福祉心理学科の渡部純夫教授が、(一社)日本箱庭療法学会の2026年度「日本箱庭療法学会学会賞」を受賞されました。2026年10月31日に京都大学百周年記念時計台記念館にて開催された同学会の会員総会にて、同学会理事長の桑原知子京都大学名誉教授から賞状などが授与されました。
「日本箱庭療法学会学会賞」は、学会の諸活動における優れた業績をたたえる目的で設けられています。渡部教授は、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の後、復興支援活動において援助する人を支援する取組みとして、同学会の故・岸良範茨城大学名誉教授や角野善宏京都大学名誉教授とともに、福島県内で事例検討会や箱庭制作実習研修会などを実施してきました。
その活動は『東日本大震災と箱庭療法 : こころの糸をつむぐ』として出版されています。さらに、震災後の福島の状況を渡部教授は「福島の静かなる苦悩」と題して『箱庭療法学研究』第16巻(2014年発行)に報告を寄せています。このほか、2020年度第2回日本箱庭療法学会研修会シンポジウム「東日本大震災後10 年」にて、渡部教授はシンポジストとして登壇し、広く福島の状況を伝えてきました。
日本箱庭療法学会は、東日本大震災発生の翌月から東北の太平洋沿岸地域に入り、現在に至るまで支援者支援として研修会の開催など、主として支援する人を支援する活動を続けています。そのような学会の学会賞は、渡部教授にとってもひときわ意義の大きなものです。
渡部教授からのコメント
このような名誉ある賞をいただけましたこと、身に余る光栄でございます。東日本大震災後、絶望の淵に追いやられたことを忘れることはできません。でも、多くの方々の手が差し伸べられた時、やれることを自分なりにやっていかなければならないと固く心に誓いました。支えてくださった方々には、いくら感謝しても感謝しきれるものではありません。その人たちに応えて行く道は、1歩でも半歩でも前に進んでいくことしかないのだろうと考えております。そんな取り組みを評価してくださったことを嬉しく思うと共に、そこには多くの方の犠牲があったことも決して忘れてはいけないことであります。
今回の受賞を長い道のりの1合目と考え、今後も出来ることをゆっくりやっていこうと思います。多くの皆様に御礼を申し上げると同時に、自然との共生を深く考えて行きたいと思います。本当にありがとうございました。