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下屋 貴範さん

大学の学びで出会った
"利用者主体"という言葉は学びを深めるきっかけ

株式会社学研ココファン 戦略本部 法務室/総務部 組織管理課

下屋 貴範さん​

社会福祉学科

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PROFILE

プロフィール

千葉県習志野市出身。2003年4月に総合福祉学部社会福祉学科に入学。介護福祉士の資格を取得し2007年3月卒業。その後、熊本大学法学系大学院に進学。さらに放送大学大学院を経て、精神保健福祉士の資格取得のために通信制の大学で学ぶ。現在、株式会社学研ココファンの戦略本部の業務に従事。

INTERVIEW

インタビュー

本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは、ご出身の学科と専攻していた国家資格の課程について教えていただけますか?

社会福祉学科の介護福祉課程で学びました。

ゼミはどちらに所属されていたのでしょうか?

介護福祉課程だったので、二つのゼミに所属していました。介護福祉の分野では後藤美恵子先生、社会福祉の分野では高橋誠一先生のゼミでお世話になりました。

ご卒業は2007年3月でしたね。大学入学前はどんな高校生でしたか?

アルバイトが生活の中心でしたね(笑)。受験前まではたこ焼き屋さんでアルバイトをして、そのお給料で高校生活を楽しんでいました。今でもたこ焼きを焼く技術は残っていますよ!

千葉県から遠く離れた東北の大学、しかも社会福祉学科の介護コースを選んだのは、どのようなきっかけだったんですか?

2000年代は、まさに「福祉の時代が来る」と明確に言われ始めていた頃でした。父の勧めもあり、地元の大学受験に失敗した時に、「福祉を学ぶなら東北の大学でも良いぞ」と言われ、この大学を受験することを決めました。

実際に仙台にいらしてみて、この街の印象はいかがでしたか?

仙台という街は今でも大好きで、良い思い出しかありませんね。

「利用者主体」の学びが、今の仕事の根幹に

介護を目指して入学されたとのことですが、授業を受けてみていかがでしたか?

一番衝撃を受けたのが「利用者主体」という言葉です。最初にこの言葉が心に残り、それから大学4年間、ずっとこの言葉を大切に、学生生活を送りました。実際の実習でも、関連法人の東北福祉会の実習先では、本当に「利用者主体」という方針が明確でした。「利用者主体」をどれだけ大切にしなければいけないか、ということを学べた4年間でした。この言葉で始まり、この言葉で終わって、今もこの言葉が私の中に続いています。人を思うこと、コミュニケーションの大切さ、そして社会福祉の技術である「受容能力」。これらは今でも私の価値観として非常に大切にしています。人の話を聞くときに感情的にならないよう意識していますし、丁寧に話を聞くことで道が開けるということを強く感じています。

多くの授業を受けられたと思いますが、特に印象に残っている科目はありますか?

社会保障論は今でも印象に残っています。ノートがびっしりで、「これぞ学びだ!」と感じたことを覚えています。

実習のお話も出ましたが、どちらに行かれましたか?

介護福祉課程だったので、2年次に1回、3年次に2回と多くの実習に行きました。救護施設や特別養護老人ホーム、重度系の施設にも行きましたね。様々な実習先を見ることができた経験が、今でも福祉の業務に関わり続けていられる理由だと思っています。

多様な学びと資格取得がキャリアを拓く

他の学科の学生との交流はありましたか?

当時は情報福祉学科(現:情報福祉マネジメント学科)や産業福祉学科(現:産業福祉マネジメント学科)、保育士課程など、様々な学科の学生がいて、サークル活動を通して多くの交流がありました。インターネットのつなぎ方が分からなかった時に、同じサークルの情報福祉学科(現:情報福祉マネジメント学科)の友人に教えてもらったのが懐かしい思い出です。

現在の会社には、新卒で入社されてからずっと勤めていらっしゃるのでしょうか?

