研究活動 (大学ポートレート)
多様な研究内容
取組の内容
<社会福祉分野で研究成果を授業にいかす取り組みの一例>
・赤塚俊治教授が開発途上国の社会福祉分野の研究を行っています。研究成果で、国家体制の違いや文化の違いなどがあっても人々が持つ社会的問題は同様であるという
認識が得られ、通信教育部授業の中でも実証的成果を論じながら分かりやすく紹介するよう努めています。
<特別支援教育分野>
・庭野賀津子教授が特別支援教育の現場に求められる知識や技能に関する研究(詳細後述)から得られた様々な知見を通信教育部の特別支援教育関連の授業に取り入れています。
<心理分野>
・吉田綾乃准教授が科研費で「認知能力の個人差が印象形成プロセスや感情制御、自己制御行動に及ぼす影響などの研究」を行い、得られた知見を授業の中で紹介し、
最新の知見を学ぶことができるように配慮しています。
詳細・関連サイト
取り組みの目標
<2つの目標をもって取り組んでいます>
・通信教育部担当教員の研究成果を、教育実践にいかすことで、当該分野の基礎的な知識をふまえたうえで、通信教育部の学生が最新の知見に
ついても学べることを目標にしています。
・スクーリング講義で担当教員の研究実践に触れることにより、「研究する姿勢」を学び、「予測困難な時代に
おいて生涯学び続け、主体的に考える力の育成」「答えのない問題に最善解を導く力の育成」に少しでも寄与することを目標にしています。
取り組みについての検証と評価
<福祉分野の例>
・スクーリング受講生は実際に調査研究で得られた研究成果の実態に基づく講義内容をすると興味深く耳を傾ける姿がみられています。
<特別支援教育分野の例>
・庭野教授は、平成19年度に我が国の障害児教育が特殊教育から特別支援教育へと転換されたことにともない、東北6県の全市町村教育委員会を対象とした大規模調査研究を
実施しました。その結果から得られた知見をもとに、特別支援教育の現場に求められる知識や技能を整理し、学術誌や学会発表を通じて研究成果を発表するとともに、
特別支援教育支援員向けテキストを出版しました。そして、本研究から得られた様々な知見を通信教育部の特別支援教育関連の授業に取り入れており、特別支援学校教諭や
特別支援教育支援員として現場で活躍する方などの意識を高め、実践を高度化する成果をあげています。
<心理分野の例>
・研究知見がどのように人々や社会の役に立つかという実践的な観点から最先端の研究を紹介するように心がけています。やや難しく感じる方もいるようですが、多くの方は
研究の意味を身近な例に引き付けて考えていただいているようです。
取り組みを通した学生の成績評価
<福祉分野の例>
・スクーリングを受講した学生からは「とても面白く、福祉に対する考えが変わった。生きていく上での学びになった」などの感想が聞かれ、効果をあげています。
<特別支援教育分野の例>
・「特別支援教育支援員概論」「障害者教育実習事前指導」などのスクーリングを受講した学生からは、「現場で役立つ知見が得られた」「障がいを有する子どもと
接する際の視点が得られた」などの感想が聞かれ、効果をあげています。
<心理分野の例>
・「心理学の研究を行うこと」に対する動機づけが高まり、卒業研究を希望する学生に良い影響を与えていると感じています。
なお、今回とりあげた3科目のスクーリング・アンケートによる満足度は3.25〜3.64(満点4.0)といずれも高い評価が得られています。