担当教員● | 松江 克彦 |
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テーマ、および研究の狙い、研究の視点は精神保健研究と同じであり、ここではスクーリングの内容について概略を述べます。
本演習のスクーリングにおいては、自我同一性の確立とその展開を基礎としたエリクソンのライフサイクル論について講義し、それが人間理解にどのように寄与し、ひいては精神的健康について考える場合の基礎的理論としてどのような有用性を持っているかについて討議します。
スクーリングまで「幼児期と社会1」を通読し、エリクソンの全体的思想を理解するようにしてください。読み方については、最初から課題や要約を意識せず、理解が困難な細部にこだわらず、エリクソンの考え方、捉え方を全体的に把握できるように努めてください。文章の意味や考え方の理解が困難な箇所はメモしておくと便利です。それらは、スクーリングで解決しましょう。また、「アイデンティティ」を参考にし、自我同一性の概念とはどのようなものか、自分なりのイメージを持っておくようにしてください。
スクーリング時には、「幼児期と社会1」を通読して得られた内容の概略を、レポート用紙1〜2枚にまとめて持参してください。また、大学で配布した図書は全て持参してください。
下記の2題中、1題を選択してください。
課題1 |
エリクソンの発達を中心とした人間論(特に、自我同一性確立とライフサイクル論)の特徴について論述し、それが精神的健康、不健康について考える場合に、どのように役立ち、またどのような限界があるかについて論述せよ。 |
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課題2 |
自らの生活や社会の出来事のなかで、エリクソンの発達的人間論の視点と関わるテーマを自由に選び、それについて論述してください。 |
課題1は、エリクソンの考え方を充分理解することがまず大切です。人間の精神的健康、不健康について考える場合に役立つ点があるかどうか、あるとすればどのような点か、さらに役立つ点があったとしても、どのような限界があるか、精神障害との関係はどうか、などについてのあなたの考えをまとめるようにしてください。課題2は、自分自身の生活や仕事上のこと、あるいは社会の出来事などから、エリクソンの人間や社会に対する視点を基にして考えることができるテーマを1つ選択し、それについて、エリクソンの考え方、捉え方を参考にして自由に論じるようにしてください。課題は、スクーリング終了後2〜3ヶ月の間に提出してください。
(赤字=大学から送付される必読図書)
(精神保健研究、精神保健演習共通)
その他、精神保健、精神医学に関する図書、エリクソンの他の著書なども参考にすれば、なおよいと思います。