「高齢者を肯定する」
居場所づくりで、
日本の未来を切り拓く
介護業界の
次世代型パイオニア。

株式会社あおいけあ代表取締役・慶應義塾大学看護医療学部非常勤講師
加藤忠相
社会福祉学部 社会教育学科
  • 福祉
  • 介護
  • 地域医療
  • 少子高齢化
  • 社会保障
  • 自立支援

Profile

プロフィール

神奈川県藤沢市生まれ。1997年社会教育学科(当時)を卒業。卒業後、3年間の高齢者施設勤務を経て2000年株式会社あおいけあを設立し、現在高齢者に介護福祉サービスを提供する4つの施設を運営中。高齢者を被介護者ではなく“社会資源”として捉え、“誰もが居場所のある介護福祉”をめざす運営方針への注目は年々高まり、「介護の常識を超えた施設」として全国から見学が絶えない。2013年「第一回かながわ福祉サービス大賞」受賞、『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)で紹介されるほか、『日経ビジネス』にて「次代を創る100人〜2017〜」に選出。2017年6月、あおいけあに着想を得て制作された映画『ケアニン』(厚生労働省推薦)が公開予定。

利用者さんも、自分も居心地良く毎日を過ごしたい。
働きたい場所がなかったから、自分でつくりました。

施設内で過ごす時間割がなかったり、利用者が料理や作業をしたり。高齢者向け介護施設の常識とはひと味ちがうスタイルは立ち上げ時からのこだわりですか?

「こだわり」というか、当たり前のことをしているだけなんですけどね。うちは施設としてのルールやマニュアルが全くないんです、あえていうなら「自分がされてイヤなことはしない」というぐらい。大学卒業後に大型の介護施設で働いたものの、利用者のみなさんが幸せな介護を受けられていない現実に直面して……。「それなら自分で作る」と思ったのが始まりだったので、全部自分で試行錯誤しながらやってきました。そのスタイルは今も変わらず、職員一人ひとりが自分で考えて動けば良いと思っています。おじいちゃん、おばあちゃんにも出来ることはどんどんやってもらいます。介護とか医療の分野は特別な世界だと思いがちですが、そうじゃない。「老い」って、本当はすごく身近にあるものでしょう? いずれ自分たちが高齢者になった時のことを想像してみてください。8時間も居心地の悪い場所にはいたくないですよね。高齢者じゃなくたって嫌なはず。だから、おじいちゃん、おばあちゃん一人ひとりにとって、もちろん僕自身にとっても居心地の良い場所をつくったんです。

ルール化するより考えて動く方が、何倍も大変かもしれませんね。

介護事業の目的は本来「お世話」ではなく「自立支援」です。簡単にいうと職員がお茶をいれるのはお世話、利用者がお茶を自分でいれるように支えるのが自立支援。「認知症だから」「危ないから」とじっとさせるのではなく、利用者一人ひとりの得意分野で「動きたくなる環境をどう作るか」を考えることが職員の仕事。「喉が渇いたのでお茶をいれてほしいな」とか言ったりね。僕は“高齢者=社会資源”という考え方なんです。料理や手芸、大工仕事、植木の手入れ……みなさん人生の先輩ですし、僕らより何倍も上手です。それに誰だって、自分が何かできたり、人の役に立つとうれしいですよね。福祉だからとか難しく考えず、一人ひとりを肯定できる環境を提供してここを「居場所」と考えてもらえることさえできればいい。そう思っているんです。

介護スタッフから経営者になって変化はありましたか?

「仕事」が始まったことでしょうか。働くには「労働」と「仕事」がありますが、ただ漫然とこなすのは労働で、主体的に自分で考えて動くのが仕事。たとえば突然怒りだす利用者がいたとして「認知症だから」と割り切るのではなくて、本人がいちばん辛いはずと思い、「なんで怒るんだろう?」「環境に原因があるのかな?」など、いろいろと考えます。そして、行動に移していくんです。僕は経営者なので、どうしたら職員一人ひとりが考えるようになるかを考えています。だから、ものすごく考えるようになりましたね(笑)。本で得た知識の通りに接するのではなく、知識を自分のものにして毎日の仕事の中で実践・応用していくことが大事。介護職の専門性ってそうすることで養われていくのだと思っています。

人の心と向き合う難しさ、そして大切さを
教えてくれた学生生活が、
今の仕事に就くスタートラインでした。

東北福祉大学は加藤さんにとってどのような学校でしたか?

生まれも育ちも神奈川県なので、地元を離れて過ごした東北福祉大学は第二のふるさとのような場所です。学生と同じ目線で向き合う先生がたくさんいらっしゃって、授業中も少数意見をきちんと聞いて新しい視点を提示してくれたり、授業後に先生のご自宅にうかがって討論したり。物事を一つの局面で見るのではなく、色々な角度から見て考えるという視点が自然に培われたのは、この学生時代があったからだと思います。

他に大学時代の学びで、今に役立っていることはありますか?

介護職員の仕事は「利用者が動きたくなる環境を考えること」。そして経営者の僕の仕事は「職員がどうしたら考えたくなるかを考えること」と言いましたが、こう考えるようになったのは、大学時代に指揮者を務めていた吹奏楽部の活動が発端です。吹奏楽コンクールへの出場など新しい挑戦をする時に、一人が無理にみんなを動かしてもだめで、部員が納得して自主的に動かないと良い結果にならない。僕が細々としたことを全部考えれば単なるルールになったり考えの押しつけになってしまうので、一人ひとりが自分で考えて決めることが大事なんです。だからみんなが動くようになる方法を常に考える癖ができた。いま思うとその時の気づき、経験が現在のスタイルに通じていますね。

難しく考えなくてもいい。
今の気持ちをずっと覚えていれば、
素敵な人生になるはず。

介護業界で活躍する先輩として、後輩達にどのような想いがありますか?

介護福祉業界を志望する若い人は、「人の役に立ちたい」「おじいちゃん、おばあちゃんに喜んでほしい」という人が多い。そんな優しい気持ちをもったまま、誇りをもって働ける環境を僕たちがつくっていくことだと思います。労働や業務ではなく「仕事」として働くことができる場所にすること。若い誰かが希望を抱いてこの業界に入ってきたときに、「前例がない」「非常識」という言葉で片付けられたらもったいない。たとえ僕たちのような小さな事業所でも、ちゃんと自分達のめざすものを持って続けていく。そして、いつの日か後輩たちの希望になるような事業所になれたらうれしいですね。

これから東北福祉大学に入学する人にメッセージをお願いします

超高齢化社会に突入する日本では、介護や福祉へのニーズは高まるばかりだと思います。これからの日本を作る、支える土台となる仕事なので、自分のめざす道を考えられる人なら、やりがいを感じて本当の意味で「仕事する」チャンスは、他の業界よりはるかに多いんじゃないかと思います。東北福祉大学はすごく居心地の良い学校です。大学時代、しっかりとアンテナを張って過ごして、自分の頭で考えて、自分から行動できる人になれたら素敵ですね。

What TFU means to me

私にとっての東北福祉大学とは

卒業から何年たっても
帰れる場所。
相手の心を尊重し、
肯定できる自分になれた原点は、
ここで過ごした4年間です。

ほかの先輩のことを知りたい!

出発点は高校球児のころ。大学で医療や医学の勉強の楽しさ、人の絆を学び、地元の医療に貢献。
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健康科学部 医療経営管理学科
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総合福祉学部 社会福祉学科
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中村美咲
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栁田恵梨奈
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実学で磨きあげた看護技術と福祉マインドで、医療の最前線に挑戦。
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若生ゆいか
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