科目別ガイドブック 2007

社会福祉学専攻

精神医学演習

担当教員● 佐藤 光源
2単位SR1・2年

ページ内リンク


テーマ

心の病気のとらえ方と取り組み方

精神医学演習の主なねらいは、1. 心のとらえ方を知り、2. 心の病気を適正に理解し、3. 心の病気を持つ人や回復した人の生活障害への理解を深め、4. ノーマライゼーションを促すこ とにあります。心のケアの目標は障害者の社会参加にあり、生活の質を高め、その人生が心豊かなものにすることです。それにはどのような具体的な取り組みが必要なのか、スクーリングで一緒に考えてみたいと思います。 研究の視点については「精神医学研究」を参照してください。

スクーリングの事前課題

スクーリングまでに各自で研究テーマ(レポート課題)を決め、下記の参考文献などをもとに発表できるように準備し、発表要旨(A4版、1〜2枚)を作成してスクーリングのときに持参してください。

スクーリングは、院生の研究テーマによっていくつかのセッションに分け、指導教官が基調となる講義(60分)をしたあとで院生による発表と討論(1人30〜40分程度)を行います。

これまでのスクーリングは「精神医学入門:精神障害の多軸評定と包括的ケアプランの立て方」で始まり、講義は主な病気(統合失調症、うつ病、思春期症例、老年期うつ病、認知症など)についての「モデル症例」を用いた解説や神障害への偏見是正を取り上げてきました。

講義内容のハンドアウトと院生の発表要旨を添えたプログラムは、スクーリング開始時に配布します。また、発表にはパワーポイントを使用することができます。

スクーリングの事後課題

以下の6問のうち、「精神医学研究」で選ばなかった1問を選んで解答してください。この6問以外で、精神医学関連で選びたい別のレポート課題を要望する場合には、あらかじめ申し出て教官の了承を得てください。

課題1

思春期・青年期の心理的特徴を要約し、心理社会的介入の留意事項を考察しなさい。

課題2

中高年のライフステージにおける特徴を要約し、心理的危機への介入のありかたを考察しなさい。

課題3

うつ病とはなにか、その治療的アプローチについても述べなさい。

課題4

統合失調症とはなにか、その治療的アプローチについても述べなさい。

課題5

精神障害への誤解・偏見の現状とその打開策について考察しなさい。

課題6

統合失調症の脆弱性ストレス モデルについて考察しなさい。

参考文献

赤字=大学から送付される必読図書)

  1. 小此木啓吾・深津千賀子・大野裕編『心の臨床家のための精神医学ハンドブック』創元社、2002
  2. 佐藤光源・松岡洋夫「心理社会的ストレスと脆弱性仮説」『臨床精神医学講座2:精神分裂病1』、117-129頁、中山書店、1999
  3. 大月三郎・佐藤光源・末光 茂編『精神保健福祉士養成講座Ⅰ 改訂精神医学』中央法規 2007
  4. 佐藤光源・井上新平編『統合失調症の治療ガイドライン』医学書院、2004
  5. 日本精神神経学会監訳『こころの扉を開く——統合失調症の正しい知識と偏見克服プログラム』医学書院、2002
  6. 精神障害者社会復帰促進センター・全国精神障害者家族会連合会・精神保健福祉白書編集委員会編集『精神保健福祉白書2007年版——障害者自立支援法−混迷の中の船出』中央法規、2007
  7. 日本学術会議「こころのバリアフリーを目指して——精神疾患・精神障害の正しい知識の普及のために——」http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-t1032-6.pdf 2005
  8. 融 道男.岩脇淳監訳『カプラン臨床精神医学ハンドブック——DSM-IV-TR診断基準による診療の手引き』メディカル・サイエンス・インターナショナル、2003