2026年10月5日(月)、「心理実践活動論」の講義では、仙台少年鑑別所にて法務技官(心理)および地域非行防止調整官としてご活躍されている鈴木香奈子先生と、法務技官としてご活躍されている渡邉聡司先生をお招きし、ご講義いただきました。
鈴木先生からは、少年鑑別所における鑑別をはじめとする矯正心理専門職の仕事内容について、具体的な事例を交えながら詳しくお話しいただきました。また、再犯防止プログラムを受ける必要がある人について考えるワークや、「助けて」というSOSを発することの難しさを考える内容などを通して、非行や犯罪を心理学の視点から捉える貴重な機会となりました。
渡邉先生からは、法務技官を志したきっかけや学生時代の過ごし方、現在の仕事のやりがいについてお話しいただきました。実際の仕事に携わる先生方から直接お話を伺うことで、心理学の学びが社会のさまざまな場面でどのように活かされているのかを具体的にイメージすることができました。
講義には、学生から多くの質問が寄せられ、先生方には一つひとつ丁寧にお答えいただきました。心理学の専門的な知識だけでなく、将来の進路や仕事について考える上でも、多くの学びを得る充実した時間となりました。
学生の声
『非行や犯罪の背景には多様な要因があること、個別性を重視した支援の重要性、そして心理職としての専門性や多職種連携の必要性を学びました。心理支援の現場で求められる専門性や柔軟な対応力を養うことが、将来心理系の職に就く場合には大切なのだと、とても強く思いました』
『非行少年の心理を分析するだけでなく、非行に至った背景を理解し、再犯防止や立ち直りのための心理支援も行っていることを学びました。特に「困らせている子どもは、困っている子ども」という言葉が印象に残りました。問題行動だけを見るのではなく、その背景にある悩みや苦しみに目を向けることが大切だと感じました。また、安心・安全で規則正しい環境を整えることや、相談された際の大人の受け止め方が、その後の支援につながることを学ぶことができました』
『少年鑑別所が非行をした少年、一人ひとりの心理状態や生育環境、抱えている問題などを理解した上で、その後の支援につなげていく場所であることを知りました。特に印象に残ったのは、少年の行動だけを見るのではなく、「なぜそのような行動をしたのか」という背景まで考えることが大切だということです。心理学では人の行動や心の状態をさまざまな視点から考えますが、実際の現場でも心理的なアセスメントや面接などを通して、一人ひとりを理解しようとしていることが分かりました』
『印象に残ったのは、「助けて」と言えない非行少年がいることと、法務技官を始めとする、矯正現場で活躍する職員が「最後の教育者」であるという言葉です。(講話を通して)「最後の教育者」として少年たちの話に耳を傾け、大人の温かさや人を信頼することを伝える役割の大切さを知りました。また、支援にはさまざまな分野の知識を組み合わせることが必要だと学びました』
※感想は抜粋です。