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槙 貴浩さん

経済学から精神医療の最前線に挑む心理士へ。
迷いながら見つけた、自分らしい進路。

宮城県立精神医療センター

槙 貴浩さん​

大学院総合福祉学研究科 福祉心理学専攻 臨床心理分野

  • 福祉心理学専攻 臨床心理分野
  • 心をケアする
  • 保健医療
  • 公務員・団体

PROFILE

プロフィール

宮城県出身。2005年に東北福祉大学大学院 総合福祉学研究科福祉心理学専攻(臨床心理分野)に入学し、在学中に臨床心理士の資格を取得。2007年に修了後、宮城県立精神医療センターに就職し、心理職として活躍。

INTERVIEW

インタビュー

槙先生は、経済学科を卒業された後、心理職をめざされたと伺いました。現在のお仕事をめざしたきっかけについて教えてください。

経済学科在学中は、一般企業へ就職するか研究職を目指して大学院進学をするか迷い、自分が何をしたいか、何をめざしたいかを自問自答することが多かったです。接客業を中心に様々な業種でのアルバイトを経験する中で、人を支援する仕事への関心が出てきました。そんな折、心理学科の知人から勧められて手に取った馬場禮子先生の「臨床心理士への道」という本を読みました。もともと心理学には関心がありましたが、この本に出会い、人への理解を深く探求するという研究的な視点を持ちながら、直接的な関わりによって人を支援する職業があるのだと感じ、臨床心理士を志したいと思いました。

精神医療センターの心理職のお仕事の内容について教えてください。

当院の心理職は、通院及び入院中の患者さんに対する心理検査・面接業務、児童思春期病棟業務、精神科デイケア業務、医療観察法関連業務、心理教育・家族教室業務など多岐にわたっています。特に精神科デイケアは当院では心理職が長年継続して配置されており、僕自身も担当することが多いです。
精神科デイケアは、通院中の患者さんのリハビリテーションを行うところです。デイケアのスタッフは、就職や就学などの社会参加や安定した地域生活を送るために、患者さんの個別の目標に合わせて、運動やミーティング、認知機能リハビリテーションなどのプログラムを運営したり、相談対応などしています。医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士など他の職種と一緒に患者さんの支援をするので、心理職の仕事は、通常1対1でクライエントに関わることが多い中、集団を対象に常にチームで患者さんに関わることが大きな特色かと思います。

お仕事の魅力は何ですか?また、どのような時にやりがいを感じますか?

同じ疾患を患っている人、同じような悩みや辛さを抱えている人でも、回復や問題解決に向かう背景やプロセスは一人一人異なります。そうした個別の関わりの中で、背景にあるこれまで歩んできた道、備わっている独自の力に触れさせてもらいつつ、病を抱えながら生き抜くための知恵や工夫を教えてもらえることは、おそらく他の仕事ではなかなか出会えない貴重な機会だと思っています。

精神科病院は様々な専門家が働く職場だと思いますが、先生が心理職として大切にしていることはどのようなことでしょうか?

「専門家」「社会人」「個人」の3つのアイデンティティをバランス良く持つことを意識しています。精神科病院の職員として様々な専門家と一緒に働く上では、専門家としての自分、社会人としての自分、個人としての自分を時々バランスよく自己点検しながら、自己理解をし、トレーニングを積んでいくことが大切と感じています。また、トレーニングについては、心理職としての専門性を深めると同時に、様々な他の領域についても幅広く関心をもつことは、様々な人を支援する上で、役に立つことが多いと思っています。

後輩へメッセージをお願いします!

僕自身、進路に悩み、迷い、遠回りをしながら今の仕事に就いたように思っています。進路に迷ったときに自分を支えてくれたのは「Never too late」という言葉でした。「何かするときに、遅すぎることはない」という意味ですが、これは日本人初のNBAプレーヤーとなった田臥勇太選手が、大学を辞めてNBAに挑戦するときに、大学のチームメイトから伝えられた言葉としてインタビューで紹介されていました。自分が心理学科を志すという進路の方向転換を選択する際に、強く背中を押してくれました。新しいことに挑戦したいとき、葛藤を繰り返している時、行動したいのに我慢を強いられている時は、焦りや諦めの気持ちが生じやすいと思います。僕は自分の経験から「何事にも挑戦することに遅すぎることはない」と思っているので、進路に迷った時、悩んだ時には、「Never too late」という言葉を思い出してもらえると嬉しいです。