉(コミュニティケア)や介護対策あるいは年金などを例に取ると書きやすいかも知れません。その場合は参考文献1、3、4等が参考になると思います。 |
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課題2 |
課題2についてはとくに参考文献1と3は是非目を通してください。 |
(赤字=大学から送付される必読図書)