はい。私は大学院にも通学していましたので、新卒という意味では少し遅くなりますが、ずっと今の会社に勤めています。

大学院ではどのようなことを学ばれたのでしょうか?

熊本の法科大学院で法律を学び、その後、放送大学の大学院で福祉と法律に関わることを学びました。さらに、精神保健福祉士の資格も取得したいと思い、通信制の大学にも通いました。

そうなんですね! 勉強へのモチベーションがとても高いですね。

自分が「必要だ」と感じるものは、比較的積極的に挑戦するようにしていますね。

これまでに取得された資格を教えてください。

大学卒業時に介護福祉士を取得しました。その後も、社会人になってから、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、行政書士、貸金業務取扱主任者といった国家資格を取得しました。

福祉と法律を繋ぐ、民間企業の「総務・法務」という働き方

現在お勤めの学研ココファンという会社について教えてください。

弊社は基本的に医療・福祉をメインとしておりまして、私が所属する学研ココファンは、サービス付き高齢者向け住宅をメインに展開しています。

下屋さんはどのようなお仕事をされているのですか?

現在、本社の総務部、組織管理課に所属しており、主に株主総会や取締役会の準備、会社の規定改正などに携わっています。また、法務室の仕事も兼任しており、法務の仕事にも関わっています。 

差し支えない範囲で構いませんので、1日の流れを教えていただけますか?

弊社はフレックスタイム制を導入しています。基本的にはコアタイムの午前10時から午後3時までが勤務時間で、それ以外の時間帯は従業員が自由に働く時間を決めることができます。私の場合は少し早起きをして、午前7時から午後4時までを勤務時間として働いています。

今のお仕事で求められるスキルや知識について教えてください。

法的な知識は多く求められます。医療・福祉分野がメインですので、お客様との間で事故などが起こった際に、どこまで責任を取るべきか、保険会社や顧問弁護士と会社の間に立って調整するような役割を担っています。 

お仕事のやりがいはいかがでしょうか?

イギリスの経済学者ウィリアム・ベヴァリッジが発表した「ベヴァリッジ報告書」で知られる「ゆりかごから墓場まで」という言葉のように、私は、福祉は人の人生のあらゆることに携わる分野だと思っています。仕事でも、人の人生に関わることができたら良いなと思っており、最近では「ライフエンディング」という、死に関わる事業も始めています。大学で学んだことの延長を、今自分が働いている会社で活かせているということが、大きなモチベーションになっていますね。東北福祉大学では保育、教員、高齢者福祉、看護、リハビリなど多様な学びがありましたが、そういったところで過ごしたことが、今の私に影響しているのかもしれません。 

「利用者主体」と「従業員を守る」:法律を学んだ理由

大学院に行かれてから就職されたとのことですが、その経緯を教えてください。

大学の学びで出会った「利用者主体」という言葉が、私の中で非常に印象に残っていました。これを考えている中で、サービスを提供する仕事でも、商品を販売する仕事でも、「利用者主体」と「カスタマーハラスメント」問題の関係が気になるようになりました。「利用者主体」を守りながらも「従業員を守る」ということを実践するために、法律を学ぼうと思ったのが法科大学院に進んだきっかけです。就職先も、事業所で直接介護を行うというよりは、介護の従業員が何か問題に直面した時に、お客様と従業員の間に入って調整できるような仕事ができたら、と考えて選びました。福祉に関わる施設は様々で、色々な方針があると思いますが、その中でも「受容的な態度が大事だから理不尽なことも我慢しなきゃいけない」という考え方もあります。しかし、「『受容的』とはどこまで受け入れなければならないのか」という現実を見た時に、受け入れなければならないラインを判断し、違う場合ははっきりと言える立場の者がいたら、すごく助かるし、働きやすいのではないか、というのがきっかけです。そういった状況で福祉の仕事を辞めていく方がいらっしゃる現状を見て、少しでもお手伝いできればという思いがあります。 

現在のお仕事は総務と法務とのことですが、実際に老人ホームを利用されている方々やご家族と関わる機会はありますか?

裁判の時にお会いすることはありますが、利用者の方と直接お会いする仕事ではありません。事業本部で事業所を担当する部署から上がってくるご家族からの要求について、法務の観点から検討する仕事です。 

全国に多くの施設をお持ちの会社ですが、どのような相談が上がってくるのでしょうか?

利用者様が怪我をしてしまった時などのケースですね。サービス付き高齢者向け住宅は様々な高齢者の方がお住まいになる「住宅」であり、介護が必要な高齢者についても、特別養護老人ホームのように常に介護しているわけではなく、必要に応じた介護を行います。当社のサービス付き高齢者向け住宅は、お客様の状態に応じた支援をしており、介護が必要な方には併設の訪問介護事業所の職員がお部屋に伺って介護をする形です。共用部分の食堂やお風呂をご利用いただくことはありますが、あくまでも「施設」ではない「住宅」であり、ご自宅として過ごしていただいています。そのため、介護以外の時間でお怪我をされることもあります。そういった判断が難しいケースで、事業所が私たち法務に相談をする、という形になります。
 

お客様の要介護度は低い方が多いのでしょうか?

基本的には全面的に受け入れるようにしています。サービス付き高齢者向け住宅というと、要介護度が高い方は入居されないイメージがあるかもしれませんが、可能な限り皆様の役に立ちたいという方針で、非常に難しい方もいらっしゃいますが、可能な限り受け入れるようにしています。 

福祉の学びは民間企業でも通用する「強み」になる

社会福祉学科を卒業して民間企業に勤める方も少なくないですが、福祉を学んで民間企業に行くことの良さはどんな点にありますか?

例えば、社会福祉援助技術という分野で、人と人とのコミュニケーションについてしっかり学びますよね。これは民間のどんな職場でも通用する能力だと思うんです。民間に行くという選択肢を選んだとしても、大学4年間で学んだ様々なことは決して無駄ではない、というのが私の考えです。 

高校生・在学生へのメッセージ

最後に、在学生の皆さん、そして本学への進学を検討している高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

高校生の皆さんは、進路を選ぶ際に経済学部や工学部など、色々な学部が選択肢にあると思います。それぞれの分野やそれぞれの大学には、そこでしか学べない貴重な経験が待っているので、ぜひ自分で進学する大学を選んでほしいです。

そして、福祉に関わる仕事をしている立場からも、また東北福祉大学の社会福祉学科を卒業したという立場からも、福祉にも関心を持っていただけたら嬉しいです。東北福祉大学でしかできない貴重な経験が待っているということを、卒業生として高校生の皆さんにはお伝えしたいですね。

私は東北福祉大学で学べたことを、今でも自分の誇りだと思っています。学生時代にはゼミの後藤先生にたくさん反発して、ご迷惑をかけたこともありましたが、先生のすごいところは、その反発もすべて受け入れてくれたことです。今でもとても尊敬していて、毎年連絡を取っています。福祉大での学びは、「利用者さんを大事にする」といった価値観と、それから「働いている人たちの、我慢を強いられるような状況についても考える」という、言葉にするのは難しいのですが、大学4年間での私の生活が今のすべてに繋がっていると断言できます。

在学生の皆さんには、もし悩んだことがあったら、まずは先生方に相談してみることをお勧めします。先生方は真摯に話を聞いてくれますよ。まずは話しかけてみましょう。それから、進路についてどうしたらいいか考えあぐねているなら、お金の問題はあるかもしれませんが、大学院も一つの選択肢として、検討してみても良いと思います。

最後に宣伝になりますが、弊社は福祉の大学でやってきたことをそのまま活かせる会社なので、もし就職先の選択肢として選んでくれたら、とても嬉しいです!

What TFU means to me

私にとっての東北福祉大学とは

東北福祉大学で学べたことは、自分の誇りです。大学4年間の学びは「利用者を大事にする」という価値観と「働いている人たちのことも考える」今の仕事のすべてに繋がっています。

私にとっての東北福祉大学とは