課題解決型学習(PBL)

取組の内容

<問題解決能力を高めるために>

・通信教育の主な学習方法であるレポート学習は、課題について教科書や参考文献を調べながら自分なりの解答をまとめていくプロセスを通じて、自分なりに問題を とらえ解決策を見出す問題解決型学習の基礎訓練となります。
・福祉系の演習や実習指導のスクーリングにおけるグループワークは、福祉現場の事例を題材にすることで、より直接的な問題解決型学習の機会となっています。
・心理系のスクーリングでも、講義で紹介した人間関係に関連する理論や心理プロセスについて、現在の自分を取り巻く人間関係に当てはめて考える時間を設けることで、 問題点に気づくことができるように促しています。問題点が明確化されたら、それを解決するために見出されてきた様々な心理学的知見を示し、それを実際に活用できるか どうか、それをどう応用すれば実生活に適用可能かどうかを各自で考えてもらっています。
・本学での学びを通して多方面への見識を深めながら自律的に学習する力を身につけ、仕事や家庭、地域など通信教育部学生が主体的に活躍する場での実践的な問題解決力を 高めることにつなげています。

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取り組みの目標

<3つの目標をもって取り組んでいます>

・通信教育部での学びを通じて、学生が自己学修力を高め、「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力」「答えのない問題に 最善解を導く力」の基礎力向上を目標としています。
・講義で得た知識から現実問題を「発見」し、知識を「吟味・解決」に活用することを目標としています。
・学生それぞれの現場における実践的問題解決能力の向上を目標にしています。

取り組みについての検証と評価

<基礎力の向上>

・「自ら問題を発見し、解決に必要な情報を収集・分析・整理し、問題を解決・調整できる基礎的な力が向上したか」については、「向上した」が約74%である一方、 「あまり向上していない」という回答も約20%あります。レポートをただまとめるだけでは力が向上しないのではないかと考えています。

<問題の発見・吟味・解決力>

・講義の最後に行われるスクーリング試験において、スクーリングで得た知識を用いて、実際の人間関係で生じた出来事について分析し、なぜそれが生じたのか、 どうすればその対人的問題を解決することができるのかについて論じてもらっています。この論述によって、受講者がどれだけ実際の出来事に知識を適用できているのかを 検証しています。

<実践的能力の向上>

・「卒業した学科での学びを統合的に活用し、自ら課題を設定し、理論と実践を融合しながら解決策を導き出す力が身についたか」について、「身についた」約77%、 「あまり身についていない」約21%です。総合的な実践力修得は時間がかかり成果が見えにくいのでしょうが、いつの日か学びの成果が花開くことを願っています。

取り組みを通した学生の成績評価

<問題解決能力を高めることが楽しいと思えるように>

・教員から〜知識を知識として蓄えるだけでなく、それを使って自分が現在置かれている状況を説明することができ、さらにそこに含まれる問題点を発見し解決することが できるようになることで、学生の皆さんは知識の獲得とその活用という階層的な知識の広がりを十分に楽しんでいるように思えます。
・学生から〜「大学の学びを通して自分の現場での取り組みを見直せ、利用者が抱える課題についてより具体的な提案ができるようになった」などの意見が聞かれています。 また、「たくさんの考えに触れて、一つの側面だけに拘ってはいけないことを学びました」との声も多く聞かれ、PBLが学生それぞれにとって多様性を受け入れ、柔軟性の 高い問題解決能力を得る学びの機会となっていることがわかります。
・通信教育部の場合、忙しさ・時間に追われ学修がおろそかになる場合もあります。生活・仕事・社会における見えるニーズ、見えないニーズ双方を発見し、問題解決の ための総合的な力を身に付ける学びをいかに提供できるかが今後の課題となっています